見返してやる!・・・・・445

~ 今 日 の 雑 感 ~


見返してやる!



    三十代前半の女性が、心療内科診察室のドアをノックした。

    見返してやる!・・・・・445男性医師は、その女性に椅子をすすめて、話を聞きましょうと、促すと、女性は、最近嫌なことばかりが身辺に起きてイライラ感がおさまらないのだと言う。

    もう少し詳しく内容を聞くと、今まで同棲していた男性が、突然部屋を出て行ってしまったのだと、話した。

    「お前とは、もう一緒に暮らせない。お互い別べつの道を歩もう」

    恋人は、そう言うと、さっさと荷物をまとめて彼女の前から去ったのだという。どうやら、この男性にとっては、彼女はもはや利用価値のない女になったようである。

    「お前と一緒にいても、おれは少しも成長できないんだ」

    それが別れの理由であるらしい。彼女は、彼との結婚を真剣に考えていたこともあり、いきなり奈落の底へ突き落されたようなショックを受けて、彼が去った直後、マンションの部屋で睡眠薬自殺をはかったそうである。

    しかしながら、飲んだ量が少なかったことや、飲んだ後で、別れた彼にわざわざ携帯電話をかけたことなどもあって、マンションへ引き返した彼に発見され、病院へ運ばれて事なきを得たのだと話した。

    医師は、これを聞いて、彼女には本気で自殺する気などないことも判り、ここは、気持ちの中のうっ憤をすべて吐き出してもらうことが先決だと判断。単なる聞き役に徹したのである。

    彼女は、ひとしきり自分の運命を悲嘆したり、元恋人の悪口を散々並べたあげく、こう言ったのだという。

    「先生、わたし、いつか必ず彼を見返してやります」

    「見返すって、どうやって?」

    「彼よりもずっといい男を捉まえて、結婚するんです」

    「そうすれば、彼は、どう思うのかな?」

    「たぶん、悔しがりますよ、きっと。あの新郎の場所には、本当はおれが立つはずだったのに-----って」

    「なるほどね・・・・」

    だが、医師は、その時心の中で、呟いた。

    おそらく、元恋人は、そんな風には思わないだろうな。彼女と結婚するはめになった男性に、むしろ同情するのではないだろうか------と。

    そして、彼女もまた、その元恋人よりもいい男などとは、結婚などしないだろうし、そういう男性を捉まえることも出来ないだろう-----と。

    何故なら、彼女の中に「相手を見返したい」と、思いがある間は、彼女にとって最高の男は、元恋人以外にはいないからである。もしも、彼女が彼以外の男性と結婚する時は、彼女の心の中に、元恋人に対する真の意味での憐れみが生まれた時なのだろうと、医師は、考えたのであった。

    「早く、そういう素敵な男性が、あなたの前に現われるといいですね」

    医師が言うと、案の定、女性は、黙って俯いたまま、返事をしなかったという。

<今日のおまけ>

    人間の交友関係とは、実に興味深いものである。

    昨日まで、ベタベタと毎日のように話をしていた仲間同士が、あるイベントなどをきっかけに、プッツリと話をしなくなったりもする。そういう人間たちは、結局のところ元々縁のない関係だったということなのであろうが、その関係に振り回された周囲の者はいい面の皮である。

    まあ、最初から、彼らがうまくいくとは思えなかったが、当人同士には判らないことだったんだろうな。

    それにしても、ハタ迷惑な連中であった。face03

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この記事へのコメント
こんにちは
何故か私の中にもそんな気持ちがあったかもしれません。「見返してやる」ではないけれど
「後悔」してたらいいな・・・とかね。そうですか・・・元彼はそんなこと思いもしないですかね。
ふった女には興味はないか・・・そうかぁ。
十数年たってもやっぱりどこかにちょっと思い出してくれたらな・・・なんて思っている私はこの女性とどこか似ているかもしれません。。。
Posted by り・まんぼーり・まんぼー at 2010年03月23日 18:28
り・まんぼーさまへ>

 でも、り・まんぼーさんは、その彼よりも今のご主人の方が素敵な男性だと思ったので、結婚されたのでしょうから、未練はなかったのだと思います。
 もしも、未練があるのに相手を後悔させるためにご主人と結婚されていたのだとしたら、毎日、あんな楽しいブログは書けないでしょうからね。♫
 
 でも、ちょっとぐらい思い出してくれないかな?なんて考える気持ちも、判ります。
 女性には、多かれ少なかれ、元彼に「後悔して欲しい」って思う時は、ありますよね。----って、わたしには、元彼っていたのか?(~_~;)
Posted by ちよみちよみ at 2010年03月23日 19:43
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