偉大なるマンネリズム・・・・・491

~ 今 日 の 雑 感 ~


偉大なるマンネリズム



    マンネリズムという言葉で真っ先に思い出すのは、わたしの場合テレビドラマの時代劇「水戸黄門」です。

    この番組は、いったいいつまで続くのかと思うほど、俳優を入れ替えながらも延々と放送し続けられていますよね。

    若い視聴者にとってみれば、毎度毎度のストーリーに変わりばえもなく、役者の台詞までが何十年経っても同じという、世界にも類を見ない不思議なドラマでもあります。偉大なるマンネリズム・・・・・491

    ドラマの中でも彼らはまったく年を取らず、いつまでも諸国を漫遊し続けます。

    正に、「偉大なるマンネリズム」の栄冠にふさわしい物語といえるでしょう。

    しかし、この「水戸黄門」シリーズも一度だけ、このマンネリから脱却をはかったことがありました。それは、石坂浩二氏が主演したシリーズでした。石坂氏は、歴史に出来るだけ則した形での水戸黄門像を目指し、大名はひげを生やさないというセオリーから水戸光圀のトレードマークでもあるあごひげをなくし、助さん、格さんも史実に基づいて武士ではなく学者としました。

    さらに、十六歳で江戸の遊郭へ通っていたという光圀らしく、住まいは側室宅。諸国漫遊も、水戸から少し離れた地域までと限定しました。

    ところが、この「水戸黄門」が放送されるや、視聴者からまず飛び出した反応は、「俳優が一新して、誰が誰やら判らない」「風車の弥七は、いつ出てくるのか?」「格さんと助さんが逆ではないか?」というような、戸惑いの声だったそうです。

    わたしも、これを観ていて、確かにこれは視聴者が勘違いするのも仕方がないなァと、思いました。

    如何に史実に近いストーリー構成だといっても、これまでこのシリーズを見続けて来たファンの目には、まったく異質のドラマとしか映らなかったのです。

    しかも、このドラマを常に視聴していたファン層は、明らかに年配者であり、石坂浩二氏が若い視聴者の獲得を意識して新しい水戸黄門像を模索したことも裏目に出てしまったのでした。

    新しいファンの獲得も難しく、ストーリーが判らないという年配者のファンも逃がしては、元も子もありません。途中から光圀のあごひげは復活しましたが、やはり、一度離れたファンは簡単には戻らず、このシリーズは早々に幕を閉じてしまったのです。

    しかし、どうしてこれほど高齢者ファンは、石坂「水戸黄門」にあからさまな拒否反応を示したのでしょうか?

    ある実験では、石坂黄門以外の「水戸黄門」と、普通の恋愛ドラマを観てもらい高齢者たちの脳の血流を調べたところ、明らかに「水戸黄門」の方が脳が活性化しているという結果が出たそうです。

    それも、いつもの決まりきった由美かおるの入浴シーンとか、風車の弥七の登場シーンとかが出てくると、その脳の活性化は一段と高くなり、最後の印籠を出す場面では、それがピークに達したというのです。

    つまり、高齢者たちは、「水戸黄門」に興奮し、感動し、脳細胞を若返らせていたのです。

    しかも、ストーリー展開が判りやすく、ある程度次の場面も予測が出来、人情あり笑いあり、また立ち回りなどの適度な刺激もありながら、安心して観ることが出来る「水戸黄門」は、認知症の予防効果さえあったといってもいいのです。

    そういう意味からすると、石坂黄門は、高齢者にとっては「水戸黄門」でさえなかったということなのです。

    高齢になればなるほど、新しい物を面倒くさがったり拒絶したりすることが多くなります。

    何の心配もない毎日を、たとえそれが退屈であろうと、変えたいとは思わなくなるのです。

    「偉大なるマンネリズム」こそが、高齢者にとって長生きの秘訣なのかもしれません。face02

    

<今日のおまけ>

    これが、四月半ばの光景とはとても思えませんよね。

    今日の雪景色です。face08偉大なるマンネリズム・・・・・491

    

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この記事へのコメント
四月半ばの雪には、驚きでしたね。
まあ、雪の中の桜を見ることができたのは良かったですが。

何も心配のない毎日を変えたくない。
まさに、それが高齢者の気持ちなのでしょう。

水戸黄門は、僕らが観ていても安心してみていられますから、高齢者はなおさらでしょう。

認知症にも効果があるなら、素晴らしい
ドラマ?といえるのでしょう。
まさに、偉大なるマンネリズムということでしょう。
Posted by コミ at 2010年04月18日 21:37
コミさまへ>

 この雪景色には驚かされました。
 この時季に雪が積もるなど、本当に珍しいの一言ですね。三月は、異常に暖かい日がありましたから、その反動でしょうか?日照不足も気になるところです。
 でも、雪と桜のコントラストは美しいものですね。

 高齢者の方たちの気持ちは、特別嬉しいことなどなくてもいいから、怖いことや心配なことは起きて欲しくないと、いうものだと思います。ですから、ストーリー展開が最初から判る「水戸黄門」の脚本は、高齢者にとっては、実に良い作られ方をしていると思われるのです。
 これからも、この「偉大なるマンネリズム」の傑作は、日本に高齢者がいるかぎり続いて行くのでしょうね。
Posted by ちよみちよみ at 2010年04月18日 22:57
はじめまして、有水です。はじめて、書き込みをしました。
Posted by 有水 at 2010年04月25日 20:27
有水さまへ>

 初めまして。
 当ブログをお読み頂き、ありがとうございます。屁理屈、小理屈だらけのブログですが、よろしくお願いいたします。
Posted by ちよみちよみ at 2010年04月25日 21:09
大変興味深い分析ですね。
いまマンネリズムについて調べております。
マンネリとは”日常”だと考えれば
誰しも大きな変化を望まないのだと
思います。
ところで文中の「ある実験」について
どのような機関の実験なのか
是非 ご教授ください。

何卒 よろしくお願いいたします。
Posted by adonis at 2014年10月20日 11:15
adonis さまへ>

 こんにちは。
 この記事は、かなり前に書いたものですので、わたし自身の記憶も定かでないのですが、確か過日の某テレビ番組中でなされていた実験だったと思います。いつどんな番組だったのかなどの詳しいことは、分かりません。お役に立てず、申し訳ありません。
Posted by ちよみちよみ at 2014年10月29日 17:14
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