静かすぎるゴールデンウイーク
2014年04月29日

ゴールデンウイークだというのに、街の中が異常に静かだ。
旅館街にも人の姿がない。
ホテルや旅館の駐車場もガラガラ。
これが消費税8パーセントの影響なのか・・・。
今年のゴールデンウイークは、確かに連休が取りにくい飛び石なのだが、この閑散状態はそれだけが理由ではないだろう。
そういえば、先日、NHKの特集で十代から三十代までの若い女性たちの貧困が取り上げられていた。
ある母子家族は、母親と二人の娘たちが借家を追い出され、ネットカフェでの生活を余儀なくされて、既に二年半だという。
母親と十代の長女はパートやアルバイトをしながら、まだ中学生の次女を養っているのだが、食事が一日一回という日も少なくないそうだ。
また、19歳のある女性は、親からの学費援助が皆無のため、時給の高い早朝からのコンビニ勤めや他にもアルバイトをこなしながら、保育士を夢見てようやく専門学校に通い始めることが出来た。
他にも、大学は卒業したものの、奨学金の支払いが生活に大きくのしかかり、加えて就職活動もうまくいかず正社員にもなれなかったことから、レストランのバイトをしながら食べるだけがやっとの日々を過ごす24歳の女性もいた。
「大学時代は、レストランは、お客さんとして来る場所だと思っていた。まさか、ここで自分が働くようになるとは・・・。こんな貧困生活では、とても結婚なんか考えられない。何も、贅沢したいというのではない。ただ、お金に困らない普通の生活が送りたい」
女性の訴えは切実だ。
今の超高齢社会は、もはや女性の力なくしてはやっていけない状況に直面している。
政府も、女性の活躍を期待する旨を声高に語ってはいるが、これが現実である。
貧困は連鎖する。
貧しい親の子供は、当然、学習塾にも通えず、親からの仕送りもあてにならないために進学を諦めざるを得ず、そうなると選択する職業も限られ、ますます正社員の道は遠ざかる。
その子供の子供も、また同じ道を歩むしかない。
いや、それよりも経済的理由で子供を産むことすら出来ない貧困世代が拡大するために、今後はさらに少子化が加速すると、番組は懸念していた。
果たして、これからの日本はいったい何処へ行こうとしているのだろうか?
女性貧困層の拡大は、決してドラマの中の話などではない。
正に、今目の前に迫った現実の危機なのである。