意外と知らない行司の世界・・・・・178
~ 今 日 の 雑 感 ~
★意外と知らない行司の世界★
皆さん、大相撲といえば、力士のことはご存じでも、
行司さんのことは、あまりご存じないのではないでしょうか?
り・まんぼーさんのブログのコメント欄にこの行司さんについて少し書かせて頂きましたが、せっかくなので、自分のブログにもアップしてみたいと思います。
行司は、言わずと知れた大相撲の裏方さんです。
独特の
直垂(ひたたれ)に烏帽子(えぼし)という行司装束に身を固め、土俵上では歯切れのよい声で、「はっけよい、残った、残った」と、勝負を盛り上げ、勝負の審判をする重要な役目です。
この
「はっけよい」の掛け声は、
「発揮揚々」 、もしくは、
「はっ、競えや」から来ているとも言われ、力士ががっぷり組んだ状態で動かない時に使われます。また、「残った、残った」は、文字通り力士が技をかけている時、「まだ、(土俵上に)残っているぞ」という意味で、使われる言葉だということです。
大相撲観戦で、まず、目につくのは、行司のあでやかな装束ですよね。正に、豪華絢爛。相撲に興味はないが、行司の衣装を見たいばかりに本場所へ足を運ぶという観客もいるくらいです。
行司にも、力士と同じく階級があり、最高位は、「立行司(たてぎょうじ)」と呼ばれる
木村庄之助、次位が、「立行司格」の
式守伊之助、この下に三役行司が3名、幕内行司が8名、そして、十両格、幕下格、三段目、序二段、序ノ口と、続きます。
身につけるものも階級によってきちんと決められていて、幕下以下の行司さんは裸足。十両に上がってようやく足袋がはけるのです。
足袋に草履(ぞうり)がはけるようになるのは、なんと、三役以上。そして、
立行司と立行司格のみが短刀を腰にさすことが出来るのです。そして、いくら立行司でも、やはり定年はありますから、65歳になったら、土俵を去らなくてはなりません。
そして、その行司さんの衣装ですが、十両以上の装束は絹織物の高級品で、織り方にも夏と冬で違いがあり、
夏は「沙(しゃ)」、冬は「綾(あや)」と、これまた手が込んでいるのです。
お値段は、安く見積もっても50万円は下らず、幕下以外の木綿製でも20万円はかかるといいますから、驚きです。
行司は、それぞれが各相撲部屋に所属するという形がとられているため、一門から新しい大関や横綱が出るとお祝いとして新しい装束を買ってもらえたり、部屋の後援者がプレゼントしてくれたりすることも稀にはありますが、ほとんどは、自前でそろえなくてはならないそうで、まったくの自己負担なのだとか。
しかも、装束は、普通の着物のように洗い張りが出来ないため、大変な出費なのだそうです。
また、行司の階級を表わしているのは、胸と袴についている
「菊綴(きくとじ)」と呼ばれる飾り房で、軍配の房紐と同じく色で区別されているのです。因みに、
木村庄之助は「紫」、式守伊之助は「紫白」です。
腰にさす短刀も、「もしも、差し違え(審判間違い)をしたら、切腹するだけの覚悟がある」という、行司の心構えを意味しているのだといいます。
そして、あの何とも奇妙な独特の文字で書かれている「大相撲番付表」も、実は、行司さんが書いているのです。
ですから、行司は入門した時から、この独特の相撲字・根岸流の書体をみっちりと習うことになるのです。
あの、番付のもっとも小さい字、皆さんには読めますか?序二段、序ノ口の力士などは、あれを虫眼鏡で見ては、自分の名前を確かめているそうですが、この文字が、肉眼ではっきりと読めるようになることを夢見て、お相撲さんたちは日々の稽古に励むのだそうです。
因みに、行司には義務教育終了後の男性なら、思想信条のかたよりがないことを条件に誰でも志願出来るそうですので、もし、興味があるなら、希望する相撲部屋の師匠を訪ねてみるのも良いと思います。
<今日のおまけ>
テレビのニュース特集で、「高齢者たちが病院をサロンがわりにしていて困る」と、いう放送をしていました。
この問題は、以前もよくマスコミに取り上げられていましたが、そうした病院側の負担も考えて、「後期高齢者医療」は、始まったのだと言われています。
高齢者の病院にかかる回数を制限することで、意味もなく通院することをなくそうというものだったのですが、高齢者にとっては、病院へ来れば話し相手がいるという考えがあるため、自分が病気でなくても、また、大した病気ではなくても、何か理由を見付けて、やってきてしまうのだそうです。
中には、耳に水が入ったとか、トゲが刺さったとか、実にどうでもよいようなことで外来診療を受けにくる人もいるそうで、しかも、いったん来ると、夕方まで帰らず、病院側はかなり迷惑をしているということでした。
では、その高齢者たちは、院内で何をしているのかというと、食堂や喫茶ルームで食事をするのではなく、院内の売店でかったお弁当やお菓子などを、待合室で食べ、日がな一日友人とおしゃべりをしているのだとか。
今は、ただでさえ新型インフルエンザなどが流行っている状況ですから、お年寄りたちにはなるべく自宅で過ごしていてほしいというのが、病院側の本音でしょう。
わたしも、親戚の伯父や伯母には、従姉が付いているのですから常に一緒に行動するのはやめて、通院も一人ずつ行くように勧めているのですが、三人まとまって行動しないと不安なのか、診療がないにもかかわらず、必ず連れだって行きます。
そんな伯父たちを見ていると、病院通いが楽しくてならないようです。わたしには、とても考えられません。
高齢者の心理は、若い者には、どうにも計りかねるものがあることは事実のようです。
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