高校三年生

高校三年生diary




    今日、あるテレビ番組の再放送を見ていたら、NHKの「思い出のメロディー」で、2011年最もリクエストが多かった歌謡曲が、舟木一夫が歌う「高校三年生」だったそうだ。

    作詞は丘灯至夫、作曲は遠藤実。

    ところが、この二人はともに高校を出ていないのだという。

    その二人にとって、高校三年生という存在がどれほど眩しく見えていたか・・・。

    これは、正に二人男性の高校生に寄せる憧れが凝縮した一曲だといっても過言ではないのだそうである。

    実は、遠藤実さんは、丘さんの作詞が手元に届いた時、今の曲とはまったく異なるワルツ調のゆったりとした明るいメロディーを考え、その楽譜を持って行こうとしたらしいのだが、家を出たところでハタと気付いたのだという。

    「来年は、東京オリンピックの年じゃないか。こんな曲よりも、もっとマーチ風の勇ましい曲の方がいいのでは?」

    その一瞬の機転が、この名曲を生んだのである。高校三年生

    一方、作詞を手掛けた丘灯至夫さんは、この歌詞に経済的に高校を中退せざるを得なかった自身の悲しみや憧れのすべてを注ぎ込んだ。

    殊に、二番の歌詞----

    泣いた日もある  恨んだことも  思い出すだろ  なつかしく  ああ  高校三年生

    ぼくら  フォークダンスの  手をとれば  甘く匂うよ  黒髪が 

    ここには、丘さんのこの歌にかける思いの丈が十二分に描かれているという。

    番組では、「高校三年生」という歌に寄せる多くの視聴者の心情や体験談をも取り上げていたが、この歌が人生の応援歌になっているという60代の女性は、

    「ぼくら  フォークダンスの  手をとれば----この歌詞を聞いた時、新しい時代がやってきたんだという実感がわいて、目の前が突然開けた感じがした」

    と、語っていた。それまでは、男女が手をとりあってダンスをするなどもってのほかという教育を受けていた時代。これからは、わたしたちの時代なのだという晴れやかな気分になれたのだという。

    また、未だに高校の同級会の最後には、この「高校三年生」を参加者全員で合唱して締めるという男性や、この歌を口ずさむことで生きる希望が持てたという、一昨年の東日本大震災で大きな被害を受けた福島県の女性もいた。

    職場のリストラにあった女性は、目の前が真っ暗になったが、「高校三年生」を歌い、「今が高校卒業当時だと思えば、またやり直す勇気が出る」と、人生をリセットしたのだという。

    そして、ある女性は、「高校受験に失敗し、憧れの高校生になれなかった時は、大好きなこの歌を歌うことも出来なくなったが、自分の息子が高校を卒業する時、卒業式でこの『高校三年生』が流れ、本当に感激した」と、いうエピソードも紹介されていた。

    歌う舟木一夫自身も、ヒット曲に恵まれず悩んだ時期、この歌に縛られたままではダメだと「高校三年生」を封印したこともあったそうだが、「自分と同じ世代の人たちのために歌おう」と、考えを切り替えてからは、素直にこの曲の素晴らしさを聴いてもらいたいと思えるようになったそうだ。

    「『高校三年生』は、もはや誰が歌っているとか、誰が作ったとか、そんなことは関係なく、日本人の心の歌になっているんです」

    と、舟木さんは語る。

    これからも「高校三年生」は、「青い山脈」のような、いやもしかしたらそれ以上の人々の心に寄り添う名曲として歌い継がれて行くのだろうと思う。
    

<今日のおまけ>

    今日の元日は、昨年までと少し様相が異なり、街の中の人通りも目立った。

    昨年の元日は、ほとんど街の中を歩く人の姿を見かけることもなかったが、これも自民党に政権が替わったことの余波なのだろうか。

    天気が良かったことも幸いしたのかもしれないが、散歩の途中ではいく組もの家族連れ観光客とすれ違った。

    今年は、少しでも景気が回復してくれることを祈りたいものである。

    

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