湯田中温泉ワークショップ楓・・・・・312

ちよみ

2010年01月02日 11:26

~ 今 日 の 雑 感 ~


湯田中温泉ワークショップ楓



    湯田中温泉ににぎわいを取り戻そうと、有志が知恵を出し合い、湯田中駅の近くに、「おやすみ処楓」という名のワークショップを立ち上げてから、九ヶ月が経過した。

    このメンバーは、42人。発足当時から二倍になったそうだが、実働出来る者は、15人ほどで、店番を務めてくれるのは6、
7人だということである。

    この「おやすみ処楓」では、文字通り休憩のためにお茶を飲み、雑談をするために訪れる近所の人から、周辺の観光地などへの案内を頼む観光客への対応まで、毎週火曜日を除くすべての日を開所日として、幅広い活動を続けているが、それでも、未だに、肝心の町の人たちからの協力が思うように得られていないのが、現状であるという。

    その理由の一つが、この「おやすみ処楓」を、開所する以前の、有志の人たちのPRの仕方に、問題があったのではないかと、考える人たちもいる。

    そもそも、このワークショップを始める時のスローガンが、「街のにぎわいを取り戻すために、空き店舗のシャッターをこじ開けよう」と、いうようなものだったそうである。

    ところが、街の人たちは、この「こじ開ける」と、いう言葉に、敏感に反応したようである。

    「空き店舗だからって、かってに人の家をこじ開けられてたまるか。バールでも持ってきて鍵を壊す気か?」

    「空き店舗の何処が悪いんだ。バカにしてもらっては困る」

    「こっちは、ただのボランティアで店を貸すほど、篤志家じゃない。いくらか払ってくれるのなら、貸してやってもいいが、無料で使われてたまるか」

    などなど、「こじ開ける」の一言で、街の人たちは、このブロジェクトに反感を持ってしまったというのが実態であるらしい。

    無関心ならまだしも、マイナスのイメージを植え付けてしまったことが、この計画が最初から軌道に乗りにくくなっている原因なのである。

    そうなれば、始めは、「おやすみ処楓」に期待し、感心があった女性たちも、「あんな所で寄り合っていれば、お父ちゃんに叱られる」とか、「行きたくても、誰かが見ているんじゃないかと思えば、行きづらいよね」などと、二の足を踏んでしまい、結局、未だに店を訪れることが出来ずにいると、いう訳なのである。

    また、そういう女性たちも、本音を言えば、

    「もしも、あの店に、安い野菜や果物や、お惣菜などが売られているのなら、買い物にかこつけて立ち寄ることも出来るのに、ちょっと、店内をのぞいたけれど、お土産品みたいなものばかりで、日常生活の足しにはなりそうもないから、行ってもしょうがないよ」

    と、いうことでもあるらしい。

    また、こういう意見もあった。

    「いつも店が閉じめみたいに見えるし、店の中がうす暗いのがよくないね。それに、いつも扉が閉めっぱなしだから、何となく入りにくいんだよ。もっと、店の外まで品物が並べられていれば、それを見るようなふりをして、店内まで入ることも出来るんだけれどね」

    どうやら、この店がイマイチ不人気の原因は、店内へ入りにくい印象を与えていたことにもあるらしいのだ。

    男性が中心になってアイデアを出すことが、実は、かなりのデメリットを産んでいたのではないかとさえ思われる。人が集まる場所には、やはり、人が吸い寄せられるものである。店内の出入りを頻繁にして、人目を引くこともアイデアなのではないだろうか。

    もしも、この店をもっと活用したいと思うのなら、店番の人たちに店内にばかり居させては意味がない。その店の周りに出て通行人に気さくに挨拶をするとか、(明確なビジョンを打ち出すことも結構だが)まずは、コミュニケーションの仕方から勉強した方がよいようにも思えるのである。

    また、その店の中でお茶をふるまうだけではなく、近くの喫茶店から出前を取るようなことも出来るようにするなど、もっと臨機応変な対応を試みることで、違った展開が見えてくるような気もする。

    昔からの老舗と呼ばれる店や古くからの住人が多く住む場所は、とかく、その地域のしきたりや独特のつながりがあり、新しいことには懐疑的なものである。

    そのリスクは、もちろん承知の上で始められた「ワークショップ楓」のプロジェクトなのであるから、有志の人たちは、自分たちの目線だけではない、地元密着の視点で、対応することが今後の課題なのではないだろうか。

    
<今日のおまけ>

    ミネラル・ウォーター「いろはす」には、騙されました。

    わたしは、「いろは酢」だと思い、甘酸っぱい飲料を想像して買ったのです。なのに、これがダダの水。

    エコ・ボトルとやらのペコペコ容器が自慢のようですが、このネーミング、何とかならないのでしょうか?

    開発者の日本コカ・コーラの小林麻美さん曰く、「静かで自然という定番の『水の表現』をひっくり返したかった。商品名も環境活動の初歩という意味で『いろは』を『ロハス』に引っかけた」そうですが、発想が安易というか、一度買っただけで、積極的に二度も買おうという気にはなりません。

    もしも、名前が変更できないのなら、「お酢は入っていません」と、しっかり明記して欲しいものです。
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