渋温泉の活性化策は?・・・・・351

ちよみ

2010年01月24日 12:02

~ 今 日 の 雑 感 ~


 渋温泉の活性化策は?



    山ノ内町の渋温泉の未来を考える講演会が、1月19日、和合会館で開かれ、講師の渡辺清一朗さんが、『2010年を始まりの年とするために』と、題して講演し、地域の活性化のためには何が必要かを、提言したという。

    それによれば、驚いたことに、首都圏で渋温泉について知っている人は、10人に1人ということであった。

    わたしが東京の大学に通っている時は、「渋温泉」といえば、周囲には知らない人がいなかったほどなのだが、今は、それほど知名度が落ちているのだろうか?

    また、昔は、手紙を出す時、「長野県渋温泉」これだけの住所を書けばちゃんと届いたのである。

    つまり、それだけ、今は、温泉旅行も多様化し、本来は天然温泉かけ流しでないところまでも温泉を名乗るようになったことの影響が、本家本元の温泉地にまで降りかかって来ているのではないかと、考えられるのである。

    渡辺さんは、そんな渋温泉の印象を「人の温かさ、懐かしさ、人のよさを感じさせる温泉地」と、述べ、ここに、「おいしい」「楽しい」「気持ちがいい」の三要素をプラスしていくことが急務であると説明。

    地域の歴史を掘り起こし、その中には、食に関係する歴史も含まれてくるはずだと言うのである。

    また、楽しいイベントが毎月あるといい。それは、つまらないようなことでも、いつ行ってもそれが行なわれているのだという安心感を客に与えることの方が、大事なのではないかと、話した。

    確かに、大がかりな年一回のイベントではその時限りの集客効果しか現われないが、毎月行なわれていると思えば、客側にも気軽さが生まれ、そこに、お気に入りの食事や温泉の効能などが加われば、リピーター確保にもつながるであろう。

    しかし、渋温泉の旅館組合などに言わせれば、たぶん、そんな情報発信はいつも行なっていると、いうことなのかもしれない。ところが、一方、渡辺さんに言わせれば、それは、単に「やっているつもり」になっているだけで、旅館やホテルが個々に行なうイベントなどは、渋温泉全体に対しては、ほとんど効果はないということなのであろう。

    つまり、個々の旅館やホテルが料理に独自色を出すことよりも、どの旅館やホテルへ泊っても、ある程度同じ物が食べられるという共同化の方が、よりお客を集めやすくなるし、調理場や料理人などの人件費の削減にもつながると、渡辺さんは考えているのである

    だが、渋温泉は、古くから個々の旅館が独自のもてなしで営業をして来たという老舗のプライドも強く、歴史の浅い旅館と同じサービスをするなどということを、数百年の歴史を誇る名だたる旅館の経営者たちが納得するかということが、問題であろう。

    この年末年始は、不況のあおりを受けて、いわゆる「すごもり現象」が起きているのか、町内でも観光客の姿が減少していたという。しかし、この観光客減少は、何処の観光地も同じであるということで、これからは、これまでにも増して、渋温泉全体としてのブランド力を全国に発信していくことが最も大事なのではないかと、思われる。
<今日のおまけ>

    名古屋で、91歳の夫と84歳の妻が、病院からの帰りに、踏切内で列車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生した。
  
    二人のうちのどちらかが、踏切に入ったところで倒れ、もう一人がそれを起こそうとしていて、二人とも亡くなってしまったのだということであった。列車の運転士も、慌ててブレーキをかけたが、間に合わなかったという。

    長く生きて来た人生の最後が轢死では、あまりに気の毒である。

    こういう事故が起きるたびに、社会環境が如何に若者向けに作られているかを痛感し、やりきれなさを感じるのである。
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