~ 今 日 の 雑 感 ~
医師は、スーパーマン症候群?
今日、とある医師のブログを読んでいたら、「医師たちは、スーパーマン症候群」にかかっているという記事があった。
これは、どういうことなのかと言うと、医師は、先輩医師からの教えもあって、決して人前で弱みを見せてはいけないと思い込んでいる人が多いのだそうだ。
自分が風邪をひいていても身体がだるくても、患者のために頑張らなくてはいけないと、強がってしまう傾向があるのだという。そして、自分は絶対にやれる、大丈夫だと、考えてしまうのだそうである。
そして、自分自身の体調が悪くても、あまり、他の医師に診察して欲しいとは思わず、自分で自分の診断を下し、薬で対処しようとするということであった。
それは、アンケート調査や統計的にも表われているそうで、
★ 同じ病院の医師に診察してもらうのは抵抗がある。
★ 出来れば、違う場所の医師に診てもらいたい。
★ 他の医師にかかること自体二の足を踏んでしまう。
と、いうような感想が多かったということである。
つまり、これは、医師が医師を頼るということが、医師の気持ちの何処かに、自分の職業的敗北につながるような気がするという意識があるためなのか?それとも、単に、同業者に診察されることに恥ずかしさを感じるという問題なのか?
それよりも、医者なのに、自分の体調も管理できないなど、恥だと感じる気持ちが強いのだろうか?
確かに、お医者様は、患者の前では、いつも元気な頼もしい存在であるはずだと、患者側も思いがちではある。
しかし、医師だって、普通の人間で、風邪もひけばお腹もこわす。時には、だるくて診察などしたくない時もあるはずなのだ。現在の医療崩壊の一端には、医師の過剰な頑張りも影響しているのかもしれない。
これは、以前、わたしが咳が止まらず診て頂いた当時70代のおばあちゃん医師のエピソードだが、そのおばあちゃん先生は、わたしの診察をしながら、その話の中で、ご自分が体調を崩し、子供がいるのに困惑したということを、本当に気軽に話して下さったのである。
そして、患者のわたしに対し、
「ねえ、最近、わたし、よく睡眠がとれないんだけれど、何か、いいアイデアないかしら?薬はあまり飲みたくないのよ」
と、何とも気さくに話しかけて下さるのである。そうやって、自分の弱みも明るく話して下さることで、わたしには、逆に医師と患者との距離も縮まるような気がした。
まあ、その日は、そのおばあちゃん先生から、わたしは、カニ缶一つを頂いて帰り、処方して下さった薬で咳もおさまった。
このおばあちゃん先生は、昨年、85歳で亡くなられたが、患者さんたちにもとても人気があり、真の地域医療の最前線で活躍されてきた名医だったと、未だに患者さんたちは話している。
「医師は、スーパーマンでなくてもいい。自分の本音を語ることも、患者の信頼感や親近感を高めるきっかけになる」
そんなことを、このおばあちゃん先生の診療方法から感じた次第である。
*** 写真は、ペプシ飲料のおまけに付いていた「ペリー提督」。他にも「真田幸村」や「直江兼続」「坂本龍馬」「土方歳三」などがあるそうですが、わたしは、「沖田総司」が欲しいなァ。