相手の共感を確かめる方法・・・・・891

~ 今 日 の 雑 感 ~


相手の共感を確かめる方法




    かなり昔のテレビコマーシャルに、若い女性が喫茶店の席に座っていて、前のテーブルにいる中学生ぐらいの男の子を、ちょっとくすぐったそうに眺めながら、グラスに注がれているジュースを飲むという、おしゃれなシーンがありました。

    その時、女性は、添えられているストローをわざと取り出し、直接グラスに口を付けてジュースを飲むのです。

    すると、前のテーブルの中学生もまた、同じように自分のグラスのストローを取り出して、恥ずかしそうな素振りで、グラスに口を付けて飲みます。

    この時、二人は何も言葉を交わす訳ではないのですが、綺麗なお姉さんに淡い恋心を懐く男子中学生の心理が見事に表現された、実にうまい場面構成でした。

    このように、たとえ何も言葉にしなくても、好意を持つ者同士というのは、知らず知らずのうちに、相手と同じ動作をするという心理学的法則があるのだそうです。

    これを「姿勢反響」といいます。

    友人同士のグループで、意見が真っ二つに分かれた時など、この姿勢反響に気を付けて観察すると、その中の誰と誰の意見が同じで共感しあっているのかがよく判るとか・・・。

    つまり、同じ意見の者は、発言者の言葉に、ほぼ同じタイミングで頷いたり、前かがみになって集中していることが多いのです。

    このように喫茶店などで意見が一致したり話が盛り上がっているグループなどを見ると、誰かがティーカップに手を伸ばせば、必ずというほど、皆が同じようにティーカップに手を伸ばしていることが判るのです。

    そして、誰かが足を組めば、他の者も足を組み、顔を触れば、他の者も触る----こんなシンクロした場面を見ることが出来るのです。

    こうした「姿勢反響」は、親しい人同士では、さらに頻度が高くなるそうですから、これを観察することで、相手が本音を漏らしても良い人間かどうかが、ある程度把握できるとも言います。

    ただ、この「姿勢反響」で気を付けなければならないのは、見ず知らずの初対面にもかかわらず、やたらに終始、同調行動を見せる人間がいることです。

    相手の意見に決して反論せず、常に仕草を真似るような態度をとる人が稀にいるのですが、こういう人は、そうした行動をとることで、わざと相手の共感を得ようとしている場合があるのです。

    こうした人に会った時は、何か下心があると解釈して、安易に信用しないことが大事です。

    あなたの友人や恋人が、食事の最中などに「姿勢反響」してくれた場合は、あなたに共感し、気持ちを許している証拠です。しかし、その気配すら見えない時は、その人物に腹話をすることはあまりお勧めできません。

    「この人、本当にわたしに関心があるのかしら?」

    と、悩むような時は、こんなことも、相手を知る上で少しばかり参考にしてみると良いでしょう。





    

    


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