色々おしゃべり 80
2013年06月01日

認知症はどのようなことで判るかというと、たいていの場合、忘れっぽくなったとか、判断力が鈍ってきたというような問題よりも、むしろ、今までよりもささいなことで怒りやすくなった----と、いうことが最たる兆候として挙げられるらしい。
そう思えば、近所でアルツハイマー型認知症になった高齢女性たちを見ても、確かに過去にそうした兆候があった。
わたしが最初に彼女たちの異変を感じたのは、いつも共同浴場での出来事であった。
一人の女性は、几帳面な性格で間違ったことが嫌い、学歴も高く、いつも人の相談に乗るようなしっかり者だったのだが、ある時、共同浴場で水道の水を出した人に向かい、いきなり憤慨して水を止めてしまったことがあった。
その怒り方は、とてもそれまでの彼女とは思えないほどに激しい感情をあらわにしたもので、一緒に入っていた人たちも皆唖然としたことを覚えている。
その後、その女性は認知症と診断され、特別養護老人ホームへ入居する前は、夫のことも判らなくなってしまっていた。
もう一人の高齢女性は、自宅で家族から疎外されていると激怒し、近所の主婦の家へ転がり込むと、家へ帰りたくないと泣き出したそうだ。
それからは、共同浴場で他人の下着を誤って着てしまい、その後急速に認知症が進み、今ではグループホームに入っている。
また、もう一人の女性も、やはり自分の意見を子供が聞いてくれないと怒ってばかりいたそうで、共同浴場で会った時、挨拶をしたのだが、昔からの顔見知りにもかかわらず、わたしが誰なのか判らなくなってしまっていた。
そんなある日、彼女は近所へ買い物に行くと出かけたのだが、彼女の知り合いのタクシー運転手に偶然発見された場所は、電車に乗らなければ行けないような遠くの市だったという。
そんなこんなを考え合わせても、今、共同浴場で他の入浴者に嫌がらせをしてばかりいる例の女性も、もしかしたら、認知症になりかけているのではないだろうか----とも想像できる。
これまでも人に比べて意地悪な面があったそうだが、今ほどではなかったそうで、共同浴場の床が濡れている、挨拶をしなかった、扇風機を勝手に止められた、いつも使う脱衣箱を他人が使っていた、お気に入りの場所に他の入浴者が先に座っていた----などのことだけで、その人たちに露骨に嫌みを言ったり、時には物理的な嫌がらせまでもして、抑えられない怒りをぶちまけているのだ。
役員さんから、「危険なので、すのこ板の上に洗面器を置かないでくれ」と、再三注意を受けているにもかかわらず、カッとなると自制が利かなくなったように、なおさらそれをやり、他の入浴者が迷惑がるのを楽しんでいる様子は、正に認知症患者の兆候そのものといえる。
だとしたら、これはますます難しいことになる。
彼女の性格からしても、おそらく自身が認知症にかかっているとは決して認めないだろうし、一人暮らし故に、今後も何をしでかすか判らない。
他の人にケガでもさせないうちに、共同浴場への出入りを制限するとか、組としても対応を考えておいた方が懸命なのではないだろうか。
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色々おしゃべり 79
2013年06月01日

気が付いたら、バラの季節になっていた。
中野市一本木公園では、今年も恒例のバラ祭りが開催されるという。
ただ、どうなんだろうか・・・。
わたし個人の心情としては、あの公園にはあまり外部の人に入って欲しくないような気がする。
中野市民の静かな憩いの場として、バラの香りの中、ベンチでゆっくりと読書でも楽しんでもらいたいというのが本音なのだが・・・。
せっかくの過ごしやすいバラの季節を、大勢の観光客に解放することで、地元の人たちが一番わりを食っている。
「あんな騒がしいところでバラを見たって、ちっとも安らげやしない」
そんなわけで、知り合いの中野市民は、まだ観光客が動き出さない早朝にしか公園へ行ったことがないと、残念がっていた。
地元の人は、いつでも見られるから良いじゃない----と、外部の人たちは無責任なことを言うが、この季節を逃せば、暑くて公園での散策などとても無理になる。
しかも、公園まで自家用車で行けない期間が長すぎる。
足の弱い地元の一人暮らしのお年寄りには、「一度見に行きたいんだけれど・・・」と、言いながら、毎年断念せざるを得ない人もいる。
中野市民の税金で運営されているバラ祭りに、中野市民が参加出来ないとは、本末転倒もいいところである。
地元以外の人は入園禁止の日というものを、バラ祭り期間中、一週間でも設けていただけないものだろうか。
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