ちょっと、一服・・・・・37

~ 今 日 の 雑 感 ~


山で道に迷う


    皆さんは、登山やハイキングの際に、山道で迷子になったことがありますか?

    別に、それほど大袈裟なことではありませんが、わたしは、一度だけ、山で道に迷ったことがあるのです。あれは、まだ二十代も前半の夏のことでしたが、女性の友人と、ぶらりと志賀高原まで出かけたことがあったのです。

    山のホテルへチェックインしたのが午後三時頃だったものですから、時間を持て余していたわたしたちは、ちょっとその辺を散歩でもして来ようと、ほんの軽い気持ちで、出かけたのでした。

    そして、どうせここまで来たのだから、ハイキングコースでも歩いてみようかと思い立ち、広い国道から外れて林道の方へ入って行ったのが、間違いのもとでした。通常のハイキングコースを歩いているつもりが、いつの間にか、別のルートへ進んでしまっていたらしく、行けども行けども終着点へ辿り着けません。道は次第に険しくなり、大きな岩がゴロゴロしているとてもハイキングコースとは思えない場所を幾つも乗り越えながら、それでも下へ進めばいつかは国道へ出るのではないかと思い、ヘトヘトになるまで歩き続けました。その頃は、携帯電話などもなく、辺りに人影らしきものもまったくなく、たった二人の山中行軍です。

    「このまま何処にも出られなかったら、仕方がないから、野宿だね」ちょっと、一服・・・・・37

    「それも、いい思い出じゃァないの」

    などと、この期に及んでも、まだ危機感のない会話をしていた時です、不思議なことに、何処からともなくフルートを吹く音色が聞こえて来たのです。静かな木々の間を吹き抜ける風の音に混じって、何とも優しげなそのメロディーは、明らかに、近くに人がいる証拠でした。わたしたちは、一目散にその音の方へと足を速めました。

    すると、いきなり視界が開け、出て来たところが広々とした池の縁でした。しかし、そこには誰も人はおらず、ただ一足の男性用の靴が行儀よく揃えられて置いてありました。

    「誰が、吹いていたんだろうね?今のフルート・・・・」

    「志賀高原では、音楽大学の人が合宿練習をしているから、そんな学生たちの一人だったんじゃない?」

    と、話をしていますと、いきなり近くで、木材を伐るチェーンソーの音が響いたので、わたしたちは、今度はそちらへ歩いて行きました。そこには、営林署の職員のおじさんが一人雑木の伐採作業をしておられたので、そのおじさんに国道への行き方を訊ね、わたしたちは、ようやくホテルへと戻ることが出来たのでした。

    その間、時間にすれば、わずか三時間ほどのことだったのですが、口では馬鹿なことを言いながらも、内心は、実に不安な体験でした。山に入る時は、やはり、どんなに短い距離を歩くとしても、しっかりと事前のシミュレーションを怠らず、いざという時に必要な登山用具もちゃんと携帯したうえで、行くべきだと痛感した次第です。

    それにしても、あのフルートを吹いていた人はいったい誰だったのか?-----あまりのタイミングの良さに、わたしの友人は、

    「あたしたちが道に迷っていることを知っていて、あの池のある所まで誘導してくれたみたいだね」

    と、言っていました。

    山では、時々、不思議なことが起きるものですね・・・・・。face01

    *** 写真は、ブローチです。大きさは、ほぼ実物大です。


    <今日のおまけ>

    ところで、今朝がたは、ひどい目に遭いました。うちのすぐそばに公園があるのですが、そのベンチで、午前二時頃から、男と女が口喧嘩を始めたのです。最初、男は携帯で女と話をしていたのですが、そのうちに携帯ではらちが明かないと思ったのか、女がそこまでやって来て、今度は、直に面と向かっての口論が始まりました。
 声とか音は、上へとあがります。この声が、ガンガン耳元で響いて、とても眠れるものではありません。それも延々三時間以上は続き、とうとう業を煮やした我が母親が、二階のガラス窓を開き、「うるさいから、喧嘩ならどっか別の場所でやりなさい!」と、注意をすると、やっと二人は重い腰を上げ、言い合いをしながら、どこかへ去って行きました。

    母の日に、うちの母は、喧嘩を諫めていた訳ですね。母は、強し!-----です。

    でもって、今日は、ほとんど徹夜状態でした。とんだ、バカップルの巻き添えを食ったもんです。(>_<)

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Posted by ちよみ at 23:33│Comments(0)不思議な話
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