酒を買う美女・・・・・332
2010年01月13日
< 不 思 議 な 話 >
酒を買う美女
これは、中野市の間山(まやま)という地域に古くから伝わるお話です。
昔、間山には、大きな造り酒屋が一軒ありました。
その造り酒屋さんには、近所の人たちはもとより、近隣の村からもお酒を買いに、人々が大勢訪れていました。
お酒を買いに来る人たちは、皆、大きな徳利を持ち、その中へ買ったお酒を入れてもらい帰って行くのです。そういう人々にお酒を売るのが、その酒屋の一人の小僧さんの役目でした。
そんなある日の夜のこと、小僧さんが最後の一人にお酒を売り終えて、さて、店をしまおうかと思っていた時、戸口にもう一人のお客が佇んでいることに気付きました。
そのお客は、こんな田舎には珍しいほどの若く美しい女で、遠慮がちに店に入って来ると、小さな瓢箪で出来た徳利を小僧さんに差し出し、
「ここにお酒を入れて下さい」
と、まるで鈴を転がすような愛らしい声音で頼むのでした。
小僧さんは、こんな小さな徳利では、いくらも入らんな-----と、思いながらも、徳利の口に漏斗(じょうご)をあて、柄杓でお酒を入れ始めました。
柄杓ですくったお酒を一杯入れましたが徳利にはまだ余裕があるようです。そこで、もう一杯入れましたが、まだ入ります。
(変だな・・・・?こんなに小さな瓢箪徳利なのに、どうしてこれほどたくさん入るのだろう・・・・・?)
小僧さんは、奇妙に思いながらも、次から次へと柄杓に何杯もお酒を注ぎ続けました。とうとう一升以上注いだところで、ようやく、徳利は満杯になり、その美女は、代金を払うと、嬉しそうに礼を言って、夜の闇の中を何処かへ帰って行きました。
そして、翌日の夜、小僧さんの酒売りが一段落ついた頃、また、その美女はやって来たのです。
やはり、同じ瓢箪徳利を出すと、小僧さんにお酒を注いでもらい、帰って行くのでした。そんなことが幾晩か続いた頃、その美女のことがどうしても気になっていた小僧さんは、彼女のあとをこっそりとつけたのでした。
美女の足は、驚くほどに速く、小僧さんは追いついて行くのに必死でした。そして、いつしかうっそうと木々が生い茂る森の中へと入り込み、小僧さんは、一瞬足を木の根にとられて転んでしまったのです。
慌てて顔をあげましたが、暗闇の中、美女の姿を見失ってしまいました。が、その時、小僧さんの目には、満々と水をたたえる池が飛び込んできたかと思うと、その池のほとりに、小さな祠(ほこら)が祀(まつ)られていることに気付きました。
それは、七福神の一人、弁財天を祀る祠でした。そして、その祠の前には、お酒が入ったままの、あの小さな瓢箪徳利が置かれていたのでした。
それからというもの、その弁財天の祠には、毎日、造り酒屋のお酒が供えられるようになったという話です。
「酒飲み弁天」の顛末でした。

<今日のおまけ>
この前、雪かきをしていたわたしの父に、「そんなこと、クソババアにやらせなよ」と、言った仲居さんが、どうやら、ホテルの宿泊客と、大喧嘩をしてしまったようです。
お客さんにしてみれば、仲居の態度があまりに非常識だと怒り、クレームを付けたそうなのですが、その仲居さんにしてみれば、お客さんの言うことの方が理不尽だと、いうことになってしまったようで、客側は、
「二度とこんなホテルへは泊らないからな!」
と、怒り心頭に発するという具合で、捨て台詞を残してホテルを出て行ってしまったということでした。
いつかは、やるんじゃないかと、父も思ってはいたようですが、やっぱりね----と、言ったところでしょうか。(爆)
この前、雪かきをしていたわたしの父に、「そんなこと、クソババアにやらせなよ」と、言った仲居さんが、どうやら、ホテルの宿泊客と、大喧嘩をしてしまったようです。
お客さんにしてみれば、仲居の態度があまりに非常識だと怒り、クレームを付けたそうなのですが、その仲居さんにしてみれば、お客さんの言うことの方が理不尽だと、いうことになってしまったようで、客側は、
「二度とこんなホテルへは泊らないからな!」
と、怒り心頭に発するという具合で、捨て台詞を残してホテルを出て行ってしまったということでした。
いつかは、やるんじゃないかと、父も思ってはいたようですが、やっぱりね----と、言ったところでしょうか。(爆)
Posted by ちよみ at 23:15│Comments(0)
│不思議な話 Ⅲ
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