部活と社会体育・・・?

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    長野県内の公立中学校での運動部の部活は、学校側が管理できる部活時間帯と、部員の保護者で運営する社会体育という時間帯が合体して成り立っているのだそうである。

    わたしが中学生の頃とは、部活の仕組みがかなり違っていることに驚いた。

    要するに、長野県内の中学校の運動部は、主に平日に行なう部活と、その延長で冬場や祝祭日、夜間などに活動する部活とでは、部活動の管理者が異なるというのである。

    社会体育時間帯は、保護者らで作る組織が実質運営し、練習時間が限られる学校側運営の部活時間帯を補うのだそうだ。

    これは、長野県独自の仕組みだそうで、学校側が部活時間外に発生するさまざまなトラブルやアクシデントの責任をある程度回避できるというメリットもあるのだろうが、部員の保護者同士の関係がより密になることで、逆に多くの問題点も浮き彫りになってきているようである。

    (運動部の朝練といい、この社会体育時間といい、長野県には他県とは違う教育システムが幾つかあるようだ)

    たとえば、保護者の中には社会体育運営費を支払う経済的余裕がなかったり、仕事の都合で保護者当番活動に協力出来ないという人もいて、社会体育への参加が無理ということになれば、その保護者の子供も必然的に部活外時間には部活が出来なくなるということになる。

    土曜日は午前中の部活動は許されているのだが、午後に練習試合が組まれてしまった場合、社会体育に参加していない保護者を持つ生徒は、必然的にその練習試合には出場出来ないという理屈になる。

    生徒が保護者の管理下にないという理由からのようだ。

    新聞記事には、こうした仕組みに疑問を懐いたある母親(社会体育不参加当事者ではない)が、「こういう子供の気持ちに負担をかけるようなシステムは改善するべきでは?親が社会体育に参加していようがいまいが、生徒は試合に出すべきではないか?」と、訴えたところ、学校側から、

    「一部の社会体育不参加の家庭の部員が練習試合に参加出来ないということは、部員間の不平等にあたるので、今回は土曜午後の練習試合そのものへの出場を辞退します」

    との趣旨の連絡が、保護者会に入ったということが書かれてあった。

    母親は、練習試合の中止まで求めていたわけではなく、「出場出来ない生徒がいるのはどうかと思う」と、言いたかっただけなのだそうだが、学校側からは「出場出来ない生徒がいるのは好ましくない」との説明があり、保護者間には、この母親が練習試合を中止させた----と受け止められてしまったのだそうである。

    近頃の保護者は、とにかく強い。

    また、少子化のせいもあってか、親の子供に対する関心が異常に高まっているといえる。

    親の中には、毎日のように学校へ出向き、教師が我が子にどのような接し方をしているのか監視する者もいるそうだ。(こうした親の心理の根っこの部分には、子供がどうこうというよりは、親自身が社会的に認められたいという自意識が働いているのだそうだが・・・)

    学校側があえて社会体育などという時間帯を設けなければならなくなったのも、保護者からの監視や圧力が強すぎるために、ついには部活の責任の分割を考えざるを得なくなったためであろう。

    万が一事故や事件があった際、何もかも学校のせいにされてはたまらないという、学校側の防衛心がこのシステムには垣間見られる。

    子供たちは誰しも純粋にスポーツが好きで部活に参加している。

    学校側の都合や、親の虚栄心などには振り回されたくはないというのが、本音だろう。

    つまりは、学校側に望むことは、当然のことながら安全で健全な部活運営と指導であり、保護者に大切なことは、「労力や金を惜しまず、しかしながら必要以上の過干渉は控えろ」ということなのではないだろうか。

    学校も親も、そして指導にあたるコーチや監督までもが、心底では互いへの懐疑心を払拭し切れないでいることが、結果的に部員である子供たちへの実質的弊害を引き起こしていると考えてもよさそうだ。

部活と社会体育・・・?


    


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