ちょっと、一服・・・・・41

~ 今 日 の 雑 感 ~


歴女ブームについて



    南宜堂さんのブログにもありましたが、最近、「歴女(れきじょ)」なる言葉がマスコミ関係に頻繁に踊っています。

    これは、近頃、頓(とみ)に増殖してきた、歴史好きの女性たちを意味する最新の造語なのだということですが、そんな中でも、殊に、日本の戦国時代史に関心を持っている若い女性たちを指す言葉なのだそうです。

    そんな彼女たちの興味に火を付けたのは、おそらく、現在、NHK総合テレビで放送中の大河ドラマ「天地人」ではなかろうかと、思います。このテレビドラマの原作となったのは、平成十八年発表で、信濃毎日新聞に連載されていた歴史小説「天地人」なのですが、この原作を、今回ドラマ化するにあたり、主演の直江兼続役を、若い女性たちに人気のある俳優の妻夫木聡が演じているということが、まずは、女性たちのハートをつかみ、「歴女」なる物を出現させるきっかけとなったのではないかと、推察します。

    また、今回の大河ドラマは、明らかにそうした女性たちの視聴者を意識して作られているようで、これまでの、どちらかというと髭面の豪胆粗暴で血なまぐさい、如何にも猛者ぞろいという男臭い武将たちに扮した俳優陣が、徹底的に泥臭い芝居をしていた大河ドラマとは打って変わって、登場する俳優たちも極端に若く、スマートで、涙あり笑いありの清々しい戦国青春物に出来上がっているとのこと。そして、その主人公の直江兼続が、「愛」と記された前立付の筋兜を愛用していたというエピソードも、「歴女」たちに親近感や、ある意味恋心を覚えさせるアイテムの一つともなっているのかもしれません。ちょっと、一服・・・・・41

    しかし、その「愛」の字も、別に直江兼続が、一途に一人の女性を愛するためのメッセージとして選んでいた訳ではなく、ただ単純に、「愛宕明神」や「愛染明王」という軍神の力にすがることを意図して、その前立を付けていただけの話なのですが、彼女たちの想像は、そのような色気のないものをはるかに凌駕して、前立の「愛」は、主君・上杉景勝の「義」に対する永遠の忠義であり、果ては、「はがくれ」の武士道精神にまでも飛躍して、一種の妄想の域にまで達しているようなのです。

    「はがくれ」の説明は、ここでは、あえて触れずにおきますが、興味のある方は、調べてみて下さい。face02

    これは、今から数十年前に日本中の若い女性たちの間に、インフルエンザ感染の如く蔓延した、「新選組」現象にも似ているのもではないかと思います。でも、「歴女」たちは言うでしょう。「わたしたちは、『天地人』が始まる前から、各地の中小領地の主や、戦国武将には興味があったのよ。何も、いまさら、好きになった訳じゃァないわ」と-----。

    確かに、この頃は、漫画やコミック誌などでも、戦国武将者は人気のジャンルですからね。でも、その興味が、いったいいつまで続くでしょうか?たいていの「歴女」たちは、おそらく、来年の大河ドラマ「龍馬伝」(主演・福山雅治)が始まれば、また興味はそちらの方へ傾き、直江兼続など忘却の彼方-----と、いうことになってしまうのが関の山なのではないでしょうか?

    もしも、「そんなことはないわ!」と、断言できる「歴女」がおられるならば、これから何十年も、その興味を色褪せさせることなく、持続して行ってもらいたいものだと思います。


    でも、「歴女」たちが、騒ぎ出すことなど関係なく、直江兼続は、昔からずうっと歴史の中にいたのですけれどね。(^-^)

<今日のおまけ>    

    因みに、わたしは、今回の大河ドラマは、一度も観ていません。それは、原作があまり面白くなかったからですし、正直、もう、戦国物は食傷気味なのです。特に、大河は、初回こそ気合を入れてドラマ作りをしますが、その後は、ただ座って厳めしい顔で長々評定のセリフをしゃべるばかりのシーンの連続ですから、はっきりいって、飽きますし、スタジオも、狭さが如実に判る作りで、興醒めします。物語構成も、もっと何とかならないものかと、毎年裏切られる感じです。
    南宜堂さんのブログコメントにも書かせて頂きましたが、それならば、むしろ「あんみつ姫」の方が、なんぼか、面白かったですね。わたしのように、映画やテレビで、今まで、あまりに多くの時代物や歴史物を観て来てしまうと、現代の時代物がお粗末に思えてしまうこともまた、事実なのです。こういうような視聴者は、意外に多いのではないでしょうか。icon10

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この記事へのコメント
息子は歴男です。 
男なのでビジュアル云々ではないと思いますが、やはり戦国から江戸までのみ
大好きなのです。一人に興味を持つとどんどん繫がりに興味を持ち始めて 今じゃ
歴男になりました。興味が広がることはいいことですよね。親戚一同すら 覚えていないのに… ゲームからキャラクターを好きになっていくパターンでなかったのでよかったかな。。。
あれは 美化しすぎですよね。
みんなちんちくりん?だったのにね。
Posted by り・まんぼーり・まんぼー at 2009年05月17日 17:16
り・まんぼーさまへ>

 ご心配いただき、ありがとうございました。只今、復活いたしました。また、入院中も当ブログをお読み頂きまして、ありがとうございます。
 息子さんは、「歴男」君ですか。歴史好きの男性は、いいですね。知的なイメージがありますから。それに、歴史上の人物の生き方を学ぶということは、社会に出てからも、きっと様々な面で役に立つことでしょう。
 歴史は、おっしゃるように人間が作り出した生き様のつながりですから、興味を持ち始めると、ゴールがないんですよね。それが又、醍醐味なんですけれど。
 それにしても、現代の俳優さんが演じられると、みんな格好のいい武将になってしまいますよね。(笑)今で言うイケメン武将は、伊達政宗ぐらいな物だったのではないでしょうか?(^◇^)
Posted by ちよみちよみ at 2009年05月19日 11:46
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