本当の親切とは・・・・・396

~ 今 日 の 雑 感 ~


本当の親切とは・・・・



    わたしは、最近、ようやく共同浴場へ一人で入ることが出来るようになりました。

    共同浴場へ行けるようになったのは、かれこれ三年ぶりのことです。その間は、ずうっと自宅の家庭風呂に入っていたのですが、二年前の入院前後の頃は、ほぼ寝たきりのような状態だったものですから、自分一人で身体を洗うことなど出来るはずもなく、母に頼るしかありませんでした。

    本当の親切とは・・・・・396正に、要介護状態です。

    退院して来てからも、身体はほとんど動かず、足は極度の浮腫みで丸太のような有様。もちろん、独りで歩くことも危ういほどですから、洗髪は、ご近所の理容院でお願いしていました。

    その理容院では、わたしのためにフット・バスを用意して下さり、家へ帰る時も、手を引いて送って下さったりと、本当によくして頂きました。

    そんなどうしようもない状態から、少しずつ身体も動かせるようになり、最近になって何とか共同浴場の温泉へ入ることが出来るようになったのです。母は、重労働のお風呂掃除から解放され、父は、水道代が安くなったと、喜んでいます。(笑)

    しかし、それでも、まだ足の浮腫みが完全に治っている訳ではないので、浴室で五分と正座は出来ません。ですから、洗髪は湯船につかったままですし、身体を洗う時も、大変な思いで洗っているのです。

    しかも、わたしの他に入浴している人がいる時などは、身体を洗う場所も狭く限られてしまうので、膝や脛(すね)などが圧迫され、アザが出来てしまうことすらあるのです。

    ところが、そんなわたしの動きの鈍さを心配されてか、ご近所の一人の女性が、声をかけて下さいました。

    「背中、流しましょうね」

    わたしは、いったんは遠慮しましたが、その女性は、わたしのタオルに石鹸を泡立て、背中を洗って下さったのです。背中は、手の届きにくい場所ですから、力を入れてしっかりと洗うということが今のわたしには出来ません。

    ですから、本当に、さっぱりとした気持ちになり、とてもありがたかったです。そして、その女性は、わたしがほぼ寝たきりだった時も、痛む膝を庇いながらも歩いて買い物をしなければならなかった母を見兼ねて、

    「何か欲しいものがあったら、紙に書き出しておいてください。わたし、買ってきますから-----」

    と、まで言って下さったこともありました。

    わたしが、このような身体になって、確かに毎日が大変ではありますが、こうしたご近所の人たちの思いがけない親切に接することが出来た経験は、何物にも代えがたい幸運だったと思うのです。

    「大変ね。がんばってね」-----言葉では、誰しも言うことは簡単です。でも、いざ、行動を伴うことが出来るかといえば、それはやはり難しいことです。

    それを、まるで自分の家族のことのように、さりげなく手を差し伸べられるという人たちの勇気と優しさには、親切にして頂いているわたしの方が驚きであり、頭が下がる思いでした。

    本当の親切とは何か-----?

    それは、決して、やってやるという押し売りではなく、相手に気付かせないほどの何気ない勇気なのではないかと、思うこの頃です。face01

<今日のおまけ>

    人間の価値観とは、かくも違うものかという例が、新聞に掲載されていた。

    ある女性は、小説を書き、新人賞を取ったのだが、それはとても価値のあることだと思って、友人に自慢げに話した。

    しかし、友人は、「へ~、すごいね。おめでとう」と、いう、彼女の想定とは全く異なる反応を返したのである。

    「なんで?何のために、そんなのを書いたの?」

    女性は、戸惑い、「え・・・と、書きたいから書いただけだよ・・・・」としか答えられなかったというのである。

    つまり、人の関心は十人十色。ある人にとってはもの凄く価値のある物でも、別の人には、紙くず同然ということもあるのだ。わたしも、時々、そうした感覚に出くわす。

    「どうして、そんなに仲間が欲しいの・・・・?」----と。face03

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この記事へのコメント
本日、頭に被っていたものを外しました。

周りの人って別に気にしていないんですね・・・
今までに無い長い時間鏡の前でセットを頑張ったのに・・・><
自分だけが、大丈夫かなぁ~???と心配していた事が馬鹿みたいでした・・・><


ちょっとでも・・・可愛ぃ~!!!
と言う言葉を期待していた私が愚か者でしたね・・・~~
可愛ぃ~と言われる年でもないのですが・・・(苦笑)
旦那には森三中の大島だって言われるし・・・
全く!!!


十人十色です・・・~~
Posted by 自称 美人女将自称 美人女将 at 2010年02月17日 10:35
自称 美人女将さまへ>

 かぶり物、とられたんですね。
 おめでとうございます!

 髪なんてどうでもいいじゃない---みたいに男の人は言いますけれど、女性には切実な問題ですよね。
 わたしも、術後、ホルモンの加減でどんどん抜け始めてしまい、びっくりして担当医に話したのですが、「命が助かったんだから」ぐらいの反応で・・・。
 すると、女性薬剤師さんや看護師さんが、先生に、「そういうものじゃないでしょ!」と、説明して下さり、お薬を処方して頂けました。今は、しっかり生えています。

 それにしても、周囲の反応がもう少しあってもいいですよね~。
 他人て、案外、無関心なものなんですよね。自分が思っているほどじゃないことって、多いものです。
 みんな、自分の生活の方が大事で、他人のことまで気にしてはいられないんでしょうね。
 とはいえ、森三中の大島は、ちょっとシュールですねェ。でも、女将さんは、べリーショート似合うと思いますよ。(・‿・)!!
 
Posted by ちよみちよみ at 2010年02月17日 12:26
こんばんは。安東満です。

このたび、「乳がんセルフチェック・実践編」を未成年に不適切と報告した人間と、それを動画に表示するYouTube相手に、バトルを始めることにしました。

病気というもの、乳がんというものを、どう考えているのか、問い直したいと思います。

そのため、ブログを始めました。
http://mitsuruando.blog48.fc2.com/

バトルのたびに始まる私のブログですが、よろしければ、ご覧ください。
Posted by 安東満 at 2010年02月17日 19:58
安東 満先生へ>

 こんばんは。
 コメント、ありがとうございます!
 
 さっそく、先生の新しいブログを読ませて頂きました。
 本当に、おっしゃる通り、未成年者が病気にならないと誰が決められるのでしょうか?表向きのモラルばかりに目を向けて、物事の本質を見ていない人が世の中には多すぎるように思います。

 また、先生のブログが読めると思うと、ワクワクします。
 先生の歯に衣着せぬ文章を楽しみにされている読者の方たちも多いことでしょうが、多忙なお身体のご負担にならない範囲で、ご執筆ください。

 今後とも、よろしくお願いいたします。
Posted by ちよみちよみ at 2010年02月17日 20:57
先程、安東先生のブログを見ました^-^

賛同します!!!とコメントを入れちゃいました!!!


このような事が問題になるなんて・・・
変な世の中でとても嫌です!!!
Posted by 自称 美人女将自称 美人女将 at 2010年02月18日 11:20
自称 美人女将さまへ>

 今、安東先生のブログを読ませていただいていましたら、女将さんのコメントを見つけました。♪

 人間誰しも、自分だけはそんな病気とは関係ないと、思いがちですから、健康な時は、病気の人のことなど、「厄介な連中だ」ぐらいにしか思わないんですよね。
 でも、いくら自分が健康でも、身内にそういう病気を抱えている人がいれば、少しでも医療の知識を得たいと思う人だっているはずですし、そういう人たちのためにも、医師の的確なアドバイスは、不可欠なものだと思うのです。

 さまざまな民間療法や素人医学が氾濫している現代だからこそ、現役のお医者さまの意見は、貴重なものなのではないでしょうか?
 
Posted by ちよみちよみ at 2010年02月18日 12:44
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