奇跡の起きる場所・・・・・290
~ 今 日 の 雑 感 ~
奇跡の起きる場所
子供と、お年寄りと、障害者が共に暮らす「共生型施設」が、今、日本中で増えているそうである。
そんな「共生施設」が起こしている数々の奇跡のような現象を、NHKの「クローズアップ現代」ではリポートしていた。
これまでも、認知症の高齢女性たちが、学童保育施設で子供たちとともに時間を過ごすことで、かつての子育て時代を思い出し、認知症の症状の進行を遅らせることが出来るという、試みはされてきたが、そうした。共生の力は、何も、高齢女性だけに限らず、高齢者の男性たちにも効果を発揮するということが、最近判って来たそうである。
ある共生型施設では、産まれて間もなく母親が病気になり、その施設に預けられた三歳の男の子の存在が、ちょうど同じ頃、その施設に入居した高齢男性の認知症を改善させているという事実もあるのだという。
その高齢男性は、一人でいる時は、足腰も満足に動かすことができず、言葉もあまりに発することがないのに、その男の子が施設へ来ると、途端に、元気になり、まるで、その子の本当のおじいちゃんのように可愛がるのである。
「おじいちゃん、あそぼ」
男の子が誘うと、一人で満足に立つことが出来ない男性も、「よしよし----」と、笑いながら立ちあがり、施設のスタッフの人が、「〇〇君の鼻をかんでやって」と、男性にティッシュペーパーを渡すと、その弱い足で、階段を上り、二階で遊んでいる男の子のところまで行き、鼻を拭いてあげるのである。
男の子も嬉しそうに、おじいちゃんに顔をすりつけるようにしてニコニコ笑っている。
正に、奇跡のような光景だと、これを見た専門家も驚いていた。
また、別の共生型施設では、八十代の認知症の女性が、どうしても施設の洗濯機の使い方が判らず、ある男性の部屋まで行き、教えて欲しいと頼むと、出てきたのは、五十代の統合失調症の男性で、すぐに使い方を教えてやる。
八十代の女性は、男性のことを、「何か困ると、すぐにお願いしちゃうの」と、微笑んでいた。
さらに、別の施設では、自宅で転んだ拍子に頭をぶつけ、脳に傷を負って高度機能障害となり、感情のコントロールが出来なくなってしまった五十代の男性が、そこのお年寄りたちの前では、決して感情の起伏を見せず、まるで、一般のスタッフと同じようにお年寄りたちの面倒を見ているのである。
この男性のことを十年診てきているという医師は、この劇的な変化に対し、「介護される側にいた時は感じられなかった、責任感とかやりがいといったものが、大きく影響して回復を手伝っているのではないか」と、話していた。
人間には誰しも、本能的に、「人のために役に立ちたい」「何かをしてあげたことに対して、ありがとうと言ってもらいたい」という気持ちが大きく働いているものだという。それは、どれほど自分の体力的や気力が衰えているとしても、必ず備わっている欲求なのだそうである。
わたしも以前ブログにこれに似たことを書いたが、やはり、人は、人のために尽くすことで自分の存在意味を確認しているのではないだろうかと、思われるのである。
そういう自分の価値を確かめるためにも、社会の中で常に介護を受ける立場の人たちも、この「共生施設」の中では、しっかりとした役割を果たす存在であり続けられることが、このようなささやかな「奇跡」を生みだす原動力になっているものではないかと考えるのである。
<今日のおまけ>
「のだめカンタービレ」-----大好きなんですよね~。
映画化もされたそうで、観に行きたいけれど、今のわたしでは無理。
まあ、そのうちにテレビで放送されると思うので、それまで待つとしますか。それにしても気の長い話だなァ~。
でも、今夜は・・・・。ちょっと、嬉しい・・・・。(*^^)v
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