夏の旅人たち

夏 の 旅 人 た ち


 遥かにのびる 湾岸道路 こがす

 夕日の赤が Tシャツに にじむ

 砂塵まみれの潮風は 頬 なぶり

 ザック背中に 明日(あした)を問いかけ 

 いったい どこへ歩けばいいのか おれたち

 これから 何を探せば いいのだろう

 孤独な雄叫びを 胸に秘め

 すり切れたプライドを しょうこりもなく 握りしめながら

 ぎらつく汗の流れるままに 怒りと虚しさ かみしめ

 時が見捨てた夢 かき集めて 夏をゆく



 海岸そばの ドライブインを 出れば 

 夜空に ひとつ 流れ星 よぎる

 後悔ふかく 胸に吸い込み

 いったい 何を信じりゃいいのか おれたち

 これから 何を愛せば いいのだろう

 手探りばかりの 人生など 

 はじめから 望みやしない 

 生まれて来た時代 うらみながら

 それでも かすかに くすぶる火が 遠い記憶に 残るなら

 砂に刻んだ 夢 かき集めて 夏をゆく



 いったい どこへ歩けばいいのか おれたち

 これから 何を探せば いいのだろう

 答えの見えない 苛立ちさえ

 大人は 試練と いうけれど

 教科書通りの 過ちに 慣れ

 それでも かすかに くすぶる火が 遠い記憶に 残るなら

 砂に刻んだ 夢 かき集めて 夏をゆく


夏の旅人たち




    ~今日の雑感~

    昨今の閉塞的な社会状況に、自分の将来や希望を見失っている若者たちをモチーフに、書いてみた「詩」です。
    如何でしょうか?
    
    
    

    

    *** 写真は、我が家の近くにあるマンションの陰に沈む夕日です。よ~く見ると、窓辺に立っている人影が・・・・。どうやら、こちらを見ているようで・・・・。icon10

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Posted by ちよみ at 20:49│Comments(4)
この記事へのコメント
特に最後の、夏をゆく、が好きですね~。

ハマショーと呼ばれていない頃の浜田省吾がすごく好きなのですが、同じような匂いがします。でも、ちよみさんの詩のほうが、静かに男らしいな~。

写真、新たな「ちよみワールド」が♪
Posted by ririchi at 2009年05月11日 21:22
厳しい冬を越えたのに

春の芽吹きに気おされて

初夏の甘さに気がなえて

夏はすぐに通り過ぎ

深まる秋に焦りを覚え

寒い木枯らし心に沁みて

厳しい冬が訪れる



こんな馬鹿なと嘆いても

所詮自分が選ぶ道

こんな馬鹿なと気付いた時に

新たな道が開かれる

気付けた自分の立つ場所は

未来と過去の映し鏡




な~~んて大した意味もないのですが
直感で・・・
Posted by はるみっちゅはるみっちゅ at 2009年05月11日 21:24
ririchiさまへ>

 お読み頂き、ありがとうございます。
 「夏をゆく」は、「夏を行く」にしようか、ちょっと悩んだんですが、やっぱり「ゆく」の方が、格好いいかなと、思い、それにしました。先ほど、ティンクさんのブログにあった、「穂高よさらば~」の歌詞が頭にあったので、よし、ここは一つ男らしい雰囲気で、と、思い、書きました。

 写真は、うまく夕日がマンションにかかってくれて、逆光ですが、何とか写ってくれました。夏っぽい感じ出ましたでしょうか?(^-^)
Posted by ちよみちよみ at 2009年05月11日 22:37
はるみっちゅさまへ>

 ご訪問、ありがとうございます。
 すごい!これは、演歌ですね。この詩に合った写真を見つけましたら、わたしのブログで、コラボさせて下さい。
 もしかしたら、少し付け加えさせて頂くかもしれませんが、よろしくお願いします。
 「未来と過去の映し鏡」がいいですね。悩める男の生き様が、淡々と語られていて、これを、直感で書かれるなんて、感服です。<(_ _)>
 
Posted by ちよみちよみ at 2009年05月11日 22:58
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