日々のたわごと 15

日々のたわごと 15art02




    NHK総合で放送していた韓国ドラマ「イ・サン」が終わった。

    1700年代の朝鮮王朝を描いた壮大なスケールの歴史恋愛ドラマだったが、登場人物は主人公から悪役に至るまで、良いか悪いかは別にしても、とにかく全員が自分のなすべきことの筋を通したという稀有なストーリーだったように思う。

    大勢の登場人物が次から次へと目まぐるしく入れ替わりながら進む群像劇のなかでも、ひときわ凛とした異彩を放っていたのが、サンの正室である王妃だろう。

    世の中に、これほど出来た女性がいるのだろうか・・・と、思うほどに、正に菩薩のような気品と包容力を兼ね備えた才女であった。

    自分の夫であるサンを慕うヒロインを、夫の側室として何のわだかまりも見せず迎えただけでなく、その大きな度量で慈しみもする彼女の優しさには脱帽である。

    いつも微笑みを絶やさず、義理の母親にも心から忠孝を尽くす姿は、演ずる女優の透き通るような美しさも相まって、

    「どうして、主人公は、こんな素晴らしい嫁を女性として愛することが出来なかったのだろう?」
    
    と、不思議に思ったくらいである。

    要は、王妃はサンにとって愛し支える女性ではなく、言わば戦友のようなものだったのかもしれない。

    主人公のサンやヒロインのソンヨンを見守る防波堤ともなった王妃の存在なくして、このドラマは成立しなかったのかもしれない。




    先日、テレビで映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』を放送していたが、これを観て、日本が何故太平洋戦争に負けたのかが、ようやく納得できた。

    陸軍と海軍の足並みがまったくそろわず、海軍は海軍で上層部が脚の引っ張り合いをしている状況で、戦争に勝てという方が無理だということが、実に具体的に判りやすく描かれていて、中学生や高校生にも歴史の勉強として観て欲しい映画だと思った。

   太平洋戦争は、日本がアメリカに負けたのではなく、むしろ最初からオウンゴールで自滅していたというのが本当のところなのかもしれない。

日々のたわごと 15

<今日のおまけ>

    この間、ある番組で、男性お笑いタレントの一人が、こんなことを言っていた。

    「お前たち女が読んでいる少女漫画を、おれも最近読んでみたが、あんなひどいストーリーを面白がっているなんて、お前らって、最悪やな。何があっても一途にヒロインを思い続ける男は、絶対にヒロインとは結ばれない運命で、ヒロインは、自分を蔑んだり意地悪をするようなしょうもない男に惹かれて、最後はそのしょうもない奴と結ばれるという話ばかりだ。

    あんな不自然で理不尽なストーリーばかりに憧れているなんて、女って、みんな頭がおかしいんちゃうか?」

    そう言われてみれば、上記の「イ・サン」でも、ヒロインのソンヨンを一途に思い続けるテスは、結局ソンヨンとは結婚出来なかった。

    「あんな、現実にはありもしないストーリーを読んでいるから、シンデレラ願望ばかりが膨張して、結婚にバラ色の夢を見るようになるんだ。一番大事なのは、その女性を好いてくれる男で、女性が好きな男じゃない」

    どうやら、男性お笑いタレントはそう言いたいようだったが、その考え方は女性たちには受け入れられなかったようだ。

同じカテゴリー(ちょっと、一息 37)の記事
 性格診断 (2013-01-21 17:40)
 腹の立つ奴とは・・・ (2013-01-20 19:06)
 人に何かを頼む時は・・・ (2013-01-20 11:35)
 日々の雑感 3 (2013-01-19 22:27)
 きみは親友を裏切れるか? (2013-01-19 14:52)
 あなたの知っている人は・・・ (2013-01-18 19:05)

この記事へのコメント
山本長官の映画は録画しただけで見ていません、早く見るつもりですが一昨年の「坂の上の雲」も見ていないし。
陸軍と海軍の相克の他に、米内―山本を中心とする非戦主張「条約派」と対米戦争を主張する「艦隊派」の抗争とバラバラでしたからね。
松代大本営を皆神山にしたのも「周りがみな神の山」だからだそうですし。
Posted by DT33DT33 at 2013年01月15日 22:07
DT33さまへ>

 この映画は、特別ドラマティックに盛り上がるというシーンもありませんが、何故開戦などしてしまったのか、そして、何故日本が負けたのかが、とても分かりやすく描かれています。三国同盟締結に至る経緯も、山本が本当は真珠湾でどのような作戦を実行したかったのか、それがどうして出来なかったのかも、この映画でようやく納得できた感じです。
 開戦派が薩長出身者で、反対派が佐幕派出身者という構図も面白い発見です。
 ぜひ、ご覧になって下さい。

 そうですか。
 みな神の山---だからですか。最後は、とうとう神頼みになってしまったんですね。陸士海兵を出た頭の良い人たちが、何でこんなバカげた戦争しか出来なかったのかと、つくづく思いました。
Posted by ちよみちよみ at 2013年01月15日 22:45
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。