これって、偶然?・・・・・97

< 不 思 議 な 話 >


これって、偶然?


    わたしは、小学生の頃、いくつもの塾に通っていました。

    あの時分は、お稽古事が一種のはやりで、子供たちは様々な塾通いをしていたものですが、わたしの場合は、「そろばん塾」に「ピアノ」「英会話」「書道教室」などへ行っていたため、一週間のほとんど毎日が、学校、自宅、塾の三点セットでした。

    しかし、当のわたしは、いずれも特別身を入れて学んでいた訳ではないため、日々の忙しさに疲れ、あわよくば塾を休みたいと、そんなことばかりを考えていました。これって、偶然?・・・・・97

    そんなある日のこと、英会話教室へ出かけたところ、建物の正面の扉に、「今日の英会話教室は、お休みです」の張り紙。ラッキーだと、内心ほっとしながら家へ帰ると、その日の夜、同じく英会話教室へ通っている同級生の母親から、わたしの家へ電話があり、英会話教室を開いていた若い女の先生が、亡くなったとのこと。face08

    驚いた母が、詳しく理由を訊ねると、その相手の母親曰く、

    「実はね、先生、自殺なさったらしいのよ。自宅の自分の部屋にガムテープで目張りをして、ガス自殺をしたんですって」

    自殺の理由は、判らなかったのですが、その先生の死で、英会話教室は終了となってしまったのです。

    しかし、わたしには、まだ他のお稽古事があります。英会話がなくなって、少し生活にも余裕が出て来ましたが、それでも、正直、書道教室には、閉口していました。

    書道教室は、近所の薬師堂で、当時、三十代の庵主さんが教えて下さっていたのですが、この庵主さんがかなり厳しい先生で、相手が子供たちといえども、徹底的に時間をかけて教えるのです。

    その間、ずっと正座ですから、足がしびれて、途中からは書道どころではありません。気が散っていると、いつまでもOKが出ず、何枚も書き直しをさせられます。

    「もう、書道、行きたくない」

    と、うんざりしていた矢先、薬師堂から電話が入り、「本日のお教室は、お休みになりました」との連絡。

    その電話の直後、今度は、薬師堂のすぐ近くに住む、わたしの家の親戚から電話が来て、

    「庵主さん先生、今朝、亡くなったんだよ」

    との話。わたしの母親が、詳しく事情を訊ねると、薬師堂の自室で首を吊って自殺したとのことでした。こちらもまた、自殺の原因は、判らなかったようです。

    ところが、こっちは、すぐに変わりの先生が来られて、書道教室は続けられることになりました。しかも、次に来た先生は、六十代のお坊さんで、これまでの先生に輪をかけて厳しい教え方で、あだ名は、「いま、一枚」。

    何枚書いても、「いま、一枚」と言って、書き続けさせるのです。

    これなら、前の庵主さん先生の方がよかったなァ----と、がっかりしたことを覚えています。

    それにしても、二人の塾の先生の立て続けの自殺。このことは、未だに不思議でなりません。

    こんな偶然て、あるものなんですねェ。icon10

<今日のおまけ>

    1998年の長野冬季オリンピックの際、地元の総合病院に、競技会場となる志賀高原に救護室を設置したいので、医師
を派遣して欲しいという、NAOCからの要請があり、そこの病院の院長が、同病院の関連医療機関にその旨を打診したところ、各大学病院などから応募が殺到!!face08

    このまま全員を受け入れたら、志賀高原の競技会場は、医者だらけという事態になるところであったという。

    医師不足の今となっては、何ともうらやましいような話である。icon04


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Posted by ちよみ at 23:45│Comments(2)不思議な話
この記事へのコメント
こんにちは

随分と沢山習い事していたんですね。
わたしも「そろばん」と「ピアノ」は
少しだけやってました^^

いくら偶然とはいえ ちょっとちょっと
どうなのー
予知?第六感ですか?何があったのかわかりませんが、自殺ほど後味の悪いものはありませんよね。
「いま一枚」 面白いニックネームですね。
Posted by り・まんぼーり・まんぼー at 2009年07月17日 17:57
り・まんぼーさまへ>

 そうですね~。
 今考えると、よくやっていたと思いますよね。中学生になると、ここに学習塾まで加わって。体力あったなァ。(笑)
 
 確かに、これは、驚きの偶然でした。
 わたしのお稽古事は、たいてい、先生が亡くなって、おしまいになるんですよね。
 大人になってから始めた華道もそうでした。どんな事情があったかは、判りませんが、二人の先生は、あまりにあっけなく亡くなられてしまったので、子供心にも、ちょっと、呆然といった感じでした。
 いま一枚の和尚さんは、しつこかったです。(^_^;) 
Posted by ちよみちよみ at 2009年07月17日 19:55
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