何とも、呆れる話・・・・・134

~ 今 日 の 雑 感 ~



何とも、呆れる話



    わたしの家の近所に、二人の子供がいながら、家事育児のまったく出来ない主婦がいます。

    出来ないというより、おそらくは、する気がないのです。何故なら、家事や育児は、女性がやるものではなく、結婚相手の男性がやるものだと、真面目に信じているからなのです。

    それでも、結婚する前は、一応の花嫁修業のまねごともして、料理教室やマナー教室にも通いました。しかし、ひとたび結婚してしまったら、夫とは、洗濯も、掃除も、食事の用意も、お互いに分担しようと決めたものの、ほとんど自分ではやらず、夫が会社へ行ったあとは、さっさと実家へ戻ってしまい、夜まで、そこで娘時代と同じように、まったりとして過ごしているのでした。

    そして、夫が会社から帰る時刻になると、ようやく二人の家へと帰るのです。ですから、もちろん、食事の用意などはしてありません。会社から、疲れて帰った夫が、夕飯を作るのです。

    そして、子供が生まれた後も、このやり方は変わりませんでした。しかし、つい、最近になり、その主婦が、

    「わたしの人生は、こんなはずじゃァなかった。主婦業にも母親業にも疲れたので、実家へ戻ります」

    と、言って、とうとう実家で寝泊まりするようになり、夫も、子供も、ほったらかしなのです。

    これには、心優しい夫も、ついに堪忍袋の緒を切りました。

    「いままで、何一つ主婦らしいことをしてこなかったくせに、主婦業に疲れたとはどういう言い草だ!ふざけるにもほどがある!このままなら、もう離婚だぞ!」

    と、怒鳴ったところ、この女性は、こんな驚きの、言い訳を口に出したのでした。

    「だって、わたしは、ずっと、花嫁のままでいたかったのよ。綺麗な服を着て、レストランで食事をして、旅行をして、優雅に暮らしたかったのに、あなたは、わたしの夢を皆ぶち壊してくれたんじゃない。わたしの実家の母は、何一つ、自分でやらなかったわ。料理も、洗濯も、掃除も、庭の草取りも、みんな父がやっていたのよ。それが、男の仕事でしょ?」

    これを聞いた夫は、もう、呆れてものが言えなかったそうです。要するに、この女性の父親は、婿養子だったのです。それで、結婚した当初から、食事の味付けの仕方が判らないという、この女性の母親のために、男の自分がすべて食事の用意から、後片付け、家事全般何もかもを、やって来てしまったのだといいます。

    それを見て育ったこの女性は、それが当たり前の世間の常識だと、思い込んでいたのです。

    こんな母親に、子供たちも、憤慨し、

    「バカ女、もう二度と家へ戻って来るな!」icon09

    と、カンカンです。

    しかし、この女性は、世間体だけは気にする性質(たち)で、離婚だけは嫌だといっています。

    そんな訳で、現在は、何とか元の家へ戻り、夫や子供たちとも一緒に暮らしてはいますが、正直、これまでの家族間の溝が埋まったとは言えません。

    わたしの住む地域では、こんな言葉があります。


    「婿取りの娘は、嫁にもらうな。しんしょ(財産)をつぶすぞ」


    まあ、お婿さん取りの母親を持つ娘さんが、全員こういう碌でなしに育つ訳ではないでしょう。本当に一生懸命に、家事や育児を頑張っている女性も大勢います。

    しかし、婿養子に入った父親が、家付き娘の母親に遠慮して独楽鼠のように働いた結果、こういう娘が出来たとすれば、それは、やはり世間からずれている育て方をしてしまったといか言いようがありません。

    
    本当に、こういう主婦が世の中にいるとは、何とも、呆れかえる話です。face09
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