隣のベッド

< 不 思 議 な 話 >



隣のベッド





    Aさん(60代女性)から聞いたお話です。

    Aさんは、昔から身体があまり丈夫ではなく、若い頃からたびたび病院へ入院したことがあったのだそうです。

    そんなAさんが40代の頃、入院中に実に不可思議な体験をしたのだそうです。

    Aさんがある病院の内科病棟の二人部屋へ入っていた時、隣のベッドには同じく40代の女性患者さんがいたのですが、その患者さんは、Aさんよりも早く退院が決まり、ある日ご主人が迎えに来て病室を去って行ったのだそうです。

    となると、Aさんは、二人部屋を独占状態ということになり、話し相手もいないので、何となく退屈した時間を過ごすようになっていたのですが、一人になって二日目の夜、その不思議なことは起きたのでした。

    既に消灯時間も過ぎて、病棟内の照明が落とされた病室のベッドの中で、Aさんは少しうとうとしていたのだとか。

    やがて、隣のベッドの方で何かの気配がしたので、ふと目を覚ますと、自分のベッドを囲むように覆うカーテン越しに、ぼんやりとした灯りが見えたのだそうです。

    それは、隣のベッドの枕元についている小さな照明器具の灯りだということは判ったのですが、そのベッドにはもう誰もいないはずなのに、どうしてライトが点いているのかAさんには奇妙でした。

    しかも、確かに誰かが隣のベッド付近にいる気配がするのです。

    かすかな息遣いまで聞こえて来たので、Aさんは、何となくベッドの脇のテーブルの上の置時計に目をやりました。

    時刻は、深夜の1時----。

    「きっと、看護婦さんが何か仕事でもしているんだわ」

    と、思い直し、そのまま、また眠りに落ちて行ったのでした。





    そして、翌早朝。

    Aさんは、朝の検温のため病室へ入って来た夜勤の看護婦さんに、

    「夜中の1時に、看護婦さんの誰かが隣のベッドで仕事をしていたようなんだけれど、何かあったの?」

    と、それとなく訊ねたところ、その看護婦さんは、そんなはずはないと笑い、その時間は、誰もこの病室には来ていないと答えたのだといいます。

    「Aさんの点滴は、わたしが深夜勤務についた直後の0時30分に確認しに来ているから----。それに、ここには他に患者さんもいないので、何か勘違いでもしたんじゃないの?」

    看護婦さんはそう言うと、足早に病室を出て行ってしまったのだそうです。

    でも、Aさんは、間違いなくその時、隣のベッドに人の気配を感じたのでした。

    Aさんは、何となく気味が悪くなり、その日のうちに別の病室へ引っ越させてもらったのだということでした。


隣のベッド



    
   
    

    

    
    

<今日のおまけ>

    今日は、病院で検査をしてもらいました。

    院内は、お父さんやお母さんに連れられた小さな子供たちが大勢いて、お盆の真っ最中でも看護師さんやスタッフさんたちは大忙しです。

    それにしても、日中の暑さはものすごいですね。

    涼しい病院内から一歩出たら、あまりの猛暑に息苦しくなりました。

    

    

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