結婚しない男たち・・・・・941

~ 今 日 の 雑 感 ~


結婚しない男たち




    ある恋愛心理に関する著述では、何のかんの言っても、男はみんな結婚して行くのだ----と、あったが、最近は、そうでもないようだ。

    30代、40代、50代の非婚男性が急増中だという。

    非婚とは、未婚ではなく、一度も結婚したことがない、いや、結婚自体に興味がないということである。

    「噂の東京マガジン」では、東京都23区の中でも、中野区がダントツにこの非婚率が高いと報じていた。

    そんな結婚経験のない三、四十代の男性たちに話を聞いたところ、多い答えが、

    「結婚する理由が見付からない」

    とのことだった。

    中野区は、東京都の中でも物価が安く、比較的安価で外食が可能だ。

    アパートに住み、外食して、コインランドリーで洗濯をして、銭湯へ通えば、何も妻がいなくても充分一人暮らしが不自由なく出来るという。

    その他の回答では、

    「三ヶ月ぐらいで彼女を交代したいので、結婚してはそれが出来ない」

    「自分の趣味にお金を使いたいので、女房子供がいると不便」

    「今の自分の生活スタイルを崩したくないから、他人との同居は無理」

    「悠々自適な生活を送り、最後は一人さびしくのたれ死ぬ覚悟は出来ている」

    などという人生を達観した男性もいた。

    とはいえ、こんな男性たちの心理の裏には、ある切実な事情が隠れていると、中央大学の教授は説明する。

    「要するに、今の男性たちの給料では、妻や子供を養っていけないのです。自分一人が食べて行くのが精いっぱいというサラリーマンが多いという現実が、彼らに結婚願望を懐かせないようにしている訳です。

    また、今どきの若い女性たちの理想とする結婚が、夫と共に家庭を築いて行こうという能動的なものではなく、高収入の男性をゲットして、一生寄りかかって贅沢したいという受け身的なものに変化しつつあるのです。

    高収入の医師や弁護士、中央省庁の上級職、実業家男性ばかりをターゲットにするような、そんなぶら下がり思考の女性を、あえて妻にしようなどという奇特な男性はいません。

    よって、社会には独身男性が増えるのです」

    男女共学が当然となり、それまでの男性たちのように、女性の中に期待していた神秘的な部分が白日のもとにさらけ出されてしまった現代社会において、男性たちの女性に対する憧れが薄れてしまったのである。

    男も女も同じ。子供も大して欲しくない----となれば、女性に興味を示さない非婚男性が多くなる訳である。

    さらに、これだけ離婚率が高いという現状も、彼らの非婚に拍車をかけていると言わざるを得ない。  続きを読む


高齢者は、誰も同じか?・・・・・940

~ 今 日 の 雑 感 ~


高齢者は、誰も同じか?




    母親が救急車で運ばれて気が付いたのだが、病院によっては、高齢者は誰も同じというように扱うところがある。

    高齢者といえども、大いなる歴史を背負った一人の人間である。

    若者などに想像すら及ばない深い人格を持っているのだ。

    ところが、病院では、そんな彼らを、ただひとくくりの「老人」としてしか見ようとしない。

    わたしの両親は、確かに高齢ではあるが、記憶力も洞察力も、わたし以上であるし、行動力もそこいらの若造などには決して負けない体力も気力もある。

    耳も目も確かで、父などは未だに眼鏡なしで新聞でも書類でも読む。

    しかしながら、母親曰く、「車酔いで死にそうなくらい気持ちが悪いから、周囲の言葉などにいちいち返事をしたくないと思っていたら、まるで、認知症患者扱いよ。情けないったらないわ」と、怒り心頭であった。

    実は、わたしも、入院中は老人のように思われていたことがある。

    身体が言うことをきかず、背も極端に縮み、甲状腺ホルモンが足りないために皮膚も皺だらけで、正に老人そのものであった。

    そんなわたしに向かい、ある看護師は、「白髪がなくて、驚きました」と、言う。

    白髪などあるわけがない。いったい、わたしを何歳だと思っていたのだろうか?

    人は、決して外見で判断など出来はしない。

    高齢者の人格を無視して、皆をいっしょくたにするような、安易な接し方は是非ともやめて頂きたいものである。





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