~ 今 日 の 雑 感 ~
口の中の異物
この間、家で食事をしていたら、何か口の中に硬いものがあることに気付いた。
変だと思い、出してみると、それは、小さな陶器の欠片だった。どうやら、市販の惣菜の中に入っていたものらしい。
まあ、ガラスのようなものではなかったので、口内が傷付くこともなかったが、わたしは、たとえ偶然にしても、時々こうした異物を口に入れてしまうことがある。
これは、以前にも書いたかもしれないが、大学時代には、また、とんでもない物が口に入っていたことがあった。
わたしは、その日、同じ学生寮の友人と一緒に、大学近くの商店街までいつものように食事に出た。
いつもは、だいたい、同じ洋食レストランに入るのだが、その日は、珍しく小さな定食屋へ入ることにした。客は、わたしとその友人の二人だけで、わたしたちは、ご飯とお味噌汁のついたごく一般的な焼き肉定食を頼んだ。
店のご主人も愛想がよく、食事もまあまあの味付けでおいしかった。だが、お椀のお味噌汁を一口すった時、わたしは、何か口の中に硬くとがった物を感じたのである。
(魚の骨かな・・・・・?)
そう思いながら、舌でその硬い物を探ってみたが、どうもそうではないらしい。不思議に思い、ティシュを出して、友人にもご主人にも判らないようなふりで、そっと吐き出してみた。
すると、そこにあったのは、な、なんと、コの字形に曲がった釘だったのである。
たぶん、電気の配線などに使う、コードを固定するための釘であろう。それが、一つ、お味噌汁の中へ入っていたのだった。わたしは、友人に、そっとそれを見せた。友人も、無言ながら驚きを隠せない。
わたしたちは、一気に食欲が失せ、早々に、その店を出た。
友人は、言った。
「変だよね。どうして、あんな物が入っているわけ?ああいう釘って重みがあるから、普通ならお味噌汁をお椀に注いだ時に判りそうなものだけど------。もしかしたら、わざと入れたんじゃない?こっちが気付くかどうか、面白半分に確かめるために」
釘は、そのままお椀の中に入れて来た。店の主人は、あれを見て、どう思っただろうか?
「なんだ、飲んじまわなかったのか、残念!」
と、でも臍(はぞ)をかんだのだろうか?その後は、二度と、その定食屋には行かなかった。
また、長野冬季五輪も近付いた頃、わたしは、地元の友人と二人で、長野駅近くのホテルのレストランへ入った。
そのホテルは、まだオープン間もない時分で、ちょうどその時期は1000円でケーキが食べ放題というキャンペーンを打ち出していた。 友人は、とにかくケーキに目がない。
ケーキなら、いくつでも食べられるというので、「今日は、わざわざお腹をすかせて来た」と、言うだけのこともあり、大張りきりで食べ始めた。
ケーキは、バイキング方式で取るため、お皿の中にいくつも載せては食べまくる。ケーキ自体が、それほど大きくはなかったこともあり、チョコレートケーキ、モンブラン、ティラミス、イチゴのいショートケーキと、次々に、友人の口の中に消えて行った。
その友人は、自分の分のケーキを取りに行く時、わたしのためにフルーツポンチを持って来てくれた。
たくさんの果物が入ったフルーツポンチは、本当においしくて、わたしも友人と冗談を言いながらパクパク食べていたが、次の瞬間、歯に何やら硬い物が触れた。
「何これ?」
口の中から摘まみだしてみると、それは、
プラスティックの小さな輪であった。たぶん、フルーツが入っていた袋の留め具だったのではないかと想像した。
「まったく、忙しいからって、こんな物まで中へ入れないで欲しいよね」
わたしが文句を言うと、その友人は、
「実はさ、わたしもよくこういうケーキ・バイキングなんかあると行くんだけれど、時々、カットバンが入っていたりすることがあるんだよね。きっと、ケーキを作っている職人さんの指にはめてあったものだと思うんだけれど、傷についていたわけでしょう?気持ち悪いよね」
と、話してくれた。確かに、そっちの方が気味が悪い。
外食や、市販の惣菜などを食べる時は、やはり、注意をして口へ入れないと、大変なことになると、改めて認識した出来事だった。
<今日のおまけ>
この間、何となく新聞の新刊本の紹介見出しを読んでいたら、推薦文の中にこんな迷文を見つけた。
「二度読んでも、犯人が判らない、傑作推理!」
これには、思わず噴き出した。二度読んで犯人が判らないような小説の何処が傑作なんだろう?犯人が判らない推理小説など、推理小説と呼べるのか?
それとも、あまりに哲学的で、一般読者の読解力では読みこなせないとでもいうのだろうか?
でも、100人中99人に意味が判らない小説など、普通は駄作というのではないのだろうか?
本を売りたい気持ちは重々判るが、これでは、逆効果だと思われる。出版者側も、あまりに売れ行きが悪いので、もう、破れかぶれと言ったところなのだろうな。(爆)
ところで、今日は、ちょっと食べすぎました。お汁粉にお餅三つは入れすぎでした。どうして、お餅って、あんなに簡単に食べられてしまうのでしょうね。
箱根駅伝、毎年カンドーものですが、意識もうろうとなりながら走り続けていた亜細亜大学のアンカーの選手には、特に力が入りました。
ゴールした途端に倒れ込む選手たち。それを受け止めるチームメイト。でも、こんな体験は、学生の間だけの特権だぞ。社会人になったら、倒れ込んだ上を踏み越えられて行くのが当たり前になるのだ。-----と、思いながら観ているわたしは、年をとった証拠なのでしょうね。(嘆)