「幸福」という言葉の恐ろしさ

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    「今、自分は幸福だ」と、答える若者が増えているという記事を読んだ。

    1990年辺りから、「自分は幸福だ」という10代、20代の若者が増えているというのである。

    「幸福」という言葉の恐ろしさかつては、「あなたは幸福ですか?」の質問に対して、老人たちの中に「自分は幸せだ」と答える人が多かったのだそうだが、今や、老人と若者が同じ答え方をしているのだそうだ。

    老人が「自分は幸せだ」と答えることには、いつの時代にも同様の理由があるという。

    それは、人生の終わりにさしかかり、自分は不幸だなどとは思いたくないという気持ちから、ほとんどの老人がそう答えるのだそうだ。

    しかし、これから未来のある若者までが、今は「自分は幸福だ」と答える。

    記事の筆者は、ここにこそ現代社会が持つ深刻な闇が浮き彫りになっているのだという。

    何故、これほど不況にあえぐ時代を生きながら、若者たちは幸福感を持てるのだろうか?

    それは、裏を返せば、社会の将来に夢を懐くことが出来ない若者が急増している証拠なのだそうだ。

    たとえば、希望や理想を追い求めている人に、「あなたは今幸せか?」と聞けば、「いや、幸せではない。自分はもっと上を目指せるはずだ」と、答えるはずである。

    しかし、希望や理想を持たない人、もしくは夢を諦めた人は、今の自分で満足するしか方法がないのである。

    戦時中の子供たちは、甘いお菓子の味を知らなかった。だが、そういう自分たちを少しも不幸だとは思わなかった。

    子供たちを可哀そうだと思っていたのは、甘いお菓子の味を知っている大人たちの方だったのである。

    幸福を知らない子供は、自分が不幸であることに気付かない。

    正に、それと同じような現象が、既に20年近くも前からこの日本をむしばんで来ているのである。

    筆者は、こうした若者たちの「幸福だ」という言葉こそが不幸社会を象徴しているのだと説く。

    不幸すぎるからこそ、「自分は幸福だ」と答えなければ生きて行けない恐るべき矛盾を抱えている人々が、今後の日本を支えるしかないのである。

    

<今日のおまけ>

    「バナナは身体に良い」というテレビ番組を観ていた父親が、畑へ行った帰りに立ち寄ったコンビニで大量にバナナを買って来た。

    この間は、「高齢者が夏を乗り切るには牛乳を飲め」と、いう番組を観て、パック入りの牛乳を何本も買って来た。

    テレビの健康番組に感化されやすい性格のようだ。

    とはいっても、高価なサプリメントなどには見向きもしない。

    その辺りは、実に堅実である。icon22



    で、大阪府泉佐野市の千代松大耕(ちよまつ・ひろやす)市長は27日、犬や猫のふんの放置 対策の財源として「犬税」(仮称)を導入する検討を始めたことを明らかにした。----とか。

    ホント、犬のフン害にはわたしも以前大変な目に遭ったので、目に余るほどひどい場合は、こういう税金も必要だと思う。

    この犬税が導入されたとして、もちろん、税金を支払うのだから何処でもフンをさせて構わない----などと思う不心得者は、よもや現れないとは思うが(もしも自宅の敷地外でフンをさせ、放置したことが判明した場合は、次回の犬税を法外な金額にして徴収すればいい)、人間さまがご飯を頂くのも大変な時代、ペットを飼うということはそれだけ家計に余裕がある証拠なのだから、多少の協力はやむを得ないのではないだろうか。

    「犬税ではなく、飼い犬のための散歩道や公園を整備したらどうか?」との意見もあるやに聞くが、その散歩道や公園だけを使用する飼い主などまずいないだろう。

    その散歩道や公園まで連れて行く間にも、フンをさせることはあるはずだからだ。

    それに、生活保護費をもらう人がこれほど増えているご時世に、ただ犬の散歩のためだけに住民の貴重な税金を投入するなど、本末転倒も甚だしい。

    長野県内でも、これはさっそく検討に値する政策ではないかと思う。

    因みに、長野県の四賀村には、昭和57年の3月までこの犬税があったそうだ。
    

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