芸能界という伏魔殿
2012年03月09日
芸能界という伏魔殿

芸能界というところは、つくづく「伏魔殿」だなァ・・・と、感じる。
以前、「ちやほや----持ち上げて落とす」などというテレビCMがあったけれど、最初のうちはこれでもかというくらいタレントや俳優を持ち上げて視聴者の目を引いたあとで、今度はどうでもいいような話題に引っかかり、思いっきり落としめてまた視聴率を稼ぐ。
今日、亡くなった山口美江さんが芸能界を引退した時も、正にこの状態だったように思う。
当時も普通の女性ならば話題にも上らないようなほどの体重増を、「激太り」などとマスコミが取り上げ、彼女が「芸能界って、なんて、くだらない世界なの」と、呆れた気持ちがわたしにはよく判った。
しかも、ごく最近の番組でも彼女を「あの人は今・・・」的な取り上げ方をして、「この辺りを山口美江さんが徘徊しているというのですが・・・」などと、実に失礼なナレーションを加えていた。
この言葉にはさすがに彼女自身も、「徘徊なんて、失礼ね!」と、立腹していたので、観ているこちらもあまり良い気持ちがしなかった。
かつて山口さんはニュースキャスターなどもしていたようだが、わたしの記憶に残っている彼女のそれは、やはり二時間サスペンスドラマに出ていた女優としての姿だ。
あの頃の女優さんたちは、確かに皆美しかったが、山口さんの聡明な美しさは群を抜いていたように思える。
おしゃれで、頭が良くて、バイリンガルとなれば、男性はもちろんのこと女性たちにとっても憧れの的であった。
少々気が強い面もあったが、お嬢さまタレントにはそれも似合っていた。
今日、テレビニュースで彼女の訃報を聞いた時は、とても驚いたし、残念だった。
まだ、51歳の若さである。
その先日の「あの人は今・・・」というような番組に登場した際も、少し顔が浮腫んでいるように見受けられ、心臓か腎臓が悪いのでは?----と、思ったものである。
頻繁に通院もされていたようなので、やはり体調が思わしくなかったのであろう。
たぶん彼女のような凛とした人生観を貫く気骨のあるお嬢さまタレントは、芸能界にもしばらくは出てこないのではないだろうか。
本当に、残念である。
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