掛け持ち受診・・・・・943

~ 今 日 の 雑 感 ~



掛け持ち受診




    皮膚科の待合所で椅子に腰かけていたら、隣へ来て座った70代とおぼしき女性が、突然、そわそわし始めた。

    「どうしよう・・・。どうしよう・・・」

    そう呟いていたかと思うと、いきなり、わたしに向かって、掛け持ち受診・・・・・943

    「先生、診療始めているんだよね?」

    と、訊く。

    「ええ、今、女の人が(診察室へ)入っていますけど・・・」

    わたしが答えると、その女性は、

    「今しがた、この廊下を通って行った先生だけど、わたしが診てもらっている内科の先生なの。わたし、内科と皮膚科と両方へ診察予約取っちゃったので、内科の先生の方を待たせちゃったら困るわ・・・」

    と、大変な焦りようだった。

    「看護師さんに、皮膚科が終わったら内科の方へ行きますからと、お願いしてきたらどうですか?」

    わたしが提案すると、女性は、そうねと言って、内科の方へ走って行った。

    しばらくして戻ると、ホッとした表情でまた腰をおろしたが、ものの一分も経たないうちに、またそわそわし出した。

    「内科の先生、帰っちゃわないかしら?----こういう風に掛け持ちになると、気が気じゃないわね」

    「大丈夫だと思いますよ。先生、待っていて下さいますよ」

    わたしは、答えたが、患者の中には、医師がいなくなってしまうのではないかと心配する人は少なくないようだ。

    この間も、看護師さんに、「先生を待たせて、帰られたら困る」と、不安を訴えていた女性がいた。

    「そんなことありませんよ。患者さんが診察券を出しているのに、帰られてしまう先生はいませんから」

    看護師さんは、一生懸命その女性をなだめていた。

    つまり、患者は、それだけ自分の病気のことが不安なのだ。そして、自分の担当医を信頼し、気遣っている。

    わたしに話しかけた女性も、わたしの次に診察の順番が回って来て、ようやく安堵の笑みを見せながら皮膚科の診察室へ入って行った。


    ***  写真はイメージです。こんなハンサムな先生がいたら、何時間でも待ちますけれどね。face02

<今日のおまけ>

    海外医療ドラマは、「ER」「Dr.HOUSE」など面白い物がたくさんあるが、わたしが以前大好きだったのが、「シカゴ・ホープ」である。

    脳外科医のアーロン・シャット医師(アダム・アーキン)と、外科医のジェフリー・ガイガー医師(マンディ・パティンキン)が活躍する硬派なドラマであったが、一時期これに妙にハマった。

    対象的な性格の二人の中年医師が、それぞれに問題を抱えながらも支え合い協力して病に立ち向かう姿は、まるで中世の騎士のようにも見えた。

    また、個性豊かなその他の医師や看護師たちも、ある意味不思議な連帯感を持って脇をかため、「ER」に出演していたカーター医師役のノア・ホワイリーも、「シカゴ・ホープに憧れていたので、この役をもらえて嬉しかった」と、語っていたと、記憶している。

    それにしても、この「シカゴ・ホープ」という医療ドラマは、自分が元気な時に観るものだと、つくづく感じる一種独特な雰囲気やシーンが満載の内容だった。
    

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