近頃気になること

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    このところ、テレビコマーシャルを観ていると、少し気になる言葉がある。

    それは、「ギュッ!」という言葉だ。

    シチューのコマーシャルでは、「おいしさギュッ!」「ぬくもりギュッ!」と、言っていて、ある自動車のコマーシャルでも、やはり同じく「ギュッ!」を連発しているのだ。

    他にも有名子役を起用して、この「ギュッ!」を使っているテレビCMがある。

    ここまで「ギュッ!」を連日聴き続けると、この表現の裏に何か経済界や産業界の特別な思惑があるのではないかと、疑いたくなってしまう。

    この「ギュッ!」という表現は、文字通り人や物が縮こまる意味を持っているわけで、良い方へ考えれば連帯感とか協調、結束、温かさ、思いやりなどを連想させる言葉だといえよう。

    しかし、一方、あまり良くない方へ考えると、束縛、固執、頑固、行動的でないというような感覚にとらわれる言葉だともいえる。

    3月11日の東日本大震災から早八ヶ月が経ち、今も多くの日本人の気持ちは国外よりも国内へ向いているといっても良いだろう。

    国際社会へ目を向ける余裕などなく、自分の足元の生活地盤を固めることに精一杯なのが現状である。

    そんな人々の内向きな気持ちに殊更に心地よくひびくのが、この安心感を詰め込んだ「ギュッ!」なのではないのだろうか。

    映画やテレビドラマでさえ一頃の海外物一辺倒から、国産の映像へと国民の視点が移り始めている。

    日本人の底力を鼓舞する南極冒険物や家族愛物が視聴者に受けるのも、今こそ日本人は日本人としての誇りや愛に回帰するべきなのだというコンセプトが、制作者の意識の中に強く反映しているからだとも思われる。

    言わば、その象徴的表現が、「ギュッ!」なのである。

    テレビが視聴者に向かって、「ギュッ!」を言い続ける理由は何なのか?

    国民の目を内に向けておくために唱える、ある種の呪文なのではないだろうか?

    そんな穿った見方さえしてしまいそうな、昨今のテレビCMである。

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<今日のおまけ>

    『DOCTORS~最強の名医~』----手術シーンがやたらリアルで、ストーリーよりもそちらの方に重きが置かれているようなドラマに思える。

    反面、それ以外の場面は何処かリアリティーに欠ける気がして、病院を立て直すためとはいえ、伊藤蘭演じる内科医の再就職口を勝手につぶしてまで引きとめようとする主人公・相良にも、不自然さが拭えない。近頃気になること

    「少しぐらい仕事がお粗末でも、笑顔の素敵な看護師の方が患者は嬉しいものだ」というような相良の台詞も、やや極端すぎるような気がするのだが・・・。

    そんな中、相良に徹底的な敵意をむきだす高嶋政伸演じるエリート外科医の滑稽でさえある悪役ぶりには、毎回脱帽だ。

    伊藤蘭演じる内科医と相良の仲を疑うデバガメぶりも面白い。

    また、デートに現われない高泉医師に向かい、「当直なんてどうして引き受けたのよ!?」と、なじる彼女(婚約者)には、観ていて素直にムカついた。(>_<)

    


    

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