バッグよりも靴
2011年11月22日
バッグよりも靴

「足元を見る」----と、いう言葉がありますが、これは弱みにつけ込むという意味ですね。
では、弱みにつけ込む時、どうして足元を見なければならないのでしょうか?
一説には、昔、駕籠かきや宿屋の主人が、旅人の草履のくたびれ具合で足の疲れ度合いを見抜き、駕籠代や宿賃を請求したからだと言われます。
そんなこともあり、現代でも接客のプロは、客が身につけている洋服やバッグがたとえ高級ブランド品でも、それに惑わされることなく、むしろ客が履いている靴の方に注目して、その客の素性や社会的地位、経済力のあるなしを見極めるのだそうです。
何故なら、洋服やバッグは借り物でもすみますが、靴はサイズや履き心地などの理由からも、そう簡単に借り物というわけにはいきませんし、履き慣れた靴か否かはプロが見れば一目瞭然です。
手入れの状態などもその人の生活レベルを知る手がかりになるそうですし、だいいち、本当に経済的に余裕がある人でなければ、靴にまでお金をかけるようなことは出来ないからだと言います。
しかし、その靴がどんなに汚れていてくたびれていても、それがむしろ格好良く見えた人がいました。
女優の真野響子さんです。

地元の某駅で真野さんを見た時、こう言ってはなんですが、そのファッション・スタイルは実にオーソドックスで飾り気のないものでした。
靴も白く砂埃がかかっている長年履きなれたような革のブーツだったと記憶していますが、その擦り切れたよれよれ感がまた素敵に見えました。
まだ、寒い時期だったので、真野さんも黒系統のオーバーコートを着ていました。
そのさりげなさが、すらりとした長身に良く似合って、本当のおしゃれが出来る人というのは、こういう人を言うんだろうな・・・と、感心したことを覚えています。
因みに、高級靴に対する執着心がやたらに強い人は、いわゆる野心家タイプであり、上昇志向の強い人で、社会的に成功する確率も高いのですが、反面、思いもかけないところからの横やりで地位を失う可能性が無きにしも非ずの人生を歩む----と、いうことのようですね。 続きを読む