人を好きになる時・・・・・328

ちよみ

2010年01月11日 23:02

~ 今 日 の 雑 感 ~


人を好きになる時



    皆さんは、人を好きになる時、どういう心理状態で好きになって行きますか?

    相手の容姿を見た瞬間、「わっ、好みだわ!」と、いうことで、相手に惹かれて行くのでしょうか?

    それとも、容姿よりも相手の声やしぐさにグッとくるタイプなのでしょうか?

    いやいや、自分は、あくまでも相手の話の内容で、この人はきっと良い人に違いないと思い、好きになると、いうケースが多いのでしょうか? 

    でも、きっと中には、「こんな人嫌いだ!二度と会いたくない!」と、拒否反応を示しながら、不思議なことにふっと気が付くと、その相手のことを四六時中考えている-----なんて、人もいるのではないでしょうか?

    わたしは、どちらかというと、間違いなくこのタイプなのです。

    好みの俳優にしても、現実の人間関係においても、一目見た瞬間に、「この人大好き!」などということは、これまでも間違ってもありませんでした。

    アメリカの往年の俳優にジョン・ドールという男性がいます。この俳優は、実に個性的で知的な犯罪者役がとても似合う役者でもありました。代表作には、アルフレッド・ヒッチコック監督作品の「ロープ」があります。

    このジョン・ドールのことも、わたしは、最初あまり好きではありませんでした。高慢で紳士然とした衒学顔が、どうしても鼻について嫌みな感じがしていたのです。

    しかし、彼の出演する映画を何度も観ているうちに、いつの間にか、とても魅力的な演技をする俳優だということに気付いたのでした。

    また、実際の人間に対しても、もう二度と口もききたくないと、思ったにもかかわらず、その後、その人物の発したたった一言によって、気持ちが変わるということも良くありました。

    わたしは、「地域医療最前線~七人の外科医~」という小説を、当ブログで公開させて頂いていますが、この小説を書こうと思いついたのも、ある外科医の発したたった一言がきっかけだったのです。

    わたしが自身の手術を明日に控えた時、最終検査を自ら行なった担当医の先生に、つい「先生を信じていますから-----」と、言ったのです。すると、その先生の口から、思わぬ一言が返ってきました。

    「信じないでください!」

    そう言うと、その先生は、廊下を走るように去って行ってしまわれました。わたしは、あっけにとられ、その後ろ姿を見送っていましたが、やがて、何とも知れない可笑しさがこみ上げて来て、思わず噴き出してしまいました。

    「信じないでください」-----手術を控え不安な患者に向かって、この言葉が言える医師とは、どんな人なのか?

    これは、もしも無事に手術が終わったら、ここでの体験をベースにした物語を、何が何でも原稿に起こしてみたいと、その瞬間、心に決めたのです。

    そうは言っても、やはり、初対面の時の拒否反応が結局最後まで持続し、何度会っても嫌な奴だという相手も、もちろんいますが・・・・・。(爆)

    いいえ、むしろ、現実問題、そういう人の方が多いのではないでしょうか。ですから、第一印象から受ける直感で相手の人間性を判断することも、あながち間違ってはいないのではないかと思います。

    でも、そんな最初の印象が極めて悪い人間の中にも、時々、宝石の原石のような出会いが隠れている場合もあるのです。

    人が人に興味を持つということに、理屈は必要ないのかもしれませんね。
    

    

    ***   写真は、映画「ロープ」より。ジョン・ドール(左)と、ファーリー・グレンジャー。

    
<今日のおまけ>

    山ノ内町の渋温泉にある「湯本旅館」さんでは、毎月の第三金曜日を「ピンクリボンの日」と、決めて、乳がんによる乳房切除をされた患者さんに限った、同館の温泉入浴を提供している。

    乳がんにより、乳房の切除手術を余儀なくされた患者さんたちは、温泉へ入りたくても、他の入浴客の視線が気になり、浴場でもゆっくりとくつろぐことが出来ないのが現状であるという。

    湯本旅館の女将さんは、自らも乳がんを患った経験から、そういう多くの女性患者さんたちの悩みを痛感し、この「ピンクリボンの日」を設けた。

    「誰にも気兼ねなく、ゆっくりと入浴を楽しんで欲しい」と、同館では、患者さんたちに呼びかけている。

    

    
関連記事