ちょっと、一服・・・・・⑫

 
< 前 世 の 話 >



 皆さんは、前世というものを信じますか?要は、自分は誰かの生まれ変わりかもしれないと、いう話です。学生時代に読んだ英語の本に、イギリスのあるお宅の猫が、突然ピアノの鍵盤を叩きだし、素晴らしいメロディーを奏で始めたため、驚いた飼い主が、そのメロディーを調べたところ、百年も前に死んだ有名な作曲家の未完成の曲だと言うことが判り、猫になって現代へ生まれ変わったその作曲家が、ようやく、曲の続きを完成させたのだったという物語がありました。(題名は、忘れましたが・・・・)
 そんな風に、まったく予期しないことで、練習したこともないのに突然何か特殊な技能を発揮したり、覚えてもいない言葉や音楽を口ずさんだりするというような、不思議な経験はありませんか?
 実は、わたしには、それがあるのです。(あっ、退かないで下さい!(^_^;))あまりに突拍子もないことを言うなと?いえいえ、これからお話しすることは、別に、そう特別なことではありません。おそらく、皆さんも、一度や二度は体験したことあると思いますよ。そう・・・・・たぶん・・・・・。


 わたしが、初めてパソコンなる物に触ったのは、つい昨年の十一月のことでした。何だか、とてつもない物を買ってしまったようで、キーボードを叩くことさえ恐ろしく、近所のパソコン教室へでも通おうかと電話をしてみたのですが、無料の講座は住んでいる自治体が違うということで断られ、断念。仕方がないと、マニュアル本と首っ引きでパソコンとの格闘を始めたのですが、おかしなことに、何故か、文章だけはスラスラと、打ち込むことが出来るのです。確かに、ローマ字を知っていさえすれば、そんなことは簡単だと思われるでしょうが、それとは感じがちょっと違います。文字を打ち込みながら、何だか懐かしささえ覚えるような・・・・。そんな感覚なのです。それで、そのことを従姉(いとこ)に話し、「これって、前世に何か関係があるのかな?」と、訊いたところ、「何言ってんのよ。あんた、昔、アメリカの推理作家に憧れて英文タイプ習ったことがあったじゃないの。パソコンのローマ字配列は、それと一緒なのよ。打てて当然でしょ」との返事。--------そうだった!そのこと、すっかり忘れていました。何のことはない、タネを明かせば不思議でもなんでもないことだったのです。一瞬、「わたしって、天才かも-------。もしや、前世はコンピューター技師か?」なァんて、思ったりもしのですが、「生まれ変わり説」なんて、所詮こんなものなのでしょうね。------ほら、皆さんにも、思い当たる節があったでしょう?

 
 それから、もう一つ。わたしが小学校低学年の頃、音楽の時間に、リコーダーの授業がありまして、クラス全員がパートごとに分かれ、それぞれ種類の違うリコーダーを使うことになったのです。リコーダーの種類は、三種類で、ソプラノ、メゾソプラノ(スタンダード)、アルトがあり、わたしは運悪く、最も大きく丈も長いアルトリコーダーの笛を扱うことになってしまいました。そのうえ、リコーダーなど見るも触るも初めてで、先生が教える吹き方も、ドレミファすら皆目判りません。音階を決める穴を抑えるにも、指が届かないのです。もう、すべてが絶望的で、音楽の時間が来るのが恐怖でした。ところが、ある日、先生が皆に初めて演奏する楽譜を渡し、「今日からは、これを練習するぞ」と、その曲のレコード(CDではありません。念のため)をかけたのです。「ミララシドシラシシドレドシララシドシラシ・・・・」------その何とも物悲しいメロディーを聞いた途端、本当に不思議なことに、わたしは、それまでちんぷんかんぷんだった指の運びをまったく外すことなく、完璧に吹くことが出来たのです。しかも、その曲をレコードで聴いた直後に------。周りのクラスメートは、「何でこの曲が吹けるんだ?知っていた曲なの?」と、驚いていました。いいえ、まったく初めて聴く曲ですし、それが、リコーダーで吹けるなんて、考えてもいませんでした。でも、そのことが一つのきっかけになったのか、それからは、先生の出す課題曲は、ほとんどそつなく演奏することが出来るようになり、その時使ったリコーダーは、今も大事に引き出しの中にしまってあります。
 ね、こういう経験は、皆さんにもありますよね・・・・・?え?・・・・これは、ちょっと・・・・違いますか・・・・?icon10


   では、引き続き、「炎の氷壁」を、お読み下さい。  


Posted by ちよみ at 11:15Comments(6)不思議な話