(笑)の考察・・・・・577

~ 今 日 の 雑 感 ~


(笑)の考察



   
    では、質問です。

    次の二つのメールの文章のうち、真実を伝えているのはどちらでしょうか?


    1) 昨日、道を歩いていたらバナナの皮が捨ててあって、知らずに踏んでしまいスッテンコロリ!こんな漫画みたいなことって、本当にあるもんなんだね~。(笑)

    2) この前一緒に行ったレストランのランチ、おいしかったね~。今度また、東京へ来た時は誘ってね。(笑)

    如何ですか?お判りになりましたか?

    答えは、1)なのです。

    この1)の文章は、真実を伝えているのです。この文章を書いている人は、実際に道でバナナの皮を踏んで転んでしまったのです。それを、「こんな恥ずかしいことって、滅多にないよね。みんな笑っちゃうでしょ?」と、言わば照れ隠しのための(笑)を最後に付け加えている訳なのです。

    しかし、2)の文章は、最初の「この前一緒に行ったレストランのランチ、おいしかったね~。」の部分は事実ですが、次の「今度また、東京へ来た時は誘ってね。」の部分は、真っ赤な嘘だということが判るのです。(笑)の考察・・・・・577

    その嘘の部分は、「東京」のところです。

    つまり、この文章を書いている人は、実際は東京の人ではありません。おそらく、このメールを書き送った相手のごく身近に住んでいる人なのです。

    しかしながら、そうやって親しく付き合っていることを第三者に知られると困ることになるので、正体を隠す目的で「東京の人物」のように文章上ではふるまっている訳なのです。

    が、この前も当ブログに書きましたが、人間の心理とは、普通は真実を話すようにプログラムされている訳ですから、如何に当人同士にしか判らない暗号を使ったとしても、何処か後ろめたい気持ちは残るのです。そこで、つい、(笑)を付け加えてしまったという訳です。

    ここで判ることは、可笑しなことや、恥ずかしいこと、突拍子もないことなどを書いたあとに(笑)が付いている文章は、「あなたも一緒に笑って下さいね。わたしって、バカでしょう~?」というような自虐の意味が含まれている(笑)であるため、ほぼ90パーセントは、真実を伝えている文章だということなのです。

    しかし、特に変な話でも滑稽な話題でもないような文章のお尻に、いきなり(笑)が出てきている場合は、要注意です。

    こういう文章は、大抵において、第三者であるあなた、もしくは他人に、真実を知らせないようにしている当事者同士が、暗号的な意味でやり取りしている文章に多いパターンなのです。


    2)の文面でも判るように、自分の住んでいる実際の住所を隠す意味で、出会った所をわざと遠くの「東京」という場所に設定することで、万が一この文章を他人が読んでも、「ああ、この前東京に行った時に、二人は何処かのレストランへ入ったんだな。この人は、東京の人なんだな」と、思わせることが出来るのです。

    つまり、この文章をやり取りする二人の間には、こんな約束が予めかわされていたはずなのです。

    「今日、あなたと二人で長野市のレストランに来たことが友人にばれたら大変なことになるのよ。どうして、わたしも誘ってくれなかったの?って----。だから、もしも、メールをくれるんなら、あなたは東京の人ってことにしておいてくれないかしら?」

    「いいわよ」

    どうですか?良くメールやコメントで使われる(笑)ですが、単に「笑い」という意味ではなく、もっと複雑な心理状態がそこには垣間見られるものなのです。

    では、最後にもう一つ問題です。

    次の文章は、本音でしょうか、それとも冗談でしょうか?

    「わたしって、すごく美人だし、仕事も出来る人だから、いつも周囲の注目の的なのよね。(笑)」

    もう、お判りですよね。

    これは、「本音」です。「わたしって、すごく美人だし」と、普通なら口に出さないような恥ずかしいことを言いながら、最後に(笑)を付けている訳です。これを書いている女性は、「恥ずかしながら、これは真実なのです」と、ほのめかしているのです。

    ですから、こういう文章のメールをもらった時は、「またまた、ご冗談を!」などと返事をしてはいけません。

    彼女は、いたく本気で自分は美人で衆目の的だと信じ込んでいるのですから、そういう時は、ただ黙って温かい目で見つめてあげて下さい。(笑)

    

    

<今日のおまけ>

    今、注目の『iPad 』だが、アメリカでは既に学校の授業や病院の電子カルテとして使われてるそうである。

    外科医たちは、『iPad 』を手術室へ持ち込み、難渋する手術の参考書代わりにも利用しているという。

    テレビニュースで観たそんな病院の充電室には、充電中の 『iPad 』が何台も並べられていた。

    読書も、新聞閲覧も、ゲームも、ショッピングも、勉強だってこのたった700gの小さな一枚の板で出来るようになる世の中が始まった訳である。

    しかし、それでも、紙に書かれた文字の方に安心を感じるのは、わたしが古い人間だからだろうか?

    これからのIT時代は、さらに、判る人には判るが判らない人には全く判らないという、両極端な人間が生きる時代へと移行するのだろう。

    もしも、インターネット選挙運動が解禁となり、にもかかわらず参院選で民主党が負けるようなことがあれば、おそらく日本という国は、まだIT時代を拒否している国だということを証明することになるような気がする。

タグ :iPad

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この記事へのコメント
こんにちは。

(笑)に関する考察、面白いですね。着眼点がユニークです。今まで大して意識していなかったのに、これから気になりそうです...。

紙に書かれた文字に安心感を覚えるのは私も同じです。ネットで見かけた文章も、じっくり読みたいものはプリントアウトしてしまいます。
いくらITが普及しても、紙の本はなくならないと思いますよ。五感で感じる印象が違うので...。

本買えば 表紙が匂う 雪の暮 (大野林火)

大好きな句の一つです。iPadではこうは行きませんね。
Posted by どーもオリゴ糖どーもオリゴ糖 at 2010年06月01日 12:27
どーもオリゴ糖さまへ>

 ありがとうございます。
 (笑)の考察ですが、ある人のブログを読んでいて、「これは、果たして本当のことを書いているのだろうか?」と、ふと疑問が浮かんだので書かせて頂きました。

 ブログを読んでいますと、(笑)とか(苦笑)とか(汗)とかその人の表情を意味する色々な文字が書かれていますが、(苦笑)と使うのは、男性に多いですね。男性が憧れる一種のニヒリズムが、こういうところにも現われるのだと思うのです。

 でも、これを気にしていますと、文章を書く時のトラウマにもなり兼ねませんから、ご自分の文章では、あまり考えすぎない方が良いかもしれません。ただ、他人の文章を読む時は、2)のような場合、少々疑いの目で見るのも一興ですね。

 どーもオリゴ糖さんも、ネットの文章をプリントアウトして読まれるんですね。わたしもそうです。一度紙に写してから読むと、また違った読み方が出来るんですよね。

 そうですね。
 「表紙が匂う」---なんて、欲しかった一冊の本を手に入れた瞬間の嬉しさが伝わりますね。こういう感動は、これからもずっと子供たちにも残してあげたいものだと思います。
 
Posted by ちよみちよみ at 2010年06月01日 16:12
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