案の定・・・・・954

~ 今 日 の 雑 感 ~


案の定・・・




    案の定・・・というか、やはり、従姉は叔母の足代わりに使われ始めた。

    叔母は、別の家へ嫁いだ身なのだから、実際は、実家の娘である従姉を頼る間柄ではない。

    本来ならば、嫁ぎ先の家の人たちに世話になるべき人間なのだ。

    それなのに、嫁に行って既に半世紀近くにもなろうというのに、結局、ず~~~っと、実家から離れられなかったのだ。

    何かといえば、実家を頼り、亡くなった叔父も、いい加減にしろと、叱るほどだった。

    しかし、子供のいない叔母に、叔父の思いはついに届かなかったようである。案の定・・・・・954

    従姉を自分の実の娘のように思い、行く先々で従姉のことを自分の娘だと紹介していたようで、一人になった叔母は、従姉の両親のことなど関係なく、連日、従姉に車に乗せてもらい、買い物や病院、役所での手続きをしているらしい。

    とはいえ、これでは両親が面白くない。

    今までのように、娘を自分たちの専属として扱えなくなってしまった訳だ。

    何とか、叔母の方へやりたくないと、娘を説得するが、叔母は、そんな従姉の両親に知られないように彼女の携帯電話に連絡をよこし、何か理由を見付けて家を出てこいと、呼びだすのである。

    両親は両親で、そうはいっても、あまりきつく娘を押し留めて、叔母が彼らとの同居を持ち出しでもしたら、その方が困るので、絶対に手伝いに行くなとも言えない。

    実は、周囲の者たちは、いつかはこういう状況になるだろうことは、従姉がまだ幼い頃から薄々懸念してはいた。

    たぶん、彼女は、将来三人の親の面倒を見るようになるだろうと、予言していた親類もいたくらいである。

    そして、おそらくは従姉は生まれた時から、結婚させないという家族の思いがあったようにも感じるのだ。

    何のために?

  もちろん、自分たちの老後の面倒をみさせるためにである。

    そのためには、独身であってもらう必要があったのだ。だから、彼女に好きな人が出来ても、尽く反対し縁談をつぶして来た。

    いや、それよりも前から、親元から一時でも放してはおけないと、大学も家から通えるところを選ばせる念の入れようだった。

    そして、従姉自身も、それで良いと思っていたようである。

    要するに、親族すべてが共依存の関係にあると言っても過言ではない。

    両親たちは、従姉が大人の女性になることを最も嫌悪し、おしゃれや化粧さえさせなかった。

    わたしには、何とも理解しがたい家族であるが、それでも本人たちはそれが一番居心地いいのだと思う。

    これから、従姉は、三人の親の間を上手に行き来しながら世話をして行くことになるのだろう。

    両親に言えない叔母の本音、叔母に言えない両親の本音を、両天秤にかけながら----。

    
    

    

<今日のおまけ>

    今日は、雨です。

    早春の雨は、気分が滅入りますね。

    やはり、太陽の光は、人間に大切なものだと判ります。

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この記事へのコメント
こんにちは。

従姉の方は、お気の毒ですね。
本人がそれで満足していれば仕方ないとは思いますが、普通じゃないと思います。

親というのは、娘を早く結婚させたい、のではと思うのですが、不思議です。

叔母さんも、自分の都合の為だけに、従姉さんを利用しているのは、いただけませんね。
何と身勝手な人達なんでしょうね。
年をとると、皆、そんな風になってしまうものなのでしょか。

それにしても、従姉さんは、性格が良い、
身内思いの方なんだんぁ、と感心してしまいました。
Posted by こみさん at 2011年03月01日 12:12
こみさまへ>

 こんにちは。

 そうなんです。ついに始まったな・・・という感じです。
 でも、従姉は、叔父が入院していた頃から、ずっと両親には内緒で叔母夫婦の手伝いをしていたそうです。
 それも、毎日---。
 何とも、驚くべき生活ですよね。

 人間は年をとると身体も利かなくなるので、誰かに頼りたいという気持ちは充分判りますが、これはやり過ぎだと思います。
 しかも、従姉も一度過労で倒れたこともあり、両親にも医師から、「お嬢さんにばかり頼らないでください」と、忠告があったのですが、誰も聞く耳を持たないようです。
 
 高齢になると、特に人恋しくなるようで、若い人と一緒にいて、話をしたいと思うそうですね。でも、ここまで人一人を独占するというわがままを放置しておいていいものかと、考えてしまいます。
Posted by ちよみちよみ at 2011年03月01日 16:18
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