大手術のあと・・・・・108
2009年07月26日
~ 今 日 の 雑 感 ~
大手術のあと
七月十五日の叔父の手術は、術中死ということもなく、何とか無事に終わりました。
内臓を、かなりの量取ったようですが、それでも、一応は成功ということでした。
執刀した大学の先生もヘトヘト、介助の先生たちもグッタリ、待合室で待機していた親戚一同も汗だくのダレダレだったそうです。
何故なら、この叔父の大手術を知りながら、叔父の親族は、誰一人見舞いに来なかったからです。ですから、手術に立ち会った(別に手術室へ入った訳ではありませんが)親戚というのは、叔母の兄弟たちで、叔父自身の血縁は、一人も来ていなかったという訳なのです。
そんなところへ、言わば義理の関係である、わたしまでが付き添うことも出来ません。
では、叔父は、そんなに親族兄弟から嫌われているのかというと、そうではないのです。嫌われているのは、叔母です。
自分の実の兄弟のみを家族のように思い、嫁いでから何十年も経つのに、未だに実家離れが出来ず、何かというと、実家の兄を頼るものですから、叔父の実の兄弟たちは呆れかえって、こんな大事にも、駆け付けなくなってしまったのです。
しかし、叔母の実家の兄弟たちも、既に高齢です。手術室の隣の待合室にいる間に、暑さと疲労で、気分が悪くなってしまった者もいたのです。
どうして、叔母は、叔父の兄弟たちとうまく行かないのでしょうか?叔母は、とにかくプライドが高く、常に自分が話題の中心でなくては気がすまない人なのです。
叔父の実弟のお嫁さんが、去年の秋、叔父が最初に入院した日、叔母に向かって、
「今日は、りんごの出荷をしようと思っていたんだけれど、お義兄さんが、突然入院したって聞いたんで、出荷は先延ばしにして、病院へ駆けつけたのよ」
と、いった一言が、叔母の癇にさわり、
「だったら、もう、二度と来なくていいから、帰ってよ!恩着せがましく言うんじゃないわよ!」
と、なってしまい、今回も叔父側の親戚は誰一人来なかったということのようなのです。
結局、この叔母の我儘によって、またぞろ、実家の兄弟たちが迷惑をこうむる破目になったのです。ですから、わたしは、親戚たちに言いました。
「こっちがあまりしゃしゃり出ると、なおのこと、叔父さんの兄弟はこの件に関わらなくなってしまうから、この辺で、病院への見舞いも、遠慮した方がいいんじゃないの?」
と------。
確かに、病院のスタッフたちも、叔父とは血のつながらない親戚が、連日大挙して押し寄せるので、いささか迷惑そうな様子なのです。
「でも、叔母さんが、どうしても来てくれというから・・・・・」
わたしの従姉は、疲れ切った表情で、そう言います。叔母は、その従姉に、自宅から病院への送り迎えまで強要しているのだそうです。
わたしも、長年懸命に働いたあげくに、こんな病気になってしまった叔父は気の毒で仕方がありませんが、この叔母がいるかぎり、おいそれと手は出せないのです。
究極の我儘、ここに極まれり-----と、いったところでしょうか。
とにもかくにも、叔母のこれからの出方が、案じられます。


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