車椅子で縄跳び・・・・・224

~ 今 日 の 雑 感 ~


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    わたしは、最近、あまり感動というものをしたことがない。昔は、かなりの感激屋で、スポーツでも、テレビドラマでも、映画でも、ちょっとしたことで熱中し、思わずウルウルしたこともあったが、今は、あの頃ほどののめり込み方は、とても出来ないし、色々なことに対しても関心が薄れているといっても過言ではない。

    ただ、世の中の理不尽に対する怒りの感情だけは、昔とさほど変わってはいない。だから、両親にもよく言われることは、「お前は、本当にいつも何かに怒っているね」と、いうことである。そう言われれば、確かにそうであるが、怒っている時ほど自分は、むしろ冷静になれるような気もしているのだ。

    しかし、先日、新聞を読んでいて、久しぶりに「よい記事を読んだ」と、思うものに出くわした。車椅子で縄跳び・・・・・224

    それは、信濃毎日新聞の社会面、いわゆる三面に掲載されていた、「児童の手紙、ルール変えた」の記事である。

    

    子供達が楽しみながらスポーツの記録を競い合う、長野県教育委員会主催の「ながのスポーツスタジアム」という企画で、そのうちの縄跳び競技に取り組んでいる、長野市松代小学校4年1組(26人)の児童が、車椅子の同級生も競技に参加できるようにルールの改正を求め、実現させたという内容であった。

    この「ながのスポーツスタジアム」とは、県教委が2008年秋に始めた、子供たちに運動の習慣をつけてもらおうという試みで、長縄跳びの「クラスで8の字ジャンプ」、キャッチボールを3分間に何回出来るかを競う「ボールパスラリー」、1分間の馬跳びの回数を数える「クラスで馬跳び」など、計六種目で、記録は県教委に報告し、ホームページに掲載されるというシステムになっているという。また、順位は定期的に更新されるという。

    この松代小学校4年1組の児童たちは、1学期から、5分間にクラス全員で順番に8の時回りに縄跳びをした回数を競う「クラスで8の字ジャンプ」の挑戦を開始し、苦手な人から先に跳んだり、前の人の背中に手を置いて飛ぶタイミングを知らせたりするなど工夫を凝らし、最高で313回を記録し、県内の他の小学校のクラスと1位争いを展開して来たのだという。

    しかし、6月に入り、児童の一人が、病気のため車椅子の生活をしている高野倖豪(ゆきたけ)君も、この長縄跳びに参加できないかと提案をし、いつも時間計測係を務めていた高野君も、クラスの児童たちと共に、「車椅子で縄をくぐっても、一回跳んだことにしてもらえませんか」と、県教委にルール改正を願い出たところ、県教委もその意見を快く採用したということであった。

    いつも、車椅子で計測係では、この高野君もやりきれなかったことだろうと思う。自分も、クラスの一員として、縄跳びに参加したいと思うのは、小学生なら当然のことであろう。

    しかし、このクラスの素晴らしいところは、そんな高野君の気持ちをしっかりと代弁できる子供がいるということだ。つまり、そのことに気付いた子供は、「自分が、高野君だったらどう思うだろう」と、いう想像力を働かせることが出来たのである。それはすなわち、人の立場になって考えるということの実践であり、人間として、最も必要不可欠な「思いやり」の精神に他ならない。

    しかも、その言葉を受けた高野君自身が、「自分もやりたい」と、しっかりとした自己の意志表示をすることが出来る子供だということである。彼には、自分を主張するという大切な自我が確立されている証なのだ。

    もしも、ここで、高野君が、「ぼく、どっちでもいい」というような反応をしていたら、このルール改正は実現できなかったろうと考える。

    こうした自分の気持ちをしっかりと口に出せる子供を育んだ、彼らの親御さん、担任の先生たちなど、児童たちを取り巻く大人たちの努力と献身には、頭が下がる思いである。

    子供は、親の鏡というが、正に、世の中の大人たちの鏡でもあるのだ。素敵な大人たちのいる周りには、素晴らしい子供たちがいる。久しぶりに、さわやかな一陣の風を感じる記事であったと思う。icon21

<今日のおまけ>

    このごろ、日暮れがやけに早いですよね。

    何故なんでしょう?十数年前までは、今の時季でも、これほど早く日が暮れることはなかったような気がするのですが・・・・。これも、地球温暖化の影響なのでしょうか?

    夕焼けも、昔は、あんなどんよりとした赤ではなく、もっとギラギラとした眩しいくらいの物だったと記憶しているのですが・・・・。空気にも、常に臭いがあり、かつての透明感が失われているように感じます。

    何か、地球がおかしい------。そんな気がする、秋です。


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