ほめ方の極意
2012年04月09日
ほめ方の極意

「喜ぶ」という感情は、いったい何から出て来るかといえば、おそらく大半の人はこう答えるのではないだろうか。
「自分が誰かから認められた時、喜びが湧く」
と----。
誰かから認められるということは、すなわち一目置かれるとかプライドをくすぐられたことで認識できる感覚である。
「自分は、他の人よりも少しばかり特別なのだ」
と、思い込むことが「喜び」の最も近道だともいえるのである。
では、どうしたら「自分は特別だ」と、感じられるかといえば、それは他人から「ほめられる」という状況が起こった時ではないだろうか。
人は、ほめられて悪い気はしないものである。
たとえ、それがお世辞だと判っていても気分が良いことには違いない。
だが、一口に「ほめる」といっても、さて、一体どんなほめ方をすれば人は一番気持ちよく喜べるのだろうか?
「あなたって、頭が良いいだけじゃなくスポーツも得意でいいわね」
「美人でスレンダーなんて羨ましい!」
「お子さん、有名高校へ進学されたんですってね。おめでとう」
などなど、個人の能力を強調するのがいいのか、いや、スタイルなど外見の立派さを持ち上げるのがいいのか、それとも地位や名誉欲をくすぐるのが効果的なのか・・・。
ほめ方にも色々なバージョンがあるものだが、最も相手を喜ばせるためには、とにかく言葉をあいまいにしてほめるというやり方が一番効果的なのだそうである。
人は、具体例をあげてほめられると、確かにそれ自体は嬉しいと思うのだが、たとえば、「きみは本当に頭が良いね」と言われたとしても、「頭だけなの?」と、思ってしまうこともある。
つまり、具体的なほめ方ではすべての喜びの感情を満足させることは出来ないのである。
そのため、ほめ言葉は出来るだけアバウトなものにするのがいいらしい。
人はその言葉を自分に都合の良いように解釈することが多いので、喜びの質が均等になるのである。
しかし、このアバウトなほめ言葉ほど、ある意味難しいものはない。
アメリカの作家のヘンリー・ソローは、こう言っている。
「お世辞を言うのは易いが、称賛は難しい」
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