「すごい!」という言葉・・・・・53

~ 今 日 の 雑 感 ~


「すごい!」という言葉


  
    「すごい!」-----この言葉を、あなたは、一日に何回ぐらい使いますか?無意識のうちとはいえ、かなりの頻度、使っているのではないでしょうか。考えてみれば、わたし自身もかなりの回数使っていると思います。face03

    これが、一般の会社員のセリフだと、さしずめこんな感じでしょうか?

    まず、朝起きて-----「すごい、天気いいね」「今日の朝ごはん、すごいおいしいね」「すごい、もう遅刻しそうだ!」

    会社へ行って-----「昨日のジャイアンツの試合、すごかったよねェ」「今日のプレゼン、スゲ―緊張する!」

    退社時間-----「この前、すごくおいしいイタリアンの店見付けたんだけど、これから一緒に行かない?」「あなた、すごくしつこいわね!」「やめとけよ。お前、そんなこと上さんに知れたら、スンゲ―、ぶっ飛ばされるぞ!」

    こうして見ると、この「すごい!」を使うだけで、日々の会話のほとんどが網羅出来てしまうようですね。「すごい!」という言葉・・・・・53

    ところで、あるテレビドラマを制作する時、演出家の方が、子役の小学生たちに、「きみたちのお父さんが、新しい自動車を買った。今日、家にそれが届くシーンなんだけど、きみたちは、好きなようにその車を褒めてくれ。決まったセリフはないから、自由にしゃべってくれていいからね」と、言ったところ、いざ本番になって、その子役たちの口から出た言葉は、

    「すごいね!」「スゲ―、かっこいい!」「すごい、すごい!」「お父さん、すごい大好き!」-----だったそうで、演出家のの方は、愕然として、「やっぱり、セリフは必要だなァ」と、思い直したそうです。

    
    一月ほど前でしたが、近所の和菓子屋さん(うちの方では、お饅頭屋さんと言います)で、面白い会話を聞きました。お店のご主人と、若い男性二人のお客さんが話をしていたのですが、男性客の一人が、出来上がったばかりのお饅頭を見て、

    「これ、何ですか?」

    「温泉まんじゅうですけれど------」

    ご主人が答えますと、その男性客は、いきなり、「温泉まんじゅうだって、スゲ―なァ」と、言ったのです。途端に、ご主人が、ブチッと、キレたような顔つきになり、

    「お客さん、温泉まんじゅうの何処がすごいの?温泉まんじゅうに足が生えて歩き出すとでもいう訳?」

    と、言います。男性客は、最初何を言われているのか判らないようでしたが、ご主人が、続けて、こう言いました。

    「すごい----なんて言葉は、土石流が飽きた時にでも使うもんだよ。あんたら、菓子屋の小僧上がりの、おれなんかよりも学があるんだから、もっと頭を使ったほめ方が出来るだろ?とても、おいしそうですね-----とか、いい香りですね-----とかさ」

    男性客たちは、ようやくご主人の言っている意味を理解したらしく、「すみません・・・・」と、小さく言って、その温泉まんじゅうを買って行きました。

    これを聞いていたわたしは、なるほどなァと、感心しました。確かに、「すごい」は、便利な言葉ではあります。しかし、これをあまり多用すると、何がすごいのか、判らなくなってしまいますよね。おいしいということなのか、綺麗ということなのか、嬉しいのか、怖いのか、それとも、ほとんど接続語的に使うもので、意味などないのか-----。

    子供を褒める時も、とかく「すごいねェ。お利口だねェ」などと言いがちですが、ここは意図的に「すごい」を、しばし封印して、もっと具体的に言葉を使ってみたらどうかと思うのです。

    日本語には、素敵な言葉がたくさんあります。つい、口から「すごい」が出そうになったら、「他に何か言い方はないかな?」と、一瞬でも考えてみる------そんな癖をつけることも必要なのではないかと思いました。

<今日のおまけ>

    この間、偶然に「善光寺御開帳の裏話」のようなことを聞きました。
    御開帳に集まって来た善男善女は、ほとんどがツアー客で、彼らは、ツアーガイドの誘導で仲見世通りから境内へと進み、回向柱にさわって帰るというのが、通常のコースになっていたらしいのですが、回向柱にさわるまでは、ほとんどの参拝客は、仲見世には立ち寄らないのだそうです。
    それは、そうですよね。まずは、回向柱にさわって御利益をもらうことが先決なのですから、途中で土産物を買おうなどという気持ちにはならないのが普通です。
    しかし、問題は、さわった後の帰りのコースなのだとか------。仲見世通りを戻るようにすると、来る参拝客と帰る客がぶつかるため、ほとんど身動きが取れない状態になるということで、特に、ツアー客に関しては、仲見世通りを通らない別ルートでバスまで帰ってもらうという方法を、取ったのだそうです。
    となれば、必然的に仲見世での土産物は買えないということになり、土産品店は、軒並み客足が落ちていたのだそうです。ならば、その参拝客たちが、別の観光地でお金を使うかといえば、そうではありません。そのまま、まっすぐにバスで帰宅するため、今回の御開帳に関して言えば、「御開帳が不況風をあおった」と、いうことになるようです。face07 

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この記事へのコメント
こんにちは
そういわれれば 「すごい」を連発してるかもしれない。そうだよねぇ。よし
今度は少しひねってみるか!
ちよみさんのブログは気がつかないことを気づかせてくれるブログだと思いますよ。
Posted by り・まんぼーり・まんぼー at 2009年05月31日 14:19
り・まんぼーさまへ>

 「すごい」という言葉は、「どうも---」と、同じくらいに日本人が頻繁に使う言葉なのだそうです。外国人旅行者の中には、この言葉を知っているだけで、日本人の友達が作れると、聞いて来たという人もいたとか・・・。(^_^;)
 考えてみれば、わたしもかなり使っていますから、お饅頭屋さんの言葉を聞いていて、ちょっと恥ずかしくなりました。そういえば、少し前に放送した「田舎に泊まろう」という番組で、女性タレントさんが、泊めてくれた家の人に、「すごい」を、使ったところ、「もっと、別の言い方がないのかね?」と、たしなめられていたのを観ました。
 やはり、年配の人には、気になる言い方なんですね。わたしも、気を付けたいと、思いました。
Posted by ちよみちよみ at 2009年05月31日 15:36
ドキっ!そういえば私もボキャブラリィが少ないのでつい言ってしまう(=^・^=)
癖なのか、他に言葉が見つからない・・・コメントもそうなのだぁ~♪いつも、もっと的確な言葉がないのか考えても見つからない現状にトホホ~の気分です<m(__)m>
Posted by 福寿荘 女将福寿荘 女将 at 2009年05月31日 19:09
福寿荘 女将さまへ>

 「すごい」は、実に便利な言葉ですよね。とにかく、そう言っておけば、間違いがないと、いうこともあって、つい、多用しがちになりますね。確かに、言うべき言葉が見付からない時などは、わたしも、これに頼ってしまいます。
 でも、考えてみれば、「すごい」を漢字で書くと凄惨の「凄」ですから、まあ、あまり良い意味に使う言葉ではないようですね。辞書を引きますと、「すごい美人」---という使い方も、「ぞっとするほど美しい」とありますから、背景には、「恐ろしい」という意味がつきもののようです。
 では、それに代わるものにどのような言葉があるのか、考えるだけでも、日本語の奥深さが実感できますね。(^u^)
Posted by ちよみちよみ at 2009年05月31日 21:20
「すごい」と「滅茶苦茶(メッチャ)」は自分の中では嫌いな言葉なので使いません。
今の使われ方が嫌いだからです。
いや、使う人が嫌いなのかな?
よく判りませんが・・・

で、その饅頭屋さんは説教の後のフォローはあったんでしょうか?
言いっぱなし?
まあどちらでも良いんですが。
「言葉は時代で変わる物」、と訳知り顔で頷いてみたり、「ちゃんとした言葉づかいをしろよ」と、怒ってみたり・・・
一貫性の無い、僕です。
Posted by 室長室長 at 2009年06月01日 17:46
室長さまへ>

 コメントありがとうございます。
 お饅頭屋さん、フォローはなかったですね。「でも、今時の言い方なんだからしょうがない」なんてことは、言いませんでした。
 そのお客さんたちが帰った後でも、「親がちゃんとした日本語を教えないから、ああいう子供になるんだ」と、言っていました。
 それから、自分が何か説明しようとすると、特に若い女性が、ケラケラ笑うのも癪に障るといって、愚痴っていました。
 でも、言葉というのは、その時代によって変化しますから、世代間の論争の元にもなるんですよね。でも、わたしなどは、どちらの言い分も判る世代だけに、難しい立場です。
 ただ、やはり、言葉の種類は、たくさん知っているに越したことはないと、思うので、同じ言葉を多用するのは、出来るだけ自制しなければならないとも、思いました。難しいことですが・・・・。(~_~;)
Posted by ちよみちよみ at 2009年06月01日 20:13
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