街づくりの間違い・・・・・629

~ 今 日 の 雑 感 ~


街づくりの間違い


    
    『街づくり』と言えば、清々しい緑や広々とした石畳の街路を兼ね備え、真新しくおしゃれなレストランや喫茶店、ファッション関係の店舗などが整然と並ぶ様子を想像する人も多いと思います。

    道路幅も広く、解放感に満ちたタウン・スタイルは、正に未来志向の街づくりですよね。

    でも、それは、ただでさえ住民の多い都市部に適したもので、長野県のような田舎の小都市にはほとんど適さないものなのだと思います。

    まず、イメージして下さい。街づくりの間違い・・・・・629

    そういうおしゃれな街中に、モンペ姿の腰の曲がったおばあさんが立っている姿を-----。

    この二つの風景がマッチしていると思いますか?

    そして、そのおばあさんの気持ちを想像して下さい。おばあさんは、果たして街を安心して歩いているでしょうか?

    何か、困ったことがあっても、そんなおしゃれな店に助けを求めようという気持ちになりますか?広い道路を渡って、反対側のお店へ行きたくても、足が悪いから諦めようと思うのではないでしょうか。

    しかし、この街が道路も狭く、道の真ん中に細い川が流れていて、その脇には柳の木などが植えられ、川には小さな橋がかけられている。

    店と店の間は狭く、ごちゃごちゃとしたイメージだが、その軒先はアーケードでつながり、街中にいながら大きな家の中を歩いているような感覚だとなれば、このおばあさんは、おそらく実に安心した気持ちでそれらのお店で買い物も出来るのではないでしょうか?

    つまり、これが、かつて大勢の客でにぎわっていたの中野市の姿なのです。

    広く綺麗で近代的な街は、田舎の人たちの憧れです。

    でも、そういう街に毎日行ってみたいとは思わないはずです。

    温かみのある街づくりとはどういうものなのか?それは、一言で言って、「人の顔の見える街づくり」というものではないでしょうか。

    今の街づくりで、お隣の人の顔が見えますか?

    モンペ姿で風呂敷き包みを背負ったおばあさんが、その街の風景にマッチしますか?

    それが、答えです。

<今日のおまけ>

    かつての中野市街地の古臭く暗い街並みが、わたしは好きだった。

    各店の前に置かれていた錆びたベンチには、おばあさんたちの休憩する姿が良く似合った。

    何処にいても人の姿があり、学生たちは書店で立ち読みをしたり、パン屋の軒先で菓子パンをかじって談笑していた。

    如何にも田舎風の格好をしたおじさんやおばさん達が、気兼ねすることなく買い物を楽しみ、横断歩道など関係なく道路を挟んだ両側の店を、行き来していた。

    その時代の街は、もの凄く活気に満ちていた。

    今の中野市街地は、本当に美しい。まるで、パンフレットに出て来る景観モデル地区のようだ。

    しかし、街を歩くお客の姿はほどんどない。ベンチはあるが、誰も腰かけている人はいない。

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