色々おしゃべり 80

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    認知症はどのようなことで判るかというと、たいていの場合、忘れっぽくなったとか、判断力が鈍ってきたというような問題よりも、むしろ、今までよりもささいなことで怒りやすくなった----と、いうことが最たる兆候として挙げられるらしい。

    そう思えば、近所でアルツハイマー型認知症になった高齢女性たちを見ても、確かに過去にそうした兆候があった。

    わたしが最初に彼女たちの異変を感じたのは、いつも共同浴場での出来事であった。

    一人の女性は、几帳面な性格で間違ったことが嫌い、学歴も高く、いつも人の相談に乗るようなしっかり者だったのだが、ある時、共同浴場で水道の水を出した人に向かい、いきなり憤慨して水を止めてしまったことがあった。

    その怒り方は、とてもそれまでの彼女とは思えないほどに激しい感情をあらわにしたもので、一緒に入っていた人たちも皆唖然としたことを覚えている。

    その後、その女性は認知症と診断され、特別養護老人ホームへ入居する前は、夫のことも判らなくなってしまっていた。

    もう一人の高齢女性は、自宅で家族から疎外されていると激怒し、近所の主婦の家へ転がり込むと、家へ帰りたくないと泣き出したそうだ。

    それからは、共同浴場で他人の下着を誤って着てしまい、その後急速に認知症が進み、今ではグループホームに入っている。

    また、もう一人の女性も、やはり自分の意見を子供が聞いてくれないと怒ってばかりいたそうで、共同浴場で会った時、挨拶をしたのだが、昔からの顔見知りにもかかわらず、わたしが誰なのか判らなくなってしまっていた。

    そんなある日、彼女は近所へ買い物に行くと出かけたのだが、彼女の知り合いのタクシー運転手に偶然発見された場所は、電車に乗らなければ行けないような遠くの市だったという。

    そんなこんなを考え合わせても、今、共同浴場で他の入浴者に嫌がらせをしてばかりいる例の女性も、もしかしたら、認知症になりかけているのではないだろうか----とも想像できる。

    これまでも人に比べて意地悪な面があったそうだが、今ほどではなかったそうで、共同浴場の床が濡れている、挨拶をしなかった、扇風機を勝手に止められた、いつも使う脱衣箱を他人が使っていた、お気に入りの場所に他の入浴者が先に座っていた----などのことだけで、その人たちに露骨に嫌みを言ったり、時には物理的な嫌がらせまでもして、抑えられない怒りをぶちまけているのだ。

    役員さんから、「危険なので、すのこ板の上に洗面器を置かないでくれ」と、再三注意を受けているにもかかわらず、カッとなると自制が利かなくなったように、なおさらそれをやり、他の入浴者が迷惑がるのを楽しんでいる様子は、正に認知症患者の兆候そのものといえる。

    だとしたら、これはますます難しいことになる。

    彼女の性格からしても、おそらく自身が認知症にかかっているとは決して認めないだろうし、一人暮らし故に、今後も何をしでかすか判らない。

    他の人にケガでもさせないうちに、共同浴場への出入りを制限するとか、組としても対応を考えておいた方が懸命なのではないだろうか。

色々おしゃべり 80

    
      

<今日のおまけ>


    街の中を散歩していても、あまりに人の姿がないことに驚く。

    観光地を活性化させたいのなら、まず地元住民がなすべきことは、街の中をにぎやかすことである。

    別に、何か特段のイベントをやれというのではない。

    人通りのある街にするだけでいいのだ。

    それには、地元住民がたとえ用事がなくても街中を歩く----これだけでも観光の大きなアピールになる。

    人の姿が見えるだけでも、観光客はそこを「にぎやかな街」と、思うものだからだ。

    地元住民に、一日一度は街中を散歩しよう----と、呼びかける手はどうだろうか。

    「この街、あまりに人の気配がないんだけれど、歩いてもいいんですよね?」

    観光客に恐る恐る訊ねられたこともある。

    街歩きをして、足腰が丈夫になり、その上観光にも役立つならば、正に一石二鳥ではないだろうか。 

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