職場の鬱憤は、病院で晴らす・・・・・140

~ 今 日 の 雑 感 ~


 
職場の鬱憤は、病院で晴らす


   
    わたしが、入院していた時、同じ病室の五十代後半の女性が、とても深刻そうな顔付きで、近付いて来て、

    「ちょっと、わたしの話、聞いてくれない?」職場の鬱憤は、病院で晴らす・・・・・140

    と、いうので、わたしも、どうせ暇を持て余していましたから、いいですよと、答え、二人して、病棟の談話コーナーへ行きました。

    時刻は、午後の八時を過ぎていましたので、談話コーナーには、わたしとその人以外誰もいませんでした。
 
    その女性は、乳がんで入院している患者で、もう手術も終え、毎日腕の上げ下げのリハビリをしているのです。乳がんの手術で、わきの下のリンパ腺まで取ってしまった患者さんの中には、一時的に腕が上がらなくなってしまう人もいるそうで、この筋肉を固まらせないためにも、毎日のリハビリは欠かせないのだといいます。

    でも、その人は、いつも理学療法士さんの指示で真面目に頑張っていたので、その頃、腕はもうかなり良く上がるようになっていました。

    おそらく、退院も間近だろうと思われるその女性が、何の話をしたいのかと、わたしは、訝しく思いながら聞いていたのですが、横並びの長椅子の隣に腰をかけながらしゃべり始めた女性の話を聞くうちに、わたしは、職場のイジメというものが、そこまですさまじいものなのかと、正直、仰天しました。

    その女性は、地元の小さな会社の機械部品組み立て部門で働いているとのことで、社長も彼女の正確で手際のよい仕事ぶりを高く評価していて、特に、お得意先の会社からは、彼女に部品の組み立てを頼みたいと、指名されるほどの腕前なのだそうです。

    そんな彼女の職場では、かなり以前からイジメが始まっていて、やはり有能な女性社員が一人、同じ部署の六十代の女性パート社員から頻繁にイジメを受け、体調を崩して会社を辞めてしまったことがあったというのです。そして、そのいじめのターゲットが、今度は、この女性になってしまったのだというのです。

    社長の信頼も厚い彼女は、何かにつけて、その六十代の女性から嫌がらせを受け始めたのですが、ある時は、せっかく組み立てて、あとは納品するだけという製品を、故意に壊されたり、社内に不倫の噂を流されたりもしたのだといいます。

    しかし、彼女の性格をよく知っている他の社員たちは、そんな噂を信じなかったので、とうとう六十代の女性は、キレて、彼女が社長室で次の仕事の指示を受けて出て来た時、階段を降りかけた彼女の後ろから近づき、いきなり背中を思いっきり押したのだといいます。

    彼女は、階段を転がり落ちました。でも、幸いなことに、怪我は、手足の打撲で済んだのだといいます。彼女は、そのことを会社側へ話しましたが、如何せん、目撃者が一人もいなかったために、犯人の女性が、処分されることはなかったのだとか。

    そんな陰湿なイジメや暴力は、六十代の女性の性格を表すに十分だと見えて、その女性のご主人も精神的に追い込まれ、自殺してしまったのだそうです。それからというもの、その女性はますます荒れはじめ、現在も、会社の鼻つまみ者なのだといいます。

    しかし、このイジメによるストレスが原因で、彼女は、乳がんになってしまったのだと、担当医師も話していたのだといいます。

    それでも、自分の中の気持ちを家族にぶつけると、家族も共に悩んでしまうだろうし、子供たちへの影響や、仕事をしているご主人の心痛を考えると、本当のことも言えず、退院してからも、再び、一人悶々と悩み続けなくてはならないので、今のうちに、言いたいことは全部誰かに聞いてもらって、すっきりした気分で、また仕事に復帰したいのだという話でした。

    わたしも、聞いているうちに、本当に腹が立って来てしまいました。焼きもちも、ここまで来れば、間違いなく犯罪です。自分の不幸を八つ当たりで解決しようなどとしても、無駄なことは、その六十代の女性も判っているはずなのです。それでも、幸せな人が憎らしくてたまらない。

    ふざけた話です!!

    わたしは、「そんなバカ女、やっつけちゃって下さい!そいつが組み立てた部品、今度は、あなたが、躓いたふりでもして踏みつぶしてしまって下さい」と、言いました。

    すると、彼女は、思いっ切り声を出して笑って、「そうね!今度、そうやっちゃおう。我慢しているなんて、バカ臭いもんね。こんな病気になったのだって、あいつのせいだもん。仕返しされたって、自業自得よね」と、晴れ晴れした顔で言いました。

    でも、話をしてくれたのが、どうして、わたしだったのか?と、その女性に訊ねると、

    「だって、病室の中で、一番元気そうだったから-----」

    「・・・・・は、そうでしたか」icon10

    まあ、何はともあれ、お腹の中にある嫌な気持ちは全部吐き出してしまった方が、病気も退散するでしょう。自分の身体が大事だと思ったら、我慢して「耐える女」を演じる必要などないと思います。

    それにしても、こんな経験から思いました。病院には、患者の話を何でも聞いてくれるカウンセラーのような人が必要だと。それも、気軽に話が出来るような立場の人が------。

    患者は、憤懣の塊なのだから、諭されるような話は聞きたくないのです。

    ともに、拳を振り上げてくれるような味方の出現を待っているのです。
icon21
    

<今日のおまけ>

    とかく太っている女性の中に、「わたしって、あまり食べないのに、すぐ太るのよね。体質だから仕方がないのかしら」と、いう人がいるが、そんなのは、言い訳に過ぎない。(-----と、思う)

    食べないでも太るなどということは、理屈の上でもあり得ないのだ。確かに、痩せにくいという体質の人はいるだろう。しかし、食べなければ、痩せるのは道理で、理論上「空気太り」などということはあり得ないのである。(ある種の病気でホルモン異常をきたしている人は、別である)

    わたしの知り合いにも、上記のようなことを言う女性がいたので、「あまり食べない」とは、どのくらいのことを言うのだろうかと、調べてみたら、確かに、三度の食事としては、それほどの量は食べていなかったが、間食の量が半端ではなかった。

    牛乳を大鍋で沸かして、コーヒーに入れてたっぷりと飲み、クッキーも大箱で買い込んで、マーガリンやクリームチーズを塗って食べる。果物も、グレープフルーツ、リンゴ、スイカ、ミカン、バナナ等々を常に食卓の上へ置いて手を出しており、ケーキや生菓子類も、大好きと来ている。

    やはり、かなりの量を食べているのである。

    これでは、どんなに身体を動かしていたとしても、摂取カロリーを消費することなど出来る訳はない。

    わたしは、その人に、「食べていないというのは、妄想だよ」と、説明したが、まだよく判らないようである。face03  


同じカテゴリー(ちょっと、一服・・・・・ Ⅶ)の記事
 わたしは、竜馬が嫌いです・・・・・142 (2009-08-26 23:32)
 信 濃 の 国・・・・・141  (2009-08-25 23:26)
 ブログの意図は伝わりにくい・・・・・139 (2009-08-24 12:29)
 ミスコンテストに物申す!・・・・・137 (2009-08-22 23:16)
 性同一性障害の認知度・・・・・135 (2009-08-20 23:23)
 何とも、呆れる話・・・・・134 (2009-08-19 23:38)

この記事へのコメント
おはようございます、、、^-^

私は某○のせいでストレスが溜まり乳がんなったのだと自覚しております~~

でも私は我慢せずにありとあらゆる人にぶちまいていますが、、、。

聞いてもらうって大事な事なのですね、、、
Posted by 自称 美人女将自称 美人女将 at 2009年08月25日 09:30
自称 美人女将さまへ>

 わたしが入院していた病室には、乳がんの患者さんが何人もおられたのですが、皆さん、病気になる前に、かなりのストレスにさらされていたことが判りました。
 ご本人が、気付いておられない人でも、世間話をするうちに、そのことが話題に出て来て、「ああ、これがそうだったんだ」と、改めて、驚いておられました。
 最近、乳がんが、三十代、四十代の女性に増えいてるというデータも出ているそうですが、考えてみれば、かつては専業主婦をしていた女性が、今は、ほとんど男性と変わりない働き方をしているキャリアウーマンが大半です。しかも、この年齢は、会社でも管理職を任される頃ですから、家事と育児、介護、そして仕事と、女性は男性以上のストレスにさらされているといっても過言ではないとのことです。
 男性は、会社帰りの一杯で憂さ晴らしも出来ますが、女性には、それもない訳で、これでは、病気にならない方が不思議なくらいです。
 この記事内の女性も、とにかく、誰かに自分の悩みを打ち明けたいと、ずうっと思っていたとのことです。
 ストレスが、病気の原因であるならば、それを出来るだけ小さなうちに解消してしまう---それには、やはり、他人に聞いてもらうのが最も手っ取り早い方法かと思います。でも、その時、「それは、あなたが我慢するべきよ」などと、訳知り顔のアドバイスをするような人は避ける方がよいようです。全面的に、自分の味方になってくれる人を話し相手に選ぶことも、重要なファクターだそうです。
 つまり、もうかつての「耐える女」は、流行らないということですね。(^◇^)
Posted by ちよみちよみ at 2009年08月25日 12:08
私の友達も工場にパートで出ていましたが 陰湿ないじめってやっぱりあったみたいですよ。「ありもしないうわさを流す」これが多かったようです。お局様が必ず居るのでそちらのご機嫌が悪いと大変だったようで彼女は資格も取りましたが、そちらのストレスが大でとうとう辞めてしまいました。
やめてすっきりしたそうです。
求人がいつも出ている会社なんですよね。

人にグチを聞いてもらうって大事ですよね
悶々としているとよくない


甲子園の最終戦 ニュースで流れをしりましたが、すごかったんですね。
いやー本当に・・・ 
一発逆転も夢じゃなかった試合運びでしたね。人生も一発逆転があるだろうから
この女性にもエールを送りたいです。
Posted by り・まんぼーり・まんぼー at 2009年08月25日 17:58
り・まんぼーさまへ>

 職場には、必ずといっていいほど一人や二人、こういう「悪の枢軸」みたいな人間がいるものですが、どうして、こういう人が辞めることにならないのか、本当に不思議ですね。たいてい、やめる破目になるのは、真面目な大人しい人なのです。経営者の人も、自分の会社の業績が上がらないのは、こういう元凶がいるからなのだということに、早く気付くべきなのです。
 そういう場合は、会社側が、カウンセラーを設けて、従業員の不満を聴き出すという努力をするべきで、もしも、こういうイジメがもとで病気になったのだとしたら、間違いなく労災の対象になってしかるべきだと思います。
 
 今年の甲子園決勝は、両校ともに、もうやるだけのことはやり尽くしたといったところではなかったかと思います。
 高校野球には、とかく、後味の悪さが残ることがあるのですが、今年は、そういうこともなく、まずまずの終わり方で、球児たちも、すっきりした気分で、二学期が迎えられるのではないでしょうか。
Posted by ちよみちよみ at 2009年08月25日 18:16
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。