キラキラネームは社会の迷惑?

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    知識人の視点で、世間で言うところのキラキラネームに賛成か、反対かの論拠を示した記事があったが、わたしには、賛成だという人の理由には、もう一つ説得力がないなように感じた。

    子育てが核家族単位になっているので、親が気に入った名前でないと子育てが楽しくないなどという賛成理由も挙げられていたが、そもそも子供の名前は親のためにあるわけではなく、これでは子供をペット扱いしているのと同じである。

    江戸時代には難読名が多かったとかいうのも、大した理屈にはならず、社会で必要なのは姓であって名前ではないという意見も、「あなた、本気でそんな風に思っているんですか?」と、問い返したくなる。

    どうも、賛否の軍配は、否定派の方に分があるように思えた。キラキラネームは社会の迷惑?

   

    その否定派の意見としては、


    子供の名前とはどうあるべきか?

    「(子供の名前とは)第一に『こう呼びたい』という親の正直な気持ちを表現していること。第二に、その子が喜んで使えて、周囲の人に迷惑にならないということ。名前は珍しかったり、奇抜だったりするからいけないのではない。読めないなど欠陥がある名前が問題なのだ」


    どういう名前は好ましくないか?

    「まず男女の区別がつかない名前は良くない。(当て字の場合も多く)漢字の読み方が正しくないのは重大な欠陥だ。例えば、事件や事故に巻き込まれた時などに個人を特定するのに時間がかかり、とんでもない不利益が生じる懸念がある


    個性を表現するため変わった名前を付けるという人もいるが・・・

    「名前は漢字を使って付ける。漢字は長い歴史のある、そしてこれからも長く使われる、(名前は)日本人にとっての公共財だ。公共財を使う以上はルールを守るのは当然だ。名付け相談の際に『その漢字の読み方は間違っていますよ』と指摘すると『私はそう読ませます』という人がいる。文字の読み方を個人が変えていいと考えるのは不遜で傲慢なことだ。ルールを守らないのが個性だと勘違いしている人がいるが、そういう思いが親から子に伝わってしまったら大変だ」


    ユニークな名前が花盛りだが・・・

    「自分の子供をおもちゃにしているとしか思えないような乱暴な名付けが増えている。学校の中で自分の名前が呼ばれるのを嫌う子供は少なくないと聞いている。その子が大人になったとき、厳粛な席で名前を呼ばれることで失笑を買ったりしたら、精神的に傷つくことになるだろう。変わった名前を付けることは個性を重視する新しい風潮だと思い、自分の子供にも、と考える人が多いようだが、無抵抗な赤ちゃんに問題のある名前を付けるのは残酷なことだ」


    いつごろから増えたのか?

    「平成になってからぽつぽつ出始めて、ここ10年で爆発的に増加した。間違った読み方の名前や暴走族の落書きのような名前に対し多くの人が不快や迷惑を感じる。親が知的でないという印象を与えることにもつながり、社会で生きていく上で大きな障害になりかねない。子供の将来を考えて名付けをしてほしい」




    こうした否定派の学者の意見の中でも、「その子が喜んで使えて、周囲の人に迷惑にならないということ」ということが、最も大事ではないかと思った。

    人の名前は、本人よりも他人の方が多く使用するものである。

    つまり、自分のものであって、自分だけのものではないのだ。他人が呼びやすく読みやすいという配慮がなければならないという意見に大賛成である。

    読みにくい名前は、ほとんどの人にとっては、名無しの権兵衛と同じである。

    「ほら、あの面倒くさい名前の人」

    で、我が子を一生過ごさせていいものか?

    恥をかくのは、名前を付けた親ではない。キラキラネームをもつ子供自身なのである。


<今日のおまけ>

    おそらく、個性重視という大義名分下のこのキラキラネームも、一時の流行としていずれは影をひそめる運命にあるのだろう。

    しかし、将来、再び昔ながらのシンプルな名前が主流になった時、こんな名前をつけられてしまったかつての子供たちは、どのような運命をたどるのだろうか?

    ファッション同様に名前にも流行がある。そんな流行には周期があって、流行りすたりも早い。

    1980年代頃には、漢字一文字の名前が流行った。「俊」「航」「亮」「魁」などなど。

    しかし、2000年頃からは、今度はまた古き良き時代の「新一郎」「大輔」「信吾」「健太郎」などの男らしい名前が戻って来た。

    女の子の名前も、一頃は「明美」「由紀」「あずさ」「茜」などのいわゆる「子」なしの名前が流行った時期もあったが、やはり、「子」があった方が高貴なイメージになるということで、「貴子」「陽子」「恵子」「雅子」などの名前に戻ったこともある。

    つまり、キラキラネームも一時の流行となれば、名前を見ただけである程度の年齢が判ってしまうということにもなるだろう。

    「ああ、あの人、きっとキラキラネーム世代だね」

    いつか、そんなレッテルでひとくくりされる未来がくるのかもしれないな。


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この記事へのコメント
名前をつけた親の知的レベルが図られますから、子どもの就職にも当然影響があるでしょうね。
まぁ、かえるの子はかえるだからあまり心配しなくてもいいのかも‥‥‥
Posted by ヘンリーたまきヘンリーたまき at 2012年08月10日 21:38
ヘンリーたまきさまへ>  

 こんばんは。  

 親には、自分の趣味などに関係する名前を子供に付けたいという思いが少なからずあると思うのですが、あまりに度を越すと子供だけでなく、社会のハタ迷惑にもなり兼ねません。
 
 この間読んだ知恵袋には、キラキラネームをつけられてしまい、恥ずかしくて学校に行けないという女の子が投稿していました。どう見ても大和民族そのものの容姿なのに、西洋のお姫様風の名前をつけられてしまったのだそうです。確かに、辛いですよね。  

 おっしゃるように、難読名は、就職にも少なからず影響が出ますよね。面接官が簡単に読めない名前というのは、本人によほど特技や才能がない限り、それだけでも不利になります。 
 「ユニークな親御さんなんですね」と、理解を示してくれる試験官ならば良いですが、世の中そう甘くはないですから。 

 新聞の誕生欄を見るにつけても、「何人?」と、思うような名前が列挙されているのには驚きます。
Posted by ちよみちよみ at 2012年08月10日 22:00
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