嘘も方便とはいうが・・・・・231

~ 今 日 の 雑 感 ~


嘘も方便とはいうが



    よく世間では、「嘘も方便」とは言いますが、やはり、こういう場合には、本当のことを言っておいた方が、あとあと苦労しなくても済むのではないかということも多々あると思います。

    これは、自称美人女将さんのブログへのコメントにも書いたのですが、わたしの家のお隣のおじいさんが、ある時から姿が見えなくなりました。心配したわたしの母が、

    「旦那さん、どうかされたんですか?」嘘も方便とはいうが・・・・・231

    と、奥さんに訊ねた時、彼女は、平然と、

    「実は、主人、ヨーロッパへ旅行に行っているの。なんでも、ロマンチック街道というところを見て来るんですって。ロアール渓谷や、あの有名な白鳥城なんかへも行くそうよ」

    「白鳥城って、あのノイッシュバンシュタイン城のことですよね。いいですね~。羨ましい」

    母は、そのことをわたしにも話してくれたので、わたしも、それを疑いませんでした。ところが、しばらくして、近所の主婦がわたしの家に来た時、偶然、お隣のご主人の話題が出て、母が、何気に、

    「お隣は、今ヨーロッパ旅行中なんですってね。ルードウィッヒ2世の例のノイッシュバンシュタインへも行くんですって」

    と、言ったところ、その主婦は、大声を出して笑い、

    「何言ってんの、奥さん。あのおじいさん、今病院へ入院しているのよ。胃癌で手術したんですって。やだ~、あの奥さん、そんなこと言ってんの?実は、わたしの親戚があのおじいさんと同じ病室なのよ。だから、わたし、実際この目で見ているんだから、間違いないわ」

    母は、それを聞いてびっくりし、それなら、どうしてあんな嘘をついているのかしら?----と、言うと、主婦は、

    「あの奥さん、あまり近所で評判良くないでしょ。意地悪で、いつも人の悪口ばかり周りの人たちにふれまわっていて。だから、ご主人が病気で入院したなんて判ったら、『そら見たことか、罰が当たったんだ』なんて笑われるのが嫌で、嘘をついたんだと思う。それにしても、ヨーロッパ旅行とは、見栄を張ったよね。せめて、国内旅行ぐらいにしておけばいいのに」

    「それなら、お見舞いぐらい差し上げた方が・・・・・」

    「やめておきなさいよ。相手がヨーロッパ旅行だって言っているんだから、それでいいじゃない。ご主人が退院してきたら、奥さんに、ご旅行はどうでした?って訊いてやろ」

    主婦は、面白そうに笑いながら帰って行きました。

    確かに、おじいさんが退院して来ても、お隣の奥さんは、決して入院のことは話しませんでした。あくまでも、ヨーロッパ旅行で押し通すのです。そのためか、おじいさんの方が恥ずかしくなってしまったのか、それからほとんど家から出なくなりました。しかし、さすがに、後ろめたい思いがあったのか、手術から一年も経って、わたしの父に、それとなく話したのだそうです。

    「実は、わたし、あの時、癌で入院していましてね。女房が変なことを言ってご迷惑かけたそうで、申し訳ありませんでした」

    父は、母から聞いて訳を知っていましたが、「ああ、そうだったんですか。まあ、入院なんて、そうそう他人に知らせたい人ばかりじゃないですからね」と、返事をしておいたそうです。

    おそらく、おじいさんは、この一年間、奥さんのいい加減なヨーロッパ旅行発言にほとほと悩んでいたのだと思います。きっと、何処へ行っても、ヨーロッパはどうだったか?ロマンチック街道はよかったか?などと、訊ねられたのだと思います。

    父にそう言われて、おじいさんはほっとしていたようですが、当の奥さんは、近所の人たちに、

    「ご主人、入院していたんですってね。今は、もういいんですか?」

    などと訊ねられても、ものすごく不機嫌な顔になり、

    「そうだったかしら?忘れたわ」

    と、とぼける始末で、話にもならないのだとか。見栄のために嘘をついても、いつかはバレるものですし、いったん嘘をつくと、その嘘をつき通すために、また嘘を上塗りしなくてはならなくなるものです。そして、最終的には、自分でも身動きとれなくなり、この奥さんのように、みっともなく開き直らねばならないことにもなるのです。

    そんなご主人も、昨年亡くなり、この奥さんは、現在認知症で養護老人施設へ入りました。でも、この認知症も、何処まで本当なのか、判らないと、近所の人たちは噂しています。もともと、家事をするのも嫌いで、いつも高級な和服を着て、旅行や高級レストランなどを渡り歩いていた女性でしたから、おかしなプライドがあり、嘘つき呼ばわりされながらそこに住み続ける気にならなくなったのかもしれません。

    嘘も方便とはいいますが、やはり、本当のことを言わねばならない時もあるということを、改めて思い知らされた一件でした。

<今日のおまけ>

    宮崎、鹿児島両県にまたがる韓国(からくに)岳(標高1700メートル)で、家族5人で登山中に行方不明になった宮崎市大坪西、同市職員、宮田康史さん(40)の長男、将希(まさき)君(11)=宮崎市立大淀小5年=の遺体が2日、捜索中の消防団員らにより見つかった。(毎日新聞)



    また、子供が関係する痛ましい事件が起きてしまいました。

    家族との楽しいはずの登山が、一転、悲劇の結末を迎えてしまったのです。将希くんは、登山中、山頂を目指して、独り先に山を登って行ってしまったのだといいます。しかし、家族が韓国岳山頂へついても、将希君の姿が見えず、捜索願を出したのですが、11月2日、避難小屋から約500メートル離れた地点で倒れているところを心肺停止状態で発見され、病院へ搬送されましたが、その後、死亡が確認されたとのことでした。

    父親は、1日の捜索が打ち切りになった時点で、今夜一晩の寒さを耐えて欲しいと、涙ながらに語っていましたが、その願いは届きませんでした。

    子供は、大人よりも瞬発力もあり、突然、思いもかけない行動をとります。前にも、小学校の登山遠足で、別行動をした児童が一人行方不明になってしまったという事件がありました。

    今回もいったい将希君に何があったのか?警察は、しっかりと詳細な部分についてまで、確認調査をするべきだと思います。



    最近、わたしのブログのみに、ピンポイントで迷惑メールが入ることが多くなりました。入った瞬間に見付けて、ご近所のブログも見てみるのですが、他のブログに同じようなメールは入っていません。

    しかも、認証文字設定をしているにもかかわらず、手間暇かかるメールを入れる訳ですから、明らかに、このブログを狙った嫌がらせでしょう。---と、なれば、入れる人間は、限られてきます。

    それも、わたしがある問題に関係する記事を書いた時にのみ、この嫌がらせは起きますから、書き込んだ人間は、名前を公表しているも同じことです。

    あなたが、こういうことをしていることを知っているのは、既にわたしだけではないことを承知のうえで書くなら書きなさい。

    あなたのことは、もはや、他のブロガーたちにも周知の事実なんですからね。本当に、いい年をして、恥を知りなさい!!



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