売られる日の丸・・・・・284
~ 今 日 の 雑 感 ~
売られる日の丸
今日のブログに書く記事は、若い人たちや太平洋戦争を知らない人には、出来るだけ読んで頂きたいと思います。
<日の丸行進曲>
母の背中に ちさい手で
振ったあの日の 日の丸の
遠いほのかな 思い出が
胸に燃え立つ 愛国の
血潮の中に まだ残る
戦後六十四年。
今、かつて日本軍と戦ったアメリカ兵たちが、戦利品として持ち帰った日の丸を、アメリカ国内で次々に売りに出しているという。アメリカには、こういう戦利品を高値で売買するマーケットがあり、かつての老兵たちは、このまま、日の丸を持っていても、自分が死んだあとは、価値の判らない子供たちに捨てられてしまうのが落ちだから、今のうちに金に換えておきたいのだというのである。
アメリカには、どれほど小さな町や村にも、戦争記念館があり、そこには、第二次大戦や朝鮮戦争で敵から奪い取った品々が、誇らしげに展示されているのだという。
現在、売られ始めている日の丸は、日本の兵士が出征の際に、近所の人たちが「武運長久」を願い、名前やスローガンなどを寄せ書きした物で、兵士は、これを胸にばってんになるように縛り付け、歓呼の声の中を出征して行ったのである。
そして、戦場にあっては、この日の丸をお守り代わりとし、鉄兜(ヘルメット)の中にしまうなどして、アメリカ軍との激しい銃撃戦に臨んだものであった。こうして、戦いに散った日本兵は、210万人。そのうちの、115万人の遺骨が未だに不明とのことである。
召集兵は、たった、一銭五厘のはがき一枚の召集令状で戦場へ送られて行ったこともあり、ほとんどの戦死者が身元不明なのだという。(ただ、大所帯の陸軍に比べて、海軍は、それなりに所帯も小さく、兵士の身元もしっかりと把握していたので、戦死者の身元調べは陸軍よりも進んでいるそうである)アメリカ軍の日本本土上陸を阻止するために召集され、本土防衛の要とされたサイパン島での激戦に投入された兵士のほとんどは、玉砕という名の自決を遂げ、彼らの被っていた鉄兜の中や、背嚢(はいのう)の中から、この日の丸は、発見されて、その多くがアメリカ兵の手でアメリカへ持ち帰られていたのである。
しかし、ここへ来て、それを持ち帰ったアメリカ兵たちも高齢となり、少しばかりのこずかい銭にでもなればと、日の丸を売り出しているのだという。しかし、そんなアメリカ兵の中にも、ぜひともこの日の丸を自分の生きているうちに日本兵の遺族の手に返さねばと考え、インターネットのホームページを通じて、遺族探しを始めている人もいる。
そして、そんな日の丸が、年間200枚も、日本政府宛てにアメリカから送り返されて来ているのだそうである。しかしながら、その大部分は、遺族の手には返っていない。
理由としては、日の丸に書かれている名前だけでは兵士の特定が出来ないとか、出身の町や村の名前が書かれていても、遺族が日の丸の存在を知らないとか、戦争自体に関心がない遺族が大半で、若くして亡くなった身内の記憶もあいまいという人たちが多いからだという話である。
そんな行き場を失った多くの血染めの日の丸が、今も増え続けているそうである。
「武運長久」-----日の丸に書かれた文字は、一見、お国のために死んで来いという家族や近所の人たちの気持ちを表した言葉のように思えるが、その言葉の裏には、「運よく、命長らえて帰ってこいよ」という、切なる願いであったと、戦争史に詳しい作家は語っていた。
「そんな日本兵や家族の気持ちを思うと、今も胸が張り裂けそうな思いがよみがえってくる」
かつてサイパンで日本軍と銃撃戦となり、仲間の兵士を逃がしたのち、銃で頭を打ちぬいて自決した若い日本兵の日の丸を持っていた元アメリカ兵の男性(85)は、語っていた。
日の丸をぜひとも遺族の手に戻してやりたいという元アメリカ兵もいれば、金に換えるために売り払う元兵士もいる。
アメリカにとって、日本の日の丸は、どのような意味を持つのか?戦争という忌まわしい過去の亡霊なのか、それとも、息子や夫を思う日本人の家族の魂の象徴なのか?-----日本もアメリカも、その位置づけを今も模索し続けている。
<今日のおまけ>
アメリカの不況は、スーパーマーケットで買い物をする客への監視まで強化することになってきたらしい。
つまり、警備員たちは、万引きに戦々恐々となっているのだという。
そのため、スーパーを出た後も安心できないそうで、警備員たちが突然追いかけてきて、レシートと買った商品を照らし合わせるなどということも珍しくはないそうである。
そんなこともあり、白人たちの有色人種を見る目も厳しくなって、「お前たちがアメリカにいて職場を占領しているから、おれたちの働き口がみつからないんだ」と、日本人が中国人と間違えられて嫌がらせを受けることも増えてきたそうである。
また、職を失った白人が、アジア系の人に物乞いをする光景も珍しくはなくなったという。
これが、現在の超大国アメリカの実情なのだそうである。
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