本当の責任は誰にあるのか?

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    自称・ハーバード大学客員講師の森口尚史氏のips細胞臨床実用化疑惑だが、どうやらほぼ作り話だったということで落ち着きそうだ。

    森口氏の当時の行動を精査すれば、ips細胞を心筋に移植した一例目の手術を行なった翌日には日本に帰っていなくてはならないという矛盾が生じているということもあるそうで、先の発言を翻して、一例目の手術は昨年六月に行なったと、話したともいう。

    彼の記者会見の様子を観ていた心理学者の見解では、激しい貧乏ゆすりや目をつむっての応答の仕方からして、

    「一生懸命自分の頭の中で架空の想像を立ち上げているという状態。貧乏ゆすりは、早くこの会見を終わらせて、ここからいなくなりたいとの気持ちを表わしている」

    と、テレビ番組中で語っていた。本当の責任は誰にあるのか?

    しかし、森口氏は、どうして一連の問題が大ごとになる前、一部マスコミのインタビューを受けた時、

    「ああ、あれは読売新聞の勇み足ですよ。わたしは、冗談のつもりで話したのに、まさか一面トップに掲載するとは思わなかった」

    とでも、さっさと嘘を認めてしまっていれば、ここまで追い詰められることもなかったろうと思うのだが・・・。

    実際の経歴からすれば、保健衛生の分野では決して恥ずかしくない研究者の森口氏に、何がそこまで見栄を張らせたのかが疑問である。

    ともあれ、森口氏が今後何らかの罪に問われるのかは、素人のわたしなどには皆目分からないことだが、そんな素人なりにも不思議に思うのは、むしろ、読売新聞の記者が、どうしてこの一連のスクープ記事を取材する際、しっかりとした裏取りをしなかったのか----と、いうことの方である。

    マスコミ関係の仕事をしていれば、記者の手元には、毎日山のような情報があちらこちらから入って来る。

    それらの情報のどれが真実で、どれが嘘かを見抜き選別するのが、記者に課せられた大事な仕事のはずなのだ。

    よしんば真実であろうと思ったとしても、さらに多方面から検証をかけ、より本物であるという確信を得てからでなければ記事になど書けないのが普通だと思うのだが、この記事を上げた記者は、それほどまでも功名心に逸ったというのであろうか。

    この記事を読んで、暗闇に一縷の希望を見出した難病の患者の気持ちを思うと、実はぬか喜びだったと知ったのちの落胆は想像に難くない。

    この虚偽報道により社会を騒がせた本当の責任は、一体誰にあるのだろうか?

    もしも、読売新聞社側が当方も被害者だというようなコメントを出すようなことがあったとしたら、それは筋が違うように思うのだが・・・。

    

<今日のおまけ>

    レーズン入りホットケーキが好評だったので、また作ってみたのだが、今度は砂糖を多めに入れたために、

    焦げた・・・。orz

    今日は、寒くもなく暑くもなく、散歩日和だったので、いつものコースを歩いてみた。




    ところで、このips騒動ではないが、どうも近頃は、人々の間に「有名になりたい願望」が、かつてないほど高まっているように感じる。

    目立ちたがり屋は、いつの時代にもいるが、現代人のそれは程度が尋常ではない。

    そういう人々に共通するのは、自分を等身大以上に大きく見せようとすることである。

    そのために自ずと無理が生じ、今回の森口氏のように常軌を逸脱する行動を取り、世間の好奇の目にさらされる破目になってしまうか、精神的に限界が来てしまい病気になるかである。

    日本人にストレスを感じている人が多いという理由も、そんな極度に世間体を気にする国民性と関係があるのかもしれない。

       

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