言葉を知らない若者たち・・・・・845

~ 今 日 の 雑 感 ~



言葉を知らない若者たち



    先日のテレビ番組で、大学四年生の就職内定率が過去最低であるという話題を取り上げていた。

    番組では、一人の男子大学生に密着し、彼の就職活動を追い続けていた。

    この男子学生は、これまで50社ほどの面接を受けたが、すべてから断わられてしまったのだという。

    今の学生の就職活動は、大手志向が主で、中小の会社にはあまり魅力を感じていないのだという。

    ここまで内定が出ないとなれば、大手の会社ばかりに目を向けず、中小企業にも積極的にアプローチしてみたらどうかと、ディレクターがその男子学生にアドバイスしたものの、彼の気持ちは、

    「中小企業に行きたいとは思わない」

    と、いうものであった。社員が既に飽和状態にある大手企業と、人材不足に悩む中小企業----。このミスマッチが解決できなければ、大卒の就職浪人が今後ますます社会にあふれることにもなりかねない。

    こうした元気な男子学生が農業や福祉・介護の分野に興味を持ってくれればいいと思うのだが、やはりせっかく大学を出た以上、大卒でなくても出来るような、いわゆる末端の職業には魅力を感じないというのだから厄介だ。

    では、この男子学生のように、面接で落ち続ける者には、そうでない学生に比べていったい何が足りないというのであろうか?

    学生の就職に詳しい専門家は、「そういう学生は、そうでない学生に比べて自己ピーアールが下手だ」というのである。

    つまり、面接官に自分を売り込むための言葉を持っていないのだそうだ。

    会社が必要としている人材は、面接の時の学生の言葉と意気込みでほぼ決まるという。自分の何処が他の学生よりも優れているのか、その会社で何がしたいのか、自分を雇えばどんなメリットがあるのか、そして、とにかく仕事がしたいという意欲を、面接官にストレートにはっきりと伝えることが出来る学生が、内定をもらいやすいのだそうである。

    「とにかく、毎日、大勢の学生を相手にしているので、各会社の面接官たちは疲れ切っています。マニュアル通りの答えなど聞きたくはないのです。単刀直入に意欲を表わすことが、最も大事だといえるでしょう」

    専門家は、そうアドバイスしていた。

    これを観ていて思った。大会社に就職して歯車の一つになるくらいなら、小さな会社へ入り、思い切り自分の夢を実現した方が、楽しいしやりがいもあるのではないだろうか?----と。

    でも、彼らがそのことに気付くためには、もっと時間が必要なのかもしれない・・・。  続きを読む