第二の人生は仏門へ・・・・・929

~ 今 日 の 雑 感 ~


第二の人生は仏門へ



    新聞を読んでいたら、面白い記事が目にとまった。

    元大手家電メーカー役員をしていた柴田文啓さん(75)という人が、千曲市八幡の開眼寺という寺で住職をしているという記事である。

    福井市出身の柴田さんは、10年前に専属住職としてそれまで住職が不在だった同寺へ入り、今では、地域の人たちに「おっしゃん」と呼ばれて慕われているという。

    座禅会を毎週開いて住民たちとの交流の場を設けたり、不登校の子供やその親、働く意欲がわかない若者の相談に乗り、また、同寺滞在中に自殺しようとした女性を助けたこともあるという。

    そして、柴田さんは、

    「お寺の住職のような人さまから相談を受ける仕事は、人生経験を積んだ人の方がよい」

    との考えから、定年を迎えた人達の第二の人生の選択肢の一つとして、仏門へ入る道を提案している。

    地方では、住職のいない無人の寺が増えている。

    そういう寺の住職の担い手として、定年退職した人たちの力に注目したいというのだ。

    「定年後、毎日ゴルフばかりではすぐに飽きる。世のため人のためになることが生きがいにつながるのでは・・・」

    語る柴田さんのような人が大勢出てくれると、過疎化が進んだ村のお年寄りたちも安心出来るのではないだろうか。

    いつの時代も、寺は地域住民の心の拠り所でもあり、いざという時は子供たちの避難場所にもなる。

    わたしのいる地域にも、かつて尼寺だった梅翁寺という寺があるが、一時、無人となり荒れ放題であった。

    ところが、ごく最近若い住職が入り、境内も手入れが行き届き、見違えるように美しくなった。寺の前を通る園児や小学生の表情にも安心感が見えるような気がする。

    六十代は、まだまだ現役世代。

    そんなお父さんたちの第二の人生に、出家という選択肢もありではないかと、記事を読んでいて思った。



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