夏の旅人たち

夏 の 旅 人 た ち


 遥かにのびる 湾岸道路 こがす

 夕日の赤が Tシャツに にじむ

 砂塵まみれの潮風は 頬 なぶり

 ザック背中に 明日(あした)を問いかけ 

 いったい どこへ歩けばいいのか おれたち

 これから 何を探せば いいのだろう

 孤独な雄叫びを 胸に秘め

 すり切れたプライドを しょうこりもなく 握りしめながら

 ぎらつく汗の流れるままに 怒りと虚しさ かみしめ

 時が見捨てた夢 かき集めて 夏をゆく



 海岸そばの ドライブインを 出れば 

 夜空に ひとつ 流れ星 よぎる

 後悔ふかく 胸に吸い込み

 いったい 何を信じりゃいいのか おれたち

 これから 何を愛せば いいのだろう

 手探りばかりの 人生など 

 はじめから 望みやしない 

 生まれて来た時代 うらみながら

 それでも かすかに くすぶる火が 遠い記憶に 残るなら

 砂に刻んだ 夢 かき集めて 夏をゆく



 いったい どこへ歩けばいいのか おれたち

 これから 何を探せば いいのだろう

 答えの見えない 苛立ちさえ

 大人は 試練と いうけれど

 教科書通りの 過ちに 慣れ

 それでも かすかに くすぶる火が 遠い記憶に 残るなら

 砂に刻んだ 夢 かき集めて 夏をゆく







    ~今日の雑感~

    昨今の閉塞的な社会状況に、自分の将来や希望を見失っている若者たちをモチーフに、書いてみた「詩」です。
    如何でしょうか?
    
    
    

    
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Posted by ちよみ at 20:49Comments(4)