子供の叱り方・・・・・183

ちよみ

2009年09月30日 20:51

~ 今 日 の 雑 感 ~


♦♦子供の叱り方♦♦


    
    子供を叱る時、よく説教調でこんこんと言って聞かせるように叱る人がいますが、そういう叱り方は、まだ小、中学生のような子供には、意味がないと思います。

    高校生ぐらいになれば、そうした説得調も通じると思うのですが、十代前半の子供たちへの説諭で大事なことは、はっきりとした声で、しかし、怒鳴るのではなく、ダイレクトに言いたいことのみを伝えるという技術なのだと思います。

    (これは、戦前の教育を知っている方なら判ると思いますが、かつては、小学校の先生を「訓導(くんどう)」、中学、高校の先生を「教諭」 、大学以上を「教授」と呼んでいたのですが、この呼び方には、やはり意味があると思うのです。

    つまり、小学生には、学問を教えるだけではなく、人間としての基礎をつくるために教え導かねばならないということなのです。そして、中学、高校生になって、ようやく教え諭すという訳です。まあ、大学生以上は、単に知識を教えておけば自分でいいように勉強するだろうということなんで、教授なんでしょうけれど-----。)

    まず、子供の目を見て話すこと。そして、必ず一つはいいところを褒める。

    その後、注意点を短い言葉で判り易く伝える。 

    次に、失敗したり、間違えた時は、時間をおかずに即座に伝える。

    そして、「あれもダメ、これもダメ」ではなく、「今度はどうしたいか?」「どうすれば、いいか?」ということを、自分で考えさせ、自分の口で答えさせる。(これは、zukyさんのブログにも書かれていたことです)

    指導者や教師は、大人なので、とかく大人の考えることを前提に話をしがちですが、子供の頭には、前提ということは通用しません。大人の一時間は、子供にとっては十時間にも匹敵するのです。たった、一時間前のことでも、子供の脳には、もう過去の出来事としか認識できなくなっているのです。

    ですから、指導者や教師が、「お前、あの時、何でああしなかったんだ?」などと訊いても、子供には「あの時って、いつのことでしょうか?」のようになってしまうことも多々あります。でも、子供は、そんなことを言うのは恥ずかしいので、ほとんど無反応です。大人は、これを、煮え切らないとか、覇気がないと感じがちですが、そんなことはありません。子供は子供なりに、必死で頭を悩ませているのです。

    自分が、子供だった時のことを思い出してみてください。一時間授業の長かったこと-----。一年の経つのが待ちどおしかったこと-----。年を取るにつれて、月日は束になって飛んで行きます。

    ですから、子供に何かを説明する時は、面倒くさがらずに、必ず最初から説明することが大事なのです。それが、いつしか子供たちの身体にルーティンとなって沁みつけば、しめたものです。ですから、教える側は、絶対に正しいことを教えなければなりません。

    しかし、子供は、規制を嫌います。ある程度の基礎を教えたら、時には自由にやらせてみることもいいでしょう。そして、自分勝手にやっていただけでは、決してうまくはいかないことを学ばせるのです。うまくなりたいと思えば、子供心にも欲が出ます。

    そして、ここが大事なのですが、何度言っても判らない子がいる場合は、その子が、本当にそれをすることが好きなのかを疑うべきなのです。子供の気持ちを無視して、親が強制していることがよくあるからです。

    とかく、習い事などでは、当人の子供よりも親の方が真剣になってしまうことがあるようです。

    でも、子供は、親の気持ちを考えて、自分もそれが好きなのだと、勘違いをしている例が少なくありません。

    やりたくもないことを、無理やりやらされている子供ほど、みじめな者はないのです。

    そして、絶対に精神的肉体的に、限界まで追い詰めるようなことはしない。もしも、それをやってしまうと、その子供の柔らかな心の中に一生のトラウマとして刻みつけてしまうことにもなり兼ねません。

    かつて、岡谷工業高校のバレー部監督が、選手を死亡一歩手前まで猛練習させてしまった時に、その選手の親御さんが、「たかが、バレーで、ここまでしてくれと誰が頼んだ!?」と、言っていたように、何事も、「たかが-----」なのです。

  たかが、勉強。たかが、スポーツ。たかが、音楽。命に比べれば、何のことなし。

    指導者や教師の方たちには、この言葉を常に胸に落として、子供たちを叱っていただきたいと思います。

     
<今日のおまけ>

    テレビを観ていたら、最近多い「パチンコ依存症」という病気について放送していました。

    わたしも、以前ブログで依存症について書いたことがありましたが、この「パチンコ依存症」は、ひどくなると一日に50万円も使ってしまう人もいるそうで、病院で治療しなくては治らないことも多いそうです。

    しかし、再発の可能性も高く、よほど自分をしっかり持っていないと、簡単には抜け切れない欲求があるため、治療もかなり難しい部類の依存症なのだと言います。

    こうした、いわゆる「賭博依存」は、世界的にも認知された精神疾患なので、治療には、家族や周囲の理解が不可欠なのだとか。

    「単なる、ばくち好き、自己抑制が下手な人とは訳が違うのだということを、判って頂きたい」と、医師は話していました。
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