偽物の記憶を持つ人々

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    昨日、『カフェパシャ』なるものについて観光客に訊かれたが、何をしているところかも判らないので知らないと答えた。

    最初は、「駅馬車?」と訊き直したくらいだ。空耳アワーだな・・・。(笑)

    で、今しがた某党の党員が、辻立ちで消費増税に賛成してしまったことへの言い訳を必死にして行った。

    景気が回復したら・・・とはいうが、どうも本人もそんなことは信じてはいないようだ。

    これで議席を減らしたら地方議員の責任が問われると懸命なのだろうが、それは覚悟の上での増税賛成なんだろう。
 
    今さら、何を慌てているのかと、失笑してしまった。(苦笑)

    



    コリン・ファレル主演の映画「トータル・リコール」ではないが、「偽記憶症候群」という病気があるという。

    多重人格(解離性同一性障害)という精神疾患の解明が進む中で見付けだされた現象だそうだが、患者は、実際には体験したこともない過去を、本物の記憶として信じ込んでいるのだそうだ。

    多重人格とは、患者が幼少期に受けた虐待から逃れたいばかりに、「今、虐待されているのは自分ではない。別の人間だ」と、思い込み現実逃避をする過程で、主人格の他に新たに作り出されてしまった、もう一人、もしくは数人の他人が、時々、主人格を押しのけて前面に表われてしまう現象なのだという。

    偽物の記憶を持つ人々しかし、患者本人は、幼少期の虐待を記憶の隅に追いやっているために、そのことを忘れている場合がある。

    そして、それを思い出そうとすると、記憶の呼び覚ましを疎外するべく、別人格が登場するのだという。そうやって、患者は自分の精神が破綻し兼ねない状況を、回避し続けるのだそうだ。

    治療は、その過去にひどい目に遭わされた酷い体験を思い出させることから始められるのだというが、そうやって過去に遭った真実と向き合うことで、多重人格は徐々に主人格に統一されても行くのだという。

    だが、そんな患者の中には、ようやく思い出した過去の酷い体験が、実はまったくの作りものだったという者もいるのだそうである。

    患者が嘘をついているわけではなく、本人はそれを真実の記憶だと本気で思い込んでいるのだから、精神科医たちもまんまと騙されてしまうのだそうだ。

    では、何故、患者は、そのような偽物の記憶を作り上げてしまうのだろうか?

    それは、おそらく幼少期の虐待以上に辛い現実にさらされていて、その現実に比べれば、まだ虐待の方がマシだとさえ思っているのではないかと推察されるのだという。

    では、虐待以上に辛い現実とは何なのか?

    それは、誰にも認められない深い孤独や、誰からも愛されないという激しい充足への渇望。

    「本当の自分は、こんな惨めな人間ではないはずだ」という自己否定が、ありもしない偽記憶を作り出し、自分は周囲から同情され注目されるべき存在なのであるということを暗黙下に訴えるのだそうである。

    だから、患者の別人格は、意見も満足に言えない主人格を軽蔑し、世の中を好き放題に生きている人物であり、その姿こそが、心理の深層に潜む患者本人の真の願望を形にしたものなのだという。


    この不況により自分の思い通りに生きられない人たちが大多数の日本では、偽記憶の中で生きることの方が楽だと思う者も少なくないはずである。

    「でも、わたしは、今とても幸せよ。だって、素敵な家族に囲まれているから・・・」

    そんな風に思い込んでいる人は、一度冷静になって自分の記憶をたどってみて欲しい。

    その記憶は、果たして本物なのだろうか----と。


<今日のおまけ>

    某問屋さんが話していたが、「渋温泉もお客はいるが、ほとんどお金を落とさない散歩客ばかりだ」という。

    人が集まっている場所も一、二箇所に決まっていて、旅館には連泊客もなく、温泉場全体の活性化には程遠い状態なのだとか。まったく、今年の夏は、どうかしていると、嘆いていた。

    ところで、偽記憶といえば、実はわたしの知り合いにも、他人の記憶を自分のもののように誤認してしまう癖のある女性がいる。

    若い時からの癖なのだが、たとえばその女性も一緒の席で誰かが楽しい旅行の思い出話をしたとすると、数日してその女性が、如何にも自分もその旅行に同行していたような口ぶりで、「あのお店の内装は、素敵だった」とか、「乗った電車が途中で急に止まった時は、ひやひやしたわ」などと、まるで自分が体験したかのように話すのである。

    「それって、この間聞いた話と同じだけれど、あなたも旅行へ行ったの?何処のホテルへ泊ったの?」

    そう突っ込まれて、彼女はようやく我に返ったかのように、それがどうやら自分の体験ではなかったことに気付くのである。しかし、おそらく、未だに彼女の中では半信半疑なのかもしれない。

    「あれ?あたし、旅行に行っていなかったのかな?」

    つい他人の記憶を共有してしまう癖のある人、あなたの周囲にもいるのではないだろうか?


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