ちょっと、一服・・・・・⑱

~ 今 日 の 雑 感 ~



    北朝鮮が、四月四日から八日の間に、人工衛星ロケット(もしくは長距離弾道ミサイル)を発射する可能性が、一気に現実味を帯びてきました。
    
    おそらくは、人工衛星ではないという確率も、如実に高まりつつありますし、浜田防衛大臣も、「北朝鮮を刺激したくない」とのこれまでの政府見解を覆し、自衛隊法八十二条に基づき、「破壊措置命令」を、発令。これにより、自衛隊は、内閣総理大臣の指示をいちいち仰ぐことなく、全権をもって、ロケット(弾道ミサイル)の迎撃が出来ることになりました。

    今回の、迎撃が実際に行われることになれば、日本によるミサイル防衛(MD)システムが、初めて運用されることとなります。そのため、早くも、日本海海上には、ロケット(ミサイル)が東北地方上空を通過することを想定して、推進装置が落下するのを防ぐための、海上自衛隊のイージス艦二隻(ちょうかい・こんごう)の待機が決まり、また、いったん、大気圏外へ出た後に落ちて来るであろうロケット(ミサイル)本体に備えて、太平洋側洋上へも、一隻のイージス艦(きりしま)を展開するといいます。

    さらに、アメリカ海軍も、日本海に情報艦船オブザベーション・アイランドを展開し、自衛隊との連携を密にする運びといいます。

    まず、ロケット部分(ミサイル)を狙うに際しては、イージス艦からの迎撃による破壊を試みますが、破壊し損じた場合には、今度は陸上からのパトリオットミサイル(東京・埼玉・神奈川・岩手・秋田に配備)での迎撃を行なうとのこと。しかし、いずれも、「ピストルの弾を、ピストルの弾で狙い、打ち落とすようなもので、かなり成功の確率は小さい」と、専門家は口を揃えます。

    しかも、もし、うまく迎撃出来たとしても、推進装置(ミサイル)の破片やその他の燃え殻である部品が国内に落下するのを食い止めるすべは、今のところ皆無です。「破片が小さくなれば、安全です」と、専門家は言いますが、それは、決して、人体レベルの安全を謳ったものではありません。極めて甚大な被害を最小限に食い止めることが出来るという範囲の安全発言にすぎません。

    殊に、万が一の場合の着弾(NHKのニュースでは、既にこの表現を使っています)が予想される、秋田県や岩手県の県民の間には、相当の緊張が強いられています。ちょっと、一服・・・・・⑱

    河村官房長官は、「国民には、いたずらに不安をあおることがないよう、通常どおりの生活をお願いしたい。また、政府としても、各マスコミを通じて、ロケット(長距離弾道弾)の情報は、逐一流して行くので、テレビやラジオは、常にスイッチを入れておいて頂きたい」と、通常会見の席で述べていました。また、深夜の発射となった場合は特に、迎撃片がどこへ落ちるのかも予測が出来ないので、安易な避難行動は、むしろ慎み、家の中に待機していて欲しいとも、政府や専門家筋は注意喚起を行っています。

    ところが、北朝鮮側の言い分としては、「日本やアメリカが、万が一にも迎撃体制を取った時点で、それは我が国に対する戦闘行為とみなし、報復攻撃に出る」と、いうことで、まったく、世界の共通見解を無視した身勝手な理論を押し出しています。

    いったい、ここへきて、突然の強硬姿勢に転じた北朝鮮の思惑は、何処にあるのでしょうか?この態度は、脅しが、自国の利益になるという範疇を既に超えています。下手をしたら、本当に、イラクの二の舞になるかもしれません。アメリカが、オバマ政権になり、北朝鮮に対する軍事介入を最小限度に食い止められるとの見通しからか、それとも、現在のアメリカ最大の不況下では、アメリカ自身の体力が戦争を起こすほどの強度を保っていないと踏んだからなのか?実に、不可解です。

    日本の反応は、過剰だという理論も外国の一部評論家たちの間にはあるやにも聞きますが、原爆投下を経験したこともない国の人たちに、軽々しく、日本の国防に対する危機感に対しての意見を言う資格はないと思います。

    いずれにしても、杞憂が現実のものとなる以上、今後の日本には、それなりの覚悟が求められているのかもしれません。

    (なんて、書きながらも、実際のところ、正直、ビビっています。も~、いい加減にして欲しいですよ、まったく!)


    

    

        


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この記事へのコメント
国民の意思を無視した国同士の駆け引きがあるのでしょうが、我々国民としたらなんでそうなるの?なんではっきりと「NO!」と言わないんだ。と今回のことも拉致のことも思います。
日本海側にはたくさん「不審船・密航・密輸を見つけたら通報を!」の看板がたてられています。
その昔、6世紀~7世紀にかけ敦賀には今でいう迎賓館のようなものがあり大陸の国々と交流があったといわれます。そして、今の私達の血はほとんどが大陸の血だと言われています。だからなんだ!と言われればそうなんですが、人間の愚かさと恐ろしさを感じずにはいられません。
秋田や岩手の方だって、落ち着きませんよね。私だって仕事で行くかもしれない。あまりにも河村官房長官のコメントは無責任に聞こえる。そんなこと聞いて通常どうりの生活って・・・。どうしたらいいの?
Posted by ティンク at 2009年03月28日 17:57
ティンクさんへ>

 コメントありがとうございます。
 日本中がWBC優勝に沸いているうちに、日朝間の情勢は、大変なことになっていましたね。日本海側には、そういう看板があるのですか。初めて知りました。
 拉致された人たちは、ほとんどが日本海側の県民ですものね。北朝鮮は、いったい何を世界に望んでいるのでしょうか?
 彼らの平和とは、自分たちだけが優越感を得られて、幸せになればいいというものなのでしょうか?
 昨日の、ティンクさんのお爺さまの言葉が、これほどまでに真実味を帯びて聞こえる状況はないでしょう。「人間の方が怖い」---本当に、その通りだと思います。
Posted by ちよみちよみ at 2009年03月28日 18:48
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