福島の瓦礫(がれき)は・・・

福島の瓦礫(がれき)は・・・volunteer




    また、雪景色になってしまいましたね。

    しかも、吹雪です。

    これが、本当に三月か----と、思ってしまう光景ですね。

    今日も朝から国会中継を放送していますが、やはり、復興のさまたげとなっている福島の瓦礫問題は大きいようです。

    一年前の大震災後は、「日本は一つ」「ぼくたちがいる」「絆プロジェクト」「つながろう日本」などと、テレビでもタレントや市民が連日連夜叫んでいたはずなのに、

    「少しでも瓦礫を引き受けて下さい」

    と、国が言い出した途端に、それとこれとは別----とばかりに、全国の自治体が弱腰になりました。

    総論賛成、各論反対の理屈ですね。

    農林水産省は、国有林への瓦礫の一時保管を認める姿勢のようですが、環境省としては、それは放射能の影響がない場所の瓦礫のことだと言います。

    国の姿勢も一貫してはいないようです。

    各自治体は岩手、宮城両県の震災ゴミを受け入れることにも躊躇いがあるようで、一番のネックは、「子供たちの健康に悪影響が出ないか?」ということなのでしょう。

    これに関しては、誰も「でません!」と確約できないのが二の足を踏ませている原因なのだと思います。

    長野県内の住民でも、大震災当初、放射能の恐怖感から他県へ逃げ出したという人もいたくらいですから、放射能汚染のことを考えると、今も吐き気がしたり気分が悪くなるという極度の不安症を患っている人もいるそうです。

    受け入れはしたものの、受け入れ側の住民たちが神経を病んでは意味がありませんし、これは本当に困った問題だと思います。

    昨日の大震災特別番組の中で、被災地の男性住民がこんなことを話していました。

    「阪神大震災の時は、あっというまに復興ができた。都会には国民も関心があるが、やはり田舎は見捨てられているのだと思う」

    本当に、人ごとではありません。

    近頃は、テレビのワイド番組でもやらたに「首都圏に直下型の大地震が来るかもしれない」と、特集を組んでいますが、どうしてそんなに東京のことばかり取り上げるのでしょうか?

    長野県民にとっては、正直、東京も一地方にすぎません。

    やはり、都会のおごりが見え隠れして、あまり良い気持ちはしないというのが本音です。

福島の瓦礫(がれき)は・・・

    

<今日のおまけ>

    栄村に大地震が襲って一年が経ちました。

    この県北部地震については、わたしも昨年暮れ発行の長野市民新聞に書かせて頂きましたが、この地震による復興が難しいのは、村が超高齢社会であるという現実と、11月の終わり頃から4月にかけて豪雪に覆われ、村住建設などの復興工事を行なう期間が実に短いというところにあるのです。

    テレビのニュース特集では娘夫婦を頼って松本市へ移り住んだ夫婦は、それでも栄村へ帰りたいと涙ぐんでいました。

    「松本で友だちを作って楽しく暮らしたいと思ったが、やはり、無理だ」

    と、夫婦は言います。

    それも当然だと思います。

    栄村の友だち付き合いというのは、親戚付き合い以上のものなのですから。

    あるところまでは付き合うが、ここから先はダメというような限定的な友人付き合いを想定している松本市民とは、相容れないことも多いでしょう。

    家のドアに鍵をかけないという習慣さえある栄村ですから、下駄ばきヘルパーという全国的にも類を見ない住民協力介護制度が成り立っているのです。

    しかし、今やこの下駄ばきヘルパー制度も、震災による高齢者の離散により存続が危ぶまれているそうです。

    絵手紙で住民の気持ちがつながっていることでも有名な栄村ですが、そうした若い人たちの復興への取り組みと高齢者の復興への期待が噛み合っていないようにも思えます。

   

      

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この記事へのコメント
こんばんは。ご無沙汰しております。

「東京のことばかりとりあげる」っというところで私も同じように感じました。地震のこともそうですが、天気一つとってもそうです。先日首都圏で雪が降ったとき、こんなつぶやきを自分で書いたことを思い出しました。

(以下引用)
『毎回報道には思うことですが、「首都圏は特別なんですかね?」と思ってならない。
首都である以上確かに特別な一面は持ってはいるけれど。

恐らく今日なんかだと全国ニュースで長時間取り上げて、ああだこうだ言うんだろうけれど、雪国の人とか、さほど雪の珍しくないところの人にしてみればどうでもいいだろうし、190人怪我しようが、列車が遅れようがそんなこと全国ニュースにおいては知ったことない。もちろん怪我するのは気の毒な話ではあるけれど・・・。

さも首都圏が悲劇の主人公とでも言わんばかりの偏った報道体制ってどうなんだろうか。
もっと報道することあるだろ!』

っとちょっと感情的に書いたのですが、やはり何にしても偏りある報道で埋もれている事実があることも忘れてはいけないことだと思ったのでした。
Posted by みすずかる at 2012年03月18日 18:01
みすずかるさまへ>

 こんばんは。

 本当に、おっしゃる通りだと思います。
 首都圏には、確かにあらゆる意味で日本国の要所の役割があると思いますが、近頃のワイドショーやテレビニュースでは、殊更に東京やその周辺の話題が多く取り上げられているように思います。

 東京に雪が降って交通がマヒしたというニュースを大々的に取り上げていることなどを見ても、どうしてその程度の雪で交通が遮断されてしまうようなヤワな機能しか整備されていないのかと、そちらの方が不思議です。
 たぶん、首都圏が津波や雪害対策を地方なみに整備したら、莫大な費用がかさんで、現在のように便利な都市機能を存続するのは絶対に無理だと思います。
 東京都民が地方よりも革新的で文化的な生活を送られているわけは、案外そんなところにあるのではないでしょうか?
 
 今回の震災報道を観るにつけても、東京キー局のアナウンサーやキャスターの哀れみ目線が気になりました。
 震災時、都内に帰宅難民があふれたことは大変なことでもあり、気の毒なことでしたが、地方都市では雪で電車やバスが止まり、帰宅難民が出ることなど別に驚くことではありません。
 わたしが高校生の時も遠距離通学生が学校に泊りこんだことがありましたが、ニュースにもなりませんでした。

 みすずかるさんの言われるように、首都圏を特別視するような偏った報道の裏に、もっと重大な事実があることを忘れて欲しくはないものですね。

 
 
Posted by ちよみちよみ at 2012年03月18日 19:28
昼間ラジオを聴いていると、キー局のパーソナリティーの中には、地方局で天気が悪いと
「何故天気が悪いんですか?東京は晴れてますよ」と言い返す人が居ますが、どのような精神構造なのか、気になります。
テレビのニュース風ワイドショーも止めてもらえないかと、思います。
Posted by DT33DT33 at 2012年03月19日 00:48
DT33さまへ>

 こんにちは。

 東京をすべての中心に考えるから、そういう奇妙な返答になるのでしょうね。
 そういえば、かつて長野冬季五輪が開催された際に、都民へのインタビューで、「冬季オリンピック?どうして?東京に雪なんか降らないでしょ」と、何の疑問もなく答えていた女性がいました。つまり、彼女には、自分たちの住んでいる東京でしかオリンピックのような大祭典は行なえるはずがないという先入観があったようです。
 今回の東電の値上げも、首都圏民にはかなりの痛手のようですが、長野県ほどの除雪費用や暖房費が必要ではないのですから、地方の大変さを知るということでは意味があるのかもしれませんね。
Posted by ちよみちよみ at 2012年03月19日 17:36
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